
リヤド:スーダンの惨事では数百人が死亡し、大量の人々が国外へ脱出しているが、国民は今、対立勢力の代表団によるジェッダでの交渉によって惨状が止まることを願っている。
交渉は戦闘終結のための初めての本格的な試みであり、米国とサウジアラビアが主導している。ハルツームは一部戦場と化す一方で、長年の政情不安の後に民政移管を実現しようと国際社会が支援したプランは頓挫し、人道危機が生まれている。
サウジ外務省は声明において「交渉前」の話し合いが6日に始まったと述べ、話し合いは「人道支援を促進するための効果的な短期間の停戦に至るとの想定で、今後数日間続く」としている。
民政移管のプランを主導したスーダンの政治グループ「自由変革の力(Forces of Freedom and Change)」は6日、ジェッダでの交渉を歓迎すると述べた。
国軍とそれに対立する準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」との間で6日に始まった交渉について、現時点で進展の兆候は見られない。
当事者たちは、戦争の終結ではなく、通行の安全などの人道問題についてのみ対処すると語っている。4月15日の紛争開始以降、停戦合意は幾度となく破られてきた。
「ジェッダでの交渉で戦争を止められないのであれば、私たちは家に帰ることができず、生活も取り戻すことができなくなります」。ブルーナイル川の対岸バフリ在住の政府職員、タマダー・イブラヒムさん(35歳)はそう話す。
「交渉は唯一の希望ですから、その結果を待ち望んでいます」
医師のマフジュブ・サラーさん(28歳)は、首都で暴力に晒されている地域は日々変化していると語る。
サラーさんは先月、ハルツーム中心部のアル・アマラット地区で激しい戦闘を目撃し、隣人が腹を撃たれるのを見たという。首都の南東部に家族用の住まいを借りる前のことだった。
「今もパスポートの発行を待っていますが、どれくらいかかるか分かりません。発行されたら、ポートスーダンからサウジアラビアへ渡る予定です」とサラーさんは語る。
4月中旬から続く戦闘では数百人が死亡し、数千人が負傷している。支援物資の供給は滞り、10万人の避難民が国を脱出している。
RSFは投降してきた国軍兵士のものとする映像を公開した。兵士の1人がしゃべり出すと、背後で銃声が聞こえた。
数千人が、船でサウジアラビアへ渡ろうとポートスーダンへ殺到している。また、スーダンで唯一機能している空港から高額な民間航空機に搭乗したり、避難用の航空機を使ったりする人々もいる。
エジプト、サウジアラビア、エチオピア、そして不安定なサヘル地域が交わる戦略地点に位置するスーダンにとって、紛争は新しいものではない。
だがそのほとんどは、人里離れた場所で起きていた。今回はアフリカでも最大級の都市であるハルツームで激しい戦闘が起きているため、国民は一層警戒感を強めている。
戦闘開始以降、3万人以上が南スーダンに移動していることが国連の難民機関に記録されている。その9割以上は南スーダン人だ。実態はそれよりも遥かに多い可能性があるという。援助団体は、すでに緊迫している南スーダンの人道状況が人の流入でさらに悪化する可能性を懸念している。
AFP