
ダマスカス:アラブ連盟がシリアの加盟停止解除を決定し、シリア政権は10年以上続いた孤立から脱却したが、国内諸勢力の反応はさまざまで、長年の流血の事態がこの国に深い亀裂を生み出していることが鮮明になった。
7日にアラブ連盟外相会合でなされたシリア加盟停止解除の決定は、バッシャール・アサド大統領との関係正常化に向けたこの地域の動きを強めるものだ。シリアは2011年来、連盟の加盟資格を停止されていた。
停滞している国連和平交渉で反体制派の交渉チーム責任者を務めるバーダー・ジャムス氏は、シリアのアラブ連盟への再加盟はシリア国民にとって「ショック」であり、「政治プロセスの息の根を止める」ことになると述べた。
反体制派は、関係正常化を現在支持している国々から何年もの間、支持を受けていた。
ジャムス氏は、アサド氏の対抗勢力は今回のアラブ連盟の決定について「相談を受けていない」と、ツイッターに投稿している。
シリア北部一帯はトルコが支援する反政府勢力がまだ確保しており、この数カ月、アサド氏との関係正常化に反対する抗議行動が激しくなっている。
シリアで権利侵害の被害者のための活動を行うシリア・キャンペーンは、7日の動きは 「身の毛のよだつようなメッセージを送る」ものだとし、「アラブの春の自由と民主主義の希望を葬る棺桶に最後の釘」を打ち付けたと述べた。
より肯定的な見解も見られた。
シリア北東部の半自治区を統治する政治団体であるシリア民主評議会は、8日に出した声明で、シリアの加盟停止を解除する決定を「歓迎」すると表明した。
カドリー・ジャミール元副首相など、政権と関係のあるシリアの政治活動家の一部は、今回の動きをオンラインでの声明で慎重に支持した。
この動きは地域的なアラブの役割を考慮したもので、「シリア問題での肯定的な結果」につながる可能性があるとしている。
ロイター