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2月6日のトルコ・シリア地震で家を失ったシリアの人々、住まいと安定を手にできず

2023年3月31日、アレッポ県西部の田園地帯にあるアタレブの町で行われた大規模イフタールに参加する2月6日の地震で被災した地元住民。(AFP)
2023年3月31日、アレッポ県西部の田園地帯にあるアタレブの町で行われた大規模イフタールに参加する2月6日の地震で被災した地元住民。(AFP)
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10 May 2023 06:05:24 GMT9
10 May 2023 06:05:24 GMT9
  • シリア北西部では約1900棟の建物が倒壊し、8800棟以上が使用不能になった
  • 当局は大規模な住居不足に対応できておらず、多くの人々が不安定な状況にある

アナン・テッロ

ロンドン:2月6日に二度の大地震がシリア北西部とトルコ南部を襲って以来、被災者は臨時避難所や非公式キャンプで暮らしながら、再び家に住めるという知らせを待っている。

NGOや地元当局は大規模な住居不足に対応できておらず、家を失った人々は不安定な状況にある。震災で心に傷を追った被災者の中には、今でも怖くて屋内に戻ることができない人もたくさんいる。

あの運命の日の早朝、地震がシリア西部の都市アレッポを襲った時、「人々は公園や墓地に避難し、子供たちにはただの長いピクニックだと言い聞かせていました」。アラブニュースに対しそう語るのは、非公式キャンプでボランティアをしているファティマ・マルディニさんだ。「頭上に空以外のものがない限りはですが」

地震は、ただでさえ悲惨なシリア北西部の状況に追い打ちをかけた。12年におよぶ内戦により多くの家や公共の建物が瓦礫と化していただけでなく、戦闘によって複数回にわたり避難を余儀なくされた家庭やコミュニティーもあった。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の2月の推計によると、地震直後のシリアでは約537万人が避難所支援を必要としていた。

避難所対応を調整する機関間常設委員会「グローバル・シェルター・クラスター」によると、シリア北西部では約1900棟の建物が倒壊し、8800棟以上が使用不能になった。

3月3日に公開されたレポート「世界銀行グローバル・ラピッド・アセスメント」によると、シリアにおける地震による直接の物理的被害は推定51億ドルに上った。損壊した建物の約半分が住宅だった。

イギリスを拠点とするNGO「アクション・フォー・ヒューマニティー」が最近発表したレポートによると、現在キャンプで暮らしている人々の98%が地震避難者だという。

2月6日の大地震の直後に設置された避難民キャンプで、テントの間の道を歩く人々。2023年2月19日、シリア北西部ジンダリス。(AFP)

3月に発表されたこのレポートによると、北西部のキャンプで暮らす人々の約90%は「地震で避難する前から既に、紛争による避難を少なくとも1回経験していた」

彼らのうち、約12%は1~2回、65%は3~7回、23%は8回以上の避難を経験していたという。

「SKTウェルフェア」のカントリーディレクターであるヤセル・アルシャダ氏がアラブニュースに対し語ったところによると、シリア北西部の反体制派支配地域ではテントがほとんど贅沢品になっている。現在の平均月収が50~75ドルであるのに対し、テントは150~300ドル、場合によっては500ドルもするのだという。

一方、国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、シリア北西部では400万人以上が最も基本的なニーズを満たすのに依然として人道支援に頼っている。

臨時避難所の大半は学校やモスクやスタジアムだ。過密、清潔な水の供給不足、下水システムの損傷などにより、感染症のリスクが高まっている。

世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)は最近、他の国際NGOや地元保健当局と提携して、コレラの新たな感染拡大を防ぐために、最も地震被害の大きかった地域でワクチン接種キャンペーンを開始した。

政府支配地域の状況は僅かにましだったかもしれない。アレッポでボランティアをしているマルディニさんはアラブニュースに対し、地震以来1ヶ月間風呂に入ることができていなかった若い女性たちと話したと語る。

「彼女たちの一人は、2日前にシャワーを浴びたと得意げに話してくれました。どうやって浴びたのか聞いたところ、また余震が来ないかと怖かったけれど、半壊した自宅の浴室で素早く体を洗ってから走って避難所に戻ったとのことでした」

ラタキアの南にあるジャブラ、そしてアレッポで緊急対応を行うために「アンメルハ基金」を設立した市民活動家のモハマド・アル・ジャドゥー氏はアラブニュースに対し、地震直後数週間の避難所の状況は壊滅的だったと語る。

同氏は、「大勢の人々が部屋に詰め込まれていました」と話す。ジャブラとアレッポの避難所には十分な設備がなかったという。

内戦で損傷を受けた建物の中で、既に壊れやすくなっている住居が地震に耐えられないのではないかと心配しながら暮らす地震避難者たち。2023年3月1日、シリア北部の都市ラッカ。(AFP)

アル・ジャドゥー氏のチームはジャブラで、避難中の家族に食事やシェルターキットを配布した。冬の厳しい気候にもかかわらず、彼らの多くは余震を恐れてモスクや公園で暮らしていた。

最初の地震から数週間は、各地区の住民は自宅がまだ無事な人々も含め全員自宅から避難した。ライフラインが止まっていたし、心の傷が残っていたからだ。

アル・ジャドゥー氏は、「首都ダマスカスの比較的サービスが機能している地区でも、電気は4時間のうち良くて2時間しか来ません」と言う。「しかし、ジャブラとアレッポの被災地の状況はずっと悪いです」

地震から3ヶ月経ち、地元団体は何とか数世帯に家を提供することができた。親族の家に移り住むことを選んだ人々もいる。

大地震で家を失い、学校に設置された仮設キャンプで暮らしながら人道援助物資を受け取るシリア人たち。2023年2月10日、アレッポ県西部の田舎町アタリブ。(AFP)

しかし、これらの団体は6ヶ月間しか住宅支援を提供することができない。各家庭はそれ以降、厳しい台所事情と崩壊した経済の中で何とかして家賃を払わなければならない。そのため多くの人が家を失ってしまった。

アル・ジャドゥー氏は、住宅事情が近い将来に改善することはないと見ている。「2011年から破壊されたままの建物があるのです。修復の努力もなされていません」

アレッポでボランティアをしているマルディニさんによると、同県の政府支配地域では個々の取り組みで約100家族に家が提供された。家賃を払う余裕がある人々は貧しい地区の安い住宅に住むようになったという。

「マルト・ボランティア・チーム」のゼネラルマネージャーであるマルワン・アルレズ氏がアラブニュースに語ったところによると、政府も多数の世帯に1年間の補助金を支給したほか、未完成のアパートに一時的に人々を受け入れたという。

しかし、当初は善意の支援が続いたものの、国からの支援はすぐに途絶えた。「以前は学校など多くの避難所があって、人々を受け入れていました」とアルレズ氏は言う。「テントがたくさんありました。しかし今は違います」

大地震で家を失った人々が住むための仮設キャンプを建設するシリア人たち。2023年2月8日、シリア北西部、トルコとの国境近くのイドリブ県の町ハリム。(AFP)

「アレッポ市内の避難所は一時閉鎖になりました。今も残っている避難所は市外の田舎の2ヶ所、ジブリーンともう一つの町だけです」

「2日前、キャンペーンである学校を訪れて約150人の子供たちを支援したのですが、そこはもうすぐ閉鎖される予定だと言われました」。その学校に避難している多くの家族は仕事も何もかも失っているにもかかわらずである。

アクション・フォー・ヒューマニティーは3月24日、シリア北西部のアル・バブ地区に「マッサ村」を開き、テントや非公式の避難所で暮らしていた避難民500世帯を受け入れた。

地震発生を受けて人々に住居を提供する努力が国内外でなされているものの、ニーズの規模は依然として大きい。しかし、国外の寄付者からの資金は全く足りていない。

「アクション・フォー・ヒューマニティー」「ハンド・イン・ハンド」「デニッシュ・レフュジー・カウンシル」を含むシリア国内外のNGO47団体のグループは3月7日に出した声明の中で、「シリアにおける人道対応のための資金調達が遅れている」と訴えた。

これらの団体は「シリア地震フラッシュアピール」について、「必要な資金の52%分しか拠出の確約が得られていないうえ、確約された2億600万ドルのうちパートナーに渡されて人道対応に使用可能になったのは3分の1だけである」ことを明らかにした。

「シリアのNGOは、直接あるいは国連や国際NGOなどのパートナーとして国内の人道対応の大部分を提供しているにもかかわらず、資金配分において不釣り合いに軽視されている」

 

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