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スーダンの敵対する2つの勢力、民間人に対する人道活動を認めることで合意

2023年5月11日にジェッダで行われた調印式で、サウジアラビアと米国の当局者立ち会いのもと、ジェッダ宣言への署名の準備をするスーダン国軍とその敵対する即応支援部隊の代表者。(SPA)
2023年5月11日にジェッダで行われた調印式で、サウジアラビアと米国の当局者立ち会いのもと、ジェッダ宣言への署名の準備をするスーダン国軍とその敵対する即応支援部隊の代表者。(SPA)
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12 May 2023 12:05:22 GMT9
12 May 2023 12:05:22 GMT9
  • 木曜日、スーダン国軍と即応支援部隊はジェッダで宣言に署名した
  • 両者間の交渉はサウジアラビアと米国が仲介した

アラブニュース

リヤド:木曜日、スーダン国軍 (SAF) および敵対する即応支援部隊 (RSF) は、民間人のニーズを満たす人道活動を促進するために、国際人道法の遵守を約束する宣言に署名した。

サウジ国営メディアが報じた「スーダン民間人保護の約束に関するジェッダ宣言」と題した文書の中で、敵対する2つの勢力はさらに、「緊急人道支援の提供と生活に不可欠なサービスの復旧を促進するため、短期停戦の合意に向けた」協議を優先することを約束した。

交戦する勢力の指揮官代表を務めたアブドゥルファッターハ·アル·ブルハンSAF長官とモハメド·ハムダン·ダガロRSF準軍事組織司令官は、土曜日からジェッダで会談し、米国と国連の参加のもと、サウジアラビアが用意した「交渉前協議」を行ってきた。

「我々は、スーダン国民の利益と福祉が最優先事項であることに同意し、民間人が常に保護されることを保証するという我々のコミットメントを確約する。これには、敵対行為が活発な地域から、民間人が自ら選択した方向に自発的に離れるための安全な通行を許可することが含まれる」と宣言文には書かれている。

両勢力はまた、「民間人と戦闘員、および民間の施設と軍事目標を常に区別する」責任と義務について確認した。

サウジアラビアと米国は、「この宣言は両勢力の行動指針となり、人道支援の安全な提供、生活に必要不可欠なサービスの復旧、病院や診療所からの部隊の撤退、死者に対する敬意を払った埋葬を可能にするだろう」と共同声明で述べた。

「署名に続き、ジェッダ会談はこれら活動を促進するため、最長約10日間の効果的な停戦に関する合意に注力する。安全上の対策には、米国とサウジアラビア、ならびに国際支援による停戦監視メカニズムが含まれる」と声明には述べられていた。

金曜日、サウジアラビア外相のファイサル·ビン·ファルハーン王子は、会談の実施と民間人保護に関する宣言は第一歩に過ぎないと語った。

「そのほかの措置も続くが、最も重要なことは合意内容の遵守であり、王国はスーダンとその国民に安全と安定が戻るまで努力する」とファルハーン王子はツイートした。

4月15日にこの北アフリカの国で戦闘が勃発して以来、750人以上が死亡し、数千人が負傷、さらには住む場所を追われたと報じられている。

この紛争で少なくとも18人の人道支援活動家が死亡しており、宣言の合意は極めて重要である。

多くの国連機関やNGOは、戦闘に直面してハルツームとダルフールでの活動の一時停止を発表した。部分的に業務は再開されているが、依然として脅威に対する警戒を続けている。

国連の世界食糧計画は、スーダンの首都ハルツームで数百万ドル相当の食料が略奪されたと発表した。

アフリカで3番目に面積が大きいこの貧しい国での援助を狙った略奪や攻撃を受け、今回の合意で両勢力は、切実に必要とされている人道援助を受け入れることを大まかに約束している。

この宣言では、電気、水道、その他の基本サービスの復旧、病院からの治安部隊の撤退、死者に対する「敬意を払った埋葬」を求められている。

協議に関わった米当局者は、出された提案をもとに新たな10日間の休戦が決まり、さらに長期的な戦闘終結に向けた交渉につながっていくだろうと、匿名での扱いを条件に話してくれた。

「これは停戦ではなく、国際人道法に基づく義務、特に民間人の扱いや人道支援者が活動できる余地を確保する必要性に関する内容を確認するものだ」とその当局者は話した。

「私たちは慎重ながらも、この宣言に署名するという彼らの意欲によって、救援物資を受け入れる余地を作らざるを得ないような機運が高まることを期待している」と彼女は述べた。

関係者らによると、両勢力は停戦の監視方法についても初めて合意に至った。

別の米当局者は、「とても厳しい」交渉であったと述べ、停戦監視について双方に裏の狙いがあるかもしれないことを認めた。

「率直に言って、双方とも相手方が違反の張本人と見られることを期待している」とこの人物は話した。

しかし、最初の段階の仲介に費やした時間の長さゆえ、少なくとも停戦が実現すれば、それはより「効果的」なものになるだろうと付け加えた。

外交官や専門家は、双方が和平を望んでいるのか、それとも相手を打ち負かすことに関心があるのか疑問を抱いている。

この紛争は、元独裁者オマル·アル·バシールによって設立·育成された準軍事組織が、民政移行への過程で軍に統合されるのを拒否したことで勃発した。

米国は先週、一時停戦を仲介し、その期限切れ後は敵対する両勢力に対する制裁を示唆した。

米国の一部の議員は、注目が2人の将軍に集まることによって、本質的に民主派勢力が脇に追いやられることになると警戒の声を上げている。

ジョー·バイデン大統領に近い民主党のクリス·クーンズ上院議員は水曜日の公聴会で、「オマル·アル·バシール政権を転覆させた勇敢な蜂起を主導したグループの文民指導者が、脇に追いやられることは許せない」と発言した。

さらに木曜日、国連の最高人権機関は、スーダンにおける人権侵害の監視強化を僅差で決定し、既存の特別報告者の任務を拡大した。

しかし投票はきわどかった。この動きは西側諸国が主導し、人権理事会理事国のうち、18か国が賛成、15か国が反対、14か国が棄権した。

(AFP)

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