
ロンドン:国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長が11日にバチカンを訪問した際、フランシス教皇は若いパレスチナ難民から心動かされる手紙を受け取った。
面会において、事務局長はパレスチナ難民が直面し続けている前例のない困難を詳細に説明した。特に、苦境が解決される見通しのないことを取り上げた。
「UNRWAが設立されてから75年が経とうとしていますが、パレスチナ難民が威厳ある生活を送るために、その人権やUNRWAの活動を支援することがますます重要になっています」と事務局長は述べた。
「UNRWAが直面し続けている深刻な財政リスクによって、パレスチナ難民の人間的な発展が後退する恐れがあります」
事務局長は、2月にシリアとトルコの一部が壊滅的な地震に襲われた後、シリアとレバノンを最近訪問した際に難民から直接聞いた話を教皇に伝えた。
また、15歳のリーンという少女が書いた手紙を教皇に渡した。UNRWAで子供議員を務めるリーンさんは、占領下にあるヨルダン川西岸地区の街ベツレヘムの近くにあるデヘイシェ難民キャンプに住んでいる。
手紙には「キャンプの他の子供と同じように、私も教育課程を修了したいです。そして、自分自身のために良い未来を構築し、家族やキャンプの住民の生活を向上させたいです」と書かれている。
「パレスチナ難民の1人として、世界の他の子供たちと同じように平和に生きたいです。私たちは権利を求め、自由・平和・安全に生きたいと思っています。何かに怯えることなく平和に学校に通いたいです」
事務局長はさらに、700校以上の50万人以上の若い難民に実施されている教育プログラムなど、UNRWAが実施している重要な活動についても簡単に説明した。教育プログラムは、UNRWAが実施している単体のプログラムとしては最大の規模で、平和や寛容といった価値観で形成されているという。
ラザリーニ事務局長は、590万人のパレスチナ難民の苦しみを忘れず、威厳ある生活を平和に送る権利を保護するための支援を教皇に求めた。