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日本の副大臣が、「UAEは将来の水素供給に大きな可能性を秘めている 」と語る

鷲尾英一郎外務副大臣(WAM)
鷲尾英一郎外務副大臣(WAM)
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23 Feb 2021 12:02:47 GMT9
23 Feb 2021 12:02:47 GMT9

アラブニュース・ジャパン

アラブ首長国連邦は、クリーンな水素の機会を捉え、日本などエネルギーパートナーとの既存の関係を活用し、 輸出ポートフォリオの中に追加製品として提供することで、脱炭素化世界における経済成長の基盤を築き、エネルギー市場で継続的な影響力を確保できるだろう。

鷲尾英一郎外務副大臣は、UAEによるクリーンな水素の増産の取り組みに言及し、「実際、UAEは石油やガスだけでなく、明るい太陽にも恵まれているので、将来的に水素を供給できる大きな可能性を秘めています」と、国営通信社WAMのインタビューの中で語った。

水素は、様々なソースから生産可能な多目的に使えるエネルギー源である。グリーン水素は、水を電気分解して水素と酸素に分解して作られる燃料で、これは再生可能エネルギーを利用したプロセスであり、二酸化炭素を排出しない。水素燃料がグリーンであるためには再生可能エネルギーが必要なため、電気分解プラントに電力を供給する再生可能発電が必要となる。

UAEが水素利用に関心を寄せる背景には、水素経済をリードできるユニークな利点や、化石燃料からの脱却というインセンティブがある。

UAEは、新たなクリーンエネルギー源の開発に向けた取り組みとして、グリーン水素やブルー水素のプロジェクトに投資している。例えば、国営のドバイ電力水道局(DEWA)は、Expo 2020(ドバイ国際博覧会)で、モハメド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム・ソーラーパークの太陽光発電による水素電気分解施設で生産された燃料を使用した燃料電池自動車を多数走らせ、パイロット的なグリーン水素モビリティプロジェクトを展開している。このソーラーパークは、2030年までに5GWの発電容量が見込まれている。

UAEが豊富な太陽光資源のポテンシャルに恵まれていることは、その豊富で低コストな太陽光エネルギーを利用したグリーン水素の生産において非常に有利であり、大規模な輸出市場への供給が可能であることを意味する。

「一方、日本は水素やアンモニアを供給する技術を模索してきました。例えば、水素を供給するために、発電容量20メガワット(MW)の太陽光発電を動力源とする容量10MWの世界最大の電解槽が昨年、福島県で稼働を開始しました」と鷲尾氏は言う。

2021年1月14日、日本の経済産業省(METI)とUAEのアブダビ国営石油(ADNOC)は、水素や燃料アンモニアなどの分野で二国間協力をさらに前進させるための協力の覚書に署名した。

鷲尾氏は「このように、UAEと日本の間には協力の基盤があると思います」と語った。

鷲尾氏は、このトピックについて詳しく説明し、「いわゆるグリーン・リカバリー」は、現在、新たな機運が高まっており、脱炭素化という課題の重要な部分であるだけでなく、ポストコロナウイルスの経済復興計画の一部にもなりつつあると語った。これは、再生可能エネルギー分野のように経済の中で新しい分野が登場することで、様々な経験や背景を持った人々に雇用の可能性を提供することができるからである。

「この点では、日本とUAEは、国際的なサプライチェーンの構築に向けた取り組みも含め、水素やアンモニアの分野で協力していく可能性があります」と鷲尾氏は語った。

ADNOCのスルタン・アル・ジャーベル最高経営責任者は1月のバーチャル・カンファレンスで、UAEはより少ない二酸化炭素の排出量でより多くのエネルギー生産を可能にする新燃料の可能性を探っていると語った。 

ADNOCの声明によれば、同社は川下事業のために年間約30万トンの水素を生産しているが、今後生産量を50万トン以上に拡大することを目指しているという。

鷲尾氏は、日本が再生可能エネルギーの導入に向けて進めている開発計画の概要を説明した。また同氏は、電力システム全体の総コストの評価、蓄電池やモーターに利用される鉱物資源の調達、今後数十年で環境問題になると予想される太陽光パネルの管理処分など、移行に向けて取り組んでいる発電に関連した重要な問題を指摘した。

「日本は2050年までにカーボンニュートラルを実現する意向を表明しており、再生可能エネルギーの最大限の導入を中心としたエネルギー移行にコミットすることを約束しています」と同氏は言う。

UAEは日本第2位の原油供給国で、サウジアラビアに次いで原油輸入量の30%以上を占めている。

半世紀に及ぶパートナーシップの成功の中で、UAEと日本は、共通のビジョンを発展させ、共通の関心分野における協力をさらに強化し、体系的かつ包括的に相互利益と進歩の実現に向けて努力していくことを再確認してきた。

UAEと日本の長年にわたる二国間関係を強調した上で、鷲尾氏は、世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる深刻な状況にもかかわらず、両国は協力関係を維持していると言及した。これは、両政府のメンバー間の度重なる電話会談やオンライン協議によって実現されたものであるが、これは2018年に署名された包括的・戦略的パートナーシップ・イニシアティブ(CSPI)に基づく両政府の協力関係の強化を可能にした。

同氏はまた、昨年種子島宇宙センターから三菱重工業のH-IIAロケットF42によって打ち上げられたUAEの火星ミッション(ホープ探査機)の成功に日本が果たした役割に触れ、共通のビジョンの構築への両国のコミットメントを再確認した。

鷲尾氏は「来年、両国の外交関係樹立50周年を前にして、相互に関心のある様々な分野において二国間関係をさらに深めていくことを約束します」と語った。

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