アリ・ヨウネス
ニューヨーク: 国連が15日に初めてパレスチナのナクバ(”大災厄”)を記念する中、マフムード・アッバース大統領は加盟国の代表に向け、パレスチナの民は自分たちの独立国家において自由と尊厳を保障された生活を送る権利がある、と訴えた。
また、パレスチナの国連への正式加盟も求めた。パレスチナは現状、2012年11月に認められた非加盟国のオブザーバーとしての地位に留まっている。
更に彼は国連に、イスラエルが国際法に違反するとされているパレスチナ領の占領、パレスチナ領へのイスラエル人の入植を非難する国連の決議を無視し続けるなら、イスラエルの国連加盟国の資格を停止するよう求めた。
アッバース大統領は、1948年のイスラエル建国時にパレスチナ人が大量移住させられた事件を指すのにパレスチナ人が用いる言葉である「ナクバ」から75年を記念して、パレスチナ人の不可侵権の行使に関する特別委員会の会合でスピーチを行った。
1947年から1949年の間に、190万人のパレスチナ人人口のうちおよそ75万人が自分の町や村から強制的に追放され、町村はユダヤ人移住民に奪われた。追放されたパレスチナ人の多くは近隣諸国に亡命し、難民として生活した。
国連は今年、30カ国が反対する中、初めてナクバを正式に記念する決議を採択した。アッバース大統領は15日の会合に参加した国連加盟諸国の代表に演説する中で、イスラエルおよびその主要な支援国であるイギリスおよびアメリカはナクバの責任を認めた上、パレスチナの人々に謝罪し、賠償すべきだと述べた。
パレスチナの人々はイスラエルが歴史的なパレスチナ領土の78%を占める土地に国家として存在する権利を認めた上で、ヨルダン川西岸地区およびガザ地区の占領区域に自分たちの国家を建立する権利を求めているだけだ、と述べた。イスラエルは1967年の中東戦争中に、上記の領土および他のアラブの領土を占領した。
アッバース大統領は、ユダヤ人やユダヤ教に反対しているのではなく、「信条に関わらず、我が領土を占領した人々」に反対しているのだ、と繰り返した。加えて、パレスチナ人の「殺害・強制移住・破壊およびナクバの責任は、イスラエル政府にある」と述べた。
彼は国連に、イスラエル当局に占領下のパレスチナ領における行為と戦争法違反についての責任を追及するよう呼びかけた。
アッバース大統領は「国連はイスラエルの虚偽の主張を受け入れたり見過ごすべきではない」と述べ、「イスラエルは法の上に居続けるべきではない」と訴えた。
彼は、パレスチナ人はイスラエルによる戦争法違反および占領区域におけるパレスチナ人に対する戦争犯罪について、国際刑事裁判所において法的責任を追及する、と述べた。
彼は国連に、加盟国として適格であるパレスチナを正式加盟させるよう求め、未だそうしていないことを非難した。
特別委員会の委員長を務めるセネガルの外交官シェイク・ニアン氏は開会に際し、パレスチナの人々の権利を強く支援する旨を繰り返し、イスラエルのパレスチナ領からの撤退を求めた。
彼はナクバをパレスチナ人の苦しみの「震源地」とし、近年のイスラエルによるガザへの攻撃で多くのパレスチナ人が死傷していることを非難した。
「民間人の死は、それがパレスチナ人であれイスラエル人であれ、受け入れられるものではなく、当事者全てに敵対関係を終わらせるよう求める」と彼は述べた。
「ナクバおよびパレスチナ人の何世代にもわたる苦しみは、歴史書で語られることが少なく、余りにもしばしば忘れられている」
アフリカ連合、湾岸協力会議、アラブ連盟、イスラム協力機構および数多くの市民団体の代表が、パレスチナ人および彼らの独立国家を持つ権利への連帯を表明した。
彼らはまた、パレスチナ人が、イスラエルの占領下で、75年前に近い状況の中で今も苦しめられ続けている以上、ナクバは未だに続いている、との認識を示した。