
ベイルート:28日、レバノン議会の最大のキリスト教系ブロックを構成する自由愛国運動、レバノン軍団、ファランヘ党が、大統領候補者について合意に達する方向に動いているというニュースが浮上した。
候補者として、ジハード・アズール元財務大臣(57)の名前が挙がっている。
アズール氏は現在、国際通貨基金(IMF)の中東・中央アジア局長を務めている。
マロン派のビシャーラ・ブトロス・アル・ライ総主教はバチカンとパリへ旅立つ前夜、日曜日の説教で、今回の合意に言及した可能性がある。
アル・ライ総主教は、レバノン共和国の大統領ができるだけ早く選出され、憲法上の機関が組織されることへの期待を表明した。
総主教は次のように語った。「だれに対しても挑戦をもたらすことなく、同時に現在のレバノンのニーズに対応し、内外から信頼を集める人格を備えた、将来の大統領に関する議会ブロック間の合意についての知らせを神に感謝します」
アル・ライ総主教は、「さまざまなレベルで起こっている混乱」もすぐに治まることを希望した。
ヒズボラとそれと同盟している政治連合は、シリア政権に近いマラダ軍団を率いるスレイマン・フランジェ氏の指名を支持しているが、レバノンのほとんどのキリスト教系議会ブロックは同氏を認めていない。
ヒズボラの議員で構成されるブロックの代表者ムハンマド・ラアド氏は、キリスト教系議会ブロックがアズール氏を候補として合意に達する可能性に反応した。
ラード氏は28日の声明で、「名前が出回っている候補者は、我々が支持する候補者と対決し、弱体化させることを使命とする仕組まれた候補者である」と述べた。
同氏はもう一方のグループに対し「時間を無駄にして期限を延ばすのをやめる」よう呼びかけた。
11回の議会選挙セッションでは定足数の不足により候補者が大統領選挙の第2ラウンドに到達できなかったため、レバノンにおける大統領空白期間は6月1日で8ヶ月目に入る。
ヒズボラの対立勢力は以前、ミシェル・ムアワド議員の指名を主張していたが、ヒズボラはムアワド議員を「挑発的な候補者」と見なしていた。
ある政治アナリストによると、アズール氏は「対立的・挑戦的な候補者」にはなりたくなかった。
レバノンのメディアによると、アズール氏は「全員の承認を得て、国の救済プロジェクトを担う大統領になりたい」と述べた。
政治アナリストは、「最後の瞬間に何か予期せぬことが起きるか立場が変化することを見越し、アズール氏をキリスト教系ブロックの最終候補と見なす」ことに慎重だった。
とはいえ、これまでに達成された肯定的な方向性を評価した。
交渉に関与しているエリアス・ハンカシュ下院議員は、大統領選出の可能性はすぐに高まったと述べた。
また、自由愛国運動党と合意した名前の中にアズール元大臣の名前があったと述べた。
ハンカシュ氏は次のように述べた。「ヒズボラに大統領職を捧げることはできないという主張がある」
「我々が妥協しなくてよい能力を備え、受け入れられる候補者を望む。国が和解を容認できないことは分かるが、今日は和解ではなく、候補者を認めることについて話している」
「多くの人を犠牲としてきた原則があり、原則を放棄したときに和解が成立するが、候補者について合意しても、それを和解とは呼ばない」
元判事でレバノン軍団党に所属するジョージ・オカイス議員は、野党と自由愛国運動党との間の交渉の進展について語ったが、まだ候補者の統一において合意に達していない。
オカイス氏は、来週がこの方向への転換点になることを期待していると述べた。
アズール氏の提案は、ヒズボラ派を挑発的しない候補者に関して自由愛国運動党と合意した結果である、と同氏は指摘した。
同時に、この候補者なら野党を統一する可能性があるので、「我々は歩み寄り、他のグループを待っている」と述べた。
アマル運動ブロックに属するアリ・ハッサン・ハリル氏は、「我々が支持した候補者を妨害するためだけに政治勢力が団結するという考えでは、国を安全に導くことはできない」と考えている。
さらにこう付け加えた。「我々が大統領候補(フランジェ氏)を支持したときは、国民的な合意を管理できる大統領を望むという強い信念に導かれていた」
ヒズボラの執行委員会委員長ハシェム・サフィディン氏は次のように語った。「合意に達する以外に、レバノン共和国大統領の選出に到達する方法はない」
サフィディン氏は付け加えた:「これがレバノン、この国の性質であり、解決策はその中にある」
マロン派カトリック総主教庁のスポークスマン、ワリド・ガヤド氏は28日、アル・ライ総主教は29日にバチカンに向かい、首相のピエトロ・パロリン枢機卿と会う予定であると述べた。
30日にパリを訪れ、フランスのエマニュエル・マクロン氏と会談する。
ガヤド氏によると、アル・ライ総主教は、特に経済危機を考慮して、財政問題に対処することに加え、レバノンにおけるシリア難民問題とその帰国の必要性に関してフランスの支援を求める。
アズール氏は、2005年から2008年まで財務大臣を務めた際、重要な改革イニシアチブの実施を調整した。
この任期の前後に、民間部門でいくつかの役職を歴任した。
その中にはマッキンゼー・アンド・カンパニーやブーズ・アンド・カンパニーなどでの勤務があり、代表社員と相談役を務めていた。
2017年3月にIMFに入る前は、ビジネスコンサルティング・投資会社インフィニティパートナーズの業務執行社員を務めていた。