• 27日の銃撃開始後に、タリバン構成員1名、イラン国境警備隊員2名が死亡
• ヘルマンド川の水利権をめぐる対立の最中に、直近の事件が発生

パルウィズ・カロハイル

タリバン政権はイランに対し、両国間の問題を「外交ルートを通して」解決するよう求めていると、週末の小規模戦闘の後に国境地帯の緊張が緩和する中、29日にアフガニスタン政府関係者がアラブニュースに語った。

27日にアフガニスタン・イラン間の国境検問所付近で銃撃戦が始まり、少なくとも1名のタリバン構成員と2名のイラン国境警備隊員が死亡した。両国の関係者は互いに相手側が発砲を始めたと非難し合っている。

両国が気候変動によりさらに悪化する干ばつに直面し、アフガニスタンからイランの乾燥した東部地域に流れ込むヘルマンド川の水利権をめぐる対立が起こる最中に、今回の事件が発生した。

「周辺諸国との関係を悪化させたくはない。イランを含む全ての周辺国への要請は、外交ルートを通してこういった問題を解決することだ」と、ハフィズ・ジア・アフマド外務省副報道官はアラブニュースに語った。

「現在の状況は平常通りだ。アフガニスタン・イスラム首長国は緊張激化を決して望まない」

当局は、両国で数人の負傷者も出ているこの事件の原因について、いまだ詳細を明らかにしていない。

事件前には、イランのイブラヒム・ライシ大統領が今月タリバンに、1973年相互条約で取り決められた共有のヘルマンド川に対するイランの水利権を侵害しないよう警告していた。

タリバンが2021年にアフガニスタンの支配権を手にして以来、両国の間には水利権の他にも、国境における以前の小規模戦闘、アフガニスタン難民数百万人を数十年にわたって受け入れるイラン国内におけるアフガニスタン難民虐待の報告などといった問題があった。

29日に公開されたレポートの中で、国営IRNA通信社はイランのアハマド・バヒディ内相が、「現在のところ、問題は起こっていない」、アフガニスタン・イラン国境において「全ては落ち着いている」と述べたと伝えている。

ニームルーズの警察報道官グル・モハメド・カトラト氏は、国境での問題には対応済みだと述べた。

「現在、状況は制御されている」と、同氏はアラブニュースに語った。「国境地帯に緊張はまったくない」

広く拡散されている動画からのこちらのスクリーンショットには、2023年5月27日にアフガニスタン・イラン国境において防御態勢をとるニームルーズ州のタリバン治安部隊が見られる。（ツイッター）