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イスラエル大統領、ガザ地区のガス開発を容認、安全保障の確保を求める

エルサレムの事務所で閣議を執り行うイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相。2023年6月18日(AFP/ファイル)
エルサレムの事務所で閣議を執り行うイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相。2023年6月18日(AFP/ファイル)
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19 Jun 2023 03:06:24 GMT9
19 Jun 2023 03:06:24 GMT9
  • いかなる協定にもガザ地区を統治するハマスの承認が必須だと専門家は分析
  • ガス田をめぐってはパレスチナ、イスラエル、エジプト、アメリカが協議中

ハゼム・バルーシャ

ガザ市:イスラエルはガザ地区沖のガス田の開発を仮承認した。

この協定が最終的に締結されれば、パレスチナ経済にとって追い風となる。

イスラエルのベンヤミン·ネタニヤフ首相の事務所はガザマリン·プロジェクトに関するこの措置を発表した上で、ことの次第は「イスラエル国の安全保障および外交上の必要事項を維持すること」にかかっていると述べた。

同事務所はアラビア語およびヘブライ語による報道発表の中で、ガザ海岸から36キロの地中海内にあるガス田に関するプロジェクトは、イスラエル、エジプトおよびパレスチナ当局の間で進行中の交渉の枠組みの中で扱われるべきものである、と述べた。

5月4日、イスラエルのチャンネル13は、イスラエル政府はパレスチナ当局と、ネタニヤフ首相とヨアフ·ガラント防衛相の承認のもとガザ地区沖のガス田からガスを採取をする方向で、非公開の協議を行ったと報道した。

チャンネル13によると、イスラエル政府は当該ガス田について、昨年末の政権発足後から内部で複数の議論を行ったという。

チャンネル13の報道では、最近アメリカの仲介でイスラエル·パレスチナ間で開始された政治·安全保障に関する取り組みの一環として、協議は進展した。

ガザマリンのガス田開発、およびガス採取に向けた取り組みにおける問題は、アカバとシャルム·エル·シェイクで行われた協議の中心的議題となった。

アメリカが主催したこれらの協議では、パレスチナ·イスラエル双方の安全保障·政治関係者が一堂に会した。ヨルダンとエジプトも協議に参加した。

会議はイスラエル側の代表団団長を務めるツァヒ·ハネグビ国家安全保障会議議長とパレスチナのガッサン·アリヤン政府調整官両名の主導のもと行われた。

協定が締結されれば、エジプトの企業がガスマリンで天然ガス開発事業を行っていくことになる。

ガザマリンには推定1兆立方フィート以上の天然ガスが埋蔵されており、これはパレスチナ領域の需要をカバーして余りある量だ。

ラマッラーに本拠を置き、政府系ファンドのパレスチナ投資基金(PIF)が代表を務めるパレスチナ自治政府が、ガス田の生み出す利益の27.5%を得ることになっている。

PIFとパートナーシップを結んでおり、パレスチナ人が経営者を務めるCCC(Consolidated Contractors Company )もまた27.5%を得る。

残りの45%は、操業を実際に行うエジプトの天然ガスホールディング株式会社(EGAS)が得る。

イスラエル報道機関のチャンネル13は、今回の措置によってイスラエル政府はパレスチナが経済的な利益を得、それによってやがて安全保障上の緊張が緩和していくことを期待している、ということを示唆する報道を行った。

エコノミストのハメッド·ジャド氏は、協定が今年末までに最終的な締結となることを望んでいる。

「ガザ沖にガス田が見つかって以来、パレスチナは数々の試みを行ってきたが、その度に新たな障害が発生している。その問題がまた浮き上がってきた」とジャド氏はアラブニュースに語った。

同氏によれば、ガス田における操業に更なる支障が生じないために、ガザ地区の事実上の統治組織であるハマスの承認を得た上で最終的な合意を交わすべきだ、と述べた。

ハマスの報道官であるハゼム·カセム氏はアラブニュースの取材に対し、「我々はガス問題および当該の合意に関するあらゆる動向を追っている」と述べた。

同氏は続けて「我らが人民の、自国の所有する自然資源およびガスから利益を受ける権利は、全ての国際法および国際決議において保障されている」と述べた。

ガザマリンはパレスチナ領海で1999年に発見された。

最初に見つかったガス田は「ガザマリン1」と名付けられ、推定330億立法メートルの天然ガスを埋蔵している。

2番目にガザとイスラエルの海上国境で見つかったガス田は「ガザマリン2」と名付けられ、埋蔵量は30億立法メートルに及ぶ。

これらのガス田は長い間パレスチナのエネルギー自立に向けた大きな一歩とみなされてきたが、主にイスラエルの反対や妨害によっていまだ手つかずのままになっている。

ガザマリンを利用すれば、ガザの発電所の燃料を石油からガスに切り替え、発電量を増やすことができる。

1999年11月、ブリティッシュガスグループ(BGグループ)、CCCおよびPIFの間でガス探索およびガス田開発に関する25年契約が締結された。

BGグループは2016年にプロジェクトから撤退し、権利をシェル社に譲渡したが、議論が紛糾するなか同社も2018年に合意から撤退した。

2021年、パレスチナ当局はエジプトと、ガザのガス油田および必要なインフラを開発する覚書を締結した。

2016年以来、ガザ地区は当時唯一の発電所をイスラエルに爆撃され、深刻な電力不足に苦しんできた。

また、主にイスラエルによって16年間にもわたって海上を封鎖されるなか、発電所の操業に必要なガソリンを確保する財源も不足している。

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