ヨルダン川西岸地区、エルサレム ウムサファ村:イスラエル公安庁は土曜日、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人村落に対する入植者の攻撃を、「民族主義的テロ」と位置づけ、対抗措置を強化する理由になるとした。この発言は、極右閣僚の怒りを買った。
この1週間、ヨルダン川西岸地区では暴力事件が増加し、イスラエル人入植者がパレスチナ人の町や村を襲撃する事件が相次いだ。このことは国際的に非難されており、米政府は懸念を示している。
土曜日、イスラエル人入植者たちが、ラマッラー近郊にあるパレスチナ人の村ウムサファで、少なくとも2軒の家に放火した、と住民は語った。
イスラエル軍は、少なくとも1人のイスラエル人容疑者が逮捕されたと発表した。ヨアヴ・ガラント国防相はこの攻撃を非難した。
イスラエル軍、イスラエル警察、イスラエル公安庁の責任者は共同声明で、入植者たちの行為は「民族主義的テロリズム」に相当し、これと戦うことを誓ったと述べた。
イスラエル軍はこのような暴力事件を防ぐため、この地域の部隊を増強するとした。また、イスラエル公安庁は、容疑者を起訴せずに拘束する「行政拘留」制度などを使い、逮捕を強化するという。
イスラエルによって治安を乱していると疑われるパレスチナ人を取り締まるために使われるこの方針は、権利団体によって非難されている。
この声明は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の民族主義・宗教主義政権の閣僚2人から鋭く非難された。
ベザレル・スモトリッチ財務相は、「アラブ人による殺人テロと、民間人の抗議行動を同列に扱おうとすることは、民間人の抗議行動が深刻であるにせよ、不道徳であり危険だ」と述べた。
スモトリッチ財務相は、治安部隊に対し、パレスチナ人の攻撃に対する取り組みを強化するよう呼びかけた。入植者に対しては、「自らの手で法を執行する」ことを控えるよう求めた。
テロ支援とアラブ人に対する扇動で有罪判決を受けた過去があるイタマル・ベングビール国防相は、スモトリッチ財務相の発言に同調した。
金曜日、米政府の国家安全保障顧問であるジェイク・サリバン氏はイスラエルとの電話会談で、ベングビール国防相が入植者たちに対しヨルダン川西岸地域一帯での存在感を拡大するよう呼びかけた数時間後に入植者たちがパレスチナの村を攻撃したことに対し、懸念を表明した。
今週起こったイスラエル人入植者による攻撃は、パレスチナ人7人を死亡させたジェニンの街での激しい銃撃戦、イスラエル人4人を死亡させたパレスチナ人の銃撃、そして過激派に対するイスラエルの空爆に続くものであった。
土曜日には、パレスチナ人武装勢力の戦闘員がヨルダン川西岸にあるイスラエルの検問所で発砲し、警備員を負傷させたとイスラエル警察が発表している。犯人のパレスチナ人は現場で警官に射殺されたと伝えられた。
パレスチナのマフムード・アッバス大統領のファタハ党に属する武装組織、アル・アクサ殉教者旅団が、犯人は同旅団に所属していたとしている。
アメリカによって仲介されていた、ヨルダン川西岸、東エルサレム、ガザ地区におけるパレスチナ人国家の樹立を目指すパレスチナ人とイスラエル間の和平交渉は、2014年に決裂し、復活の兆しはない。
イスラエルが1967年の戦争で奪った土地に建設した入植地は、ほとんどの国が違法とみなしており、イスラエルはこれに異議を唱えている。
ロイター