
エルサレム:イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は27日、中国から招待を受けたことを明らかにし、親密な同盟関係にある米国に北京訪問について通告したと述べた。
発表はイスラエルと米国との緊張が高まる中でなされた。米国のジョー・バイデン大統領は、ネタニヤフ氏が昨年11月に再選されてから一度も自国に招待していない。
イスラエル首相府は「これはネタニヤフ首相にとって4度目の中国訪問になる」と声明で述べ、「米国の政権にはひと月前に伝えた」としている。
声明によると、首相は米議会の超党派議員団にも訪問予定について通告し、「米国は常にイスラエルの最も重要でかけがえのない同盟国」だと議員らに伝えたという。
AFPはネタニヤフ氏の広報担当者に取材したが、予定される訪問の詳細や時期については明かさなかった。
バイデン政権は一貫して二国家解決を求め、またネタニヤフ政権下での入植拡大を非難しており、両国の緊張関係が高まっている。
ネタニヤフ氏は、自らが率いるリクード党が極右勢力や超正統派ユダヤ教勢力(強硬派の入植者を含む)と連立政権を組み、昨年12月に首相に返り咲いた。
イスラエルとパレスチナとの和平交渉は2014年以降、停滞している。
バイデン大統領は、物議を醸している司法制度変更についてもネタニヤフ氏に妥協するように求めている。制度変更は民主主義への脅威だとの批判もあるが、調停の努力が頓挫した後、イスラエル政府は前進させると述べていた。
ここ最近、中国は中東での外交攻勢を強めている。
今月、パレスチナのマフムード・アッバース大統領が中国を訪問した。4月には、中国の秦剛外相がイスラエルおよびパレスチナの外相と電話で協議し、中国政府が和平交渉を支援する用意があると伝えた。
米政府の最高位の外交官であるアントニー・ブリンケン氏は先週、珍しく北京を訪問した。その際、中国の習近平国家主席は米国との緊張関係に進展が見られると語った。
AFP