
イドリブ:国連事務総長は、シリア北西部の反政府勢力支配地域に通じるトルコからの重要な国境検問所の維持について、今月中に安全保障理事会が、重要物資運搬のため半年の代わりに1年間開放するよう決議することを期待している、と国連当局者は4日に語った。
シリア北西部のイドリブ県には約400万人が暮らしており、その多くは12年にわたる内戦中に避難を余儀なくされた人々だ。内戦では、50万人近くが死亡した。数十万人がテント村に住み、バブ・アル=ハワ国境検問所を経由して届く援助に頼っている。
現在の半年という国境開放期間が7月10日に終了することから、安全保障理事会は数日中に採決を行う見通しである。
2月6日にトルコ南部とシリア北部を襲った地震の後、状況は悪化した。数万人が死亡し、さらに多くの人々が家を失って援助を必要とするようになったためだ。
過去に、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領の主な支援者であるロシアは、国境を越えた援助物資の運搬に関する決議を棄権したり、拒否権を行使したりしていた。トルコ国境を越えてイドリブ県に向かう援助を、シリア政府の支配地域からの輸送隊に置き換えようとしているのである。シリア内戦の初期から、トルコは反政府勢力に味方し、支援してきた。
安全保障理事会は当初、シリアの反政府勢力が占拠している地域へ、トルコ、イラク、ヨルダンから4つの検問所を通って援助物資を届けることを2014年に認めた。しかし数年をかけて、ロシアは同盟国の中国の支援を受け、許可された通過点をトルコからのわずか1か所だけに減らしてきた。そして期間については、1年から半年へと短縮した。
「国連事務総長は、7月10日に期限切れとなる越境に関する決議について、12か月間の更新を安全保障理事会に望んでいると極めて明確にしています」と、シリア危機担当の国連地域人道調整官代理を務めるデイビッド・カーデン氏は述べた。カーデン氏は、イドリブ訪問中に記者団に語った。
彼は、国連が耐久性のある避難所などの早期復興プロジェクトを実施するためには、12か月の更新が必要であると述べた。「我々が望むのは、テントから耐久性のある避難所へ人々を移すことです」と彼は述べ、避難所は家族にプライバシーを提供するだけでなく、夏をより涼しく、冬をより暖かく過ごすことができると付け加えた。
国連によると、2月の地震はシリア北西部で4500人を超える死者を出し、約85万5000人の家屋を損傷または破壊した。
地震の後、トルコとシリアの間の2つの国境検問所が初めに3か月間、追加で開放された。援助の輸送を支援するため、それらの検問所の開放は5月にさらに3か月延長された。
AP