
レバノン:レバノンではシリア難民とパレスチナ難民の子供たちを含む4万3000人以上の生徒がバカロレア資格取得のための公式試験を受けた。
初日の受験率は97パーセントを超え、一般科学、生命科学、経済学、社会学、人文科学を網羅する試験は7月13日まで続く。
レバノン教育省は、国家と教育セクターの崩壊に鑑み、試験初日を無事に終えたことを「成果」と表現した。
試験初日は、レバノン各地にある236か所の試験センターの一部で試験監督員の不足が確認された。
不足は、山岳レバノン県の試験センターの試験室の一部で試験監督員の数を1人に減らし、監視カメラを使用することで補われた。
アラブニュースはベイルートと山岳レバノンにある数か所の試験センターを視察し、試験用紙の配達が遅れる事例を目撃した。
ベッカー地域の試験センターでは、何者かによって監視カメラのケーブルが切断されたとの情報もある。
また、北レバノンの一部の試験センターでは、停電のため試験の開始が遅れた。
試験問題の漏洩を防ぐため、各委員会は7月10日の朝、教育省本部で試験問題を作成した。
各科目委員会の責任者らは試験センターに入る前に携帯電話を預けるように求められ、治安当局は試験問題が漏洩しないように教育省内で音波を妨害する装置を使用した。
試験問題は印刷された後、すぐにコピーされ、警備員の監視の下で各試験センターに届けられた。
不正行為を防ぐため、受験生と試験監督員は試験実施の数日前に受験票を受け取った。
試験監督員の寛大さを語る生徒もいれば、問題が簡単だったと話す生徒もいた。
生命科学と経済学を学ぶラマさんは、「試験問題はとても簡単で、試験監督員は厳しくなかったのでストレスを感じることはありませんでした」と語った。
「試験監督員に質問することは許されましたが、カンニングは絶対に許されませんでした。もちろん、携帯電話を試験会場に持ち込むことも許されませんでした」
一般科学を学ぶラベイさんは、「数学の問題は簡単ではありませんでしたが、よく勉強している人たちなら解ける問題でした」と語った。
「今年、バカロレアの公式試験を受験する私たちは、3年前に新型コロナのパンデミックの影響でバカロレア中等教育修了試験の受験が免除されていたので、この公式試験を甘く見ていたかもしれません」
「でもこれで自分に自信が持てるようになったし、まだ1日の休息日をはさんで2日試験があるので、すべてがうまくいくことを願っています」
今年のレバノンの学年度は、給与の値崩れに抗議する公教育部門の教師たちによる継続的なストライキによって妨害された。
公立学校の生徒は集中授業を40日も受けることができず、一方、私立学校の生徒は比較的安定した学年度を過ごした。
その結果、アッバス・ハラビ教育相がベイルートのヴェルダン地区にあるシャキブ・アルスラン校の試験会場を訪れた際、レバノン学生自治会に属する若者グループが抗議活動を行うことになった。
抗議活動参加者はハラビ氏の車を妨害し、罵声を上げ、車に石を投げつけようとした。
この抗議する若者たちに傍観者や住民は拍手喝采を送った。
ある抗議者は、政治当局が教育をすべての生徒の権利ではなく、特権に変えている、と語り、「カリキュラムの70パーセントを修了した生徒がいる一方で、30パーセントしか修了していない公立学校の生徒もいます」と訴えた。
別の抗議参加者は、ハラビ教育相が試験に合格しなかった生徒には二度目のチャンスは与えないと発表したと語り、それは「大きな不公平」だと訴えた。
そして、「教育が特権ではなく権利であることを求めて奮闘した生徒がいたということを歴史に残すため、私たちは試験期間中に教育大臣が行く場所すべてに行くつもりです」と語った。
ハラビ教育相は試験センターを訪問した際、生徒たちに、これまで勉強してきたカリキュラムが試験問題に答えるのに十分なものであったかどうかを尋ねた。
教育大臣室によると、生徒たちは「試験は妥当だった」と答えたという。
ハラビ氏は、一部の公立高校がカリキュラムを終了していないため、生徒らが不公平だと考えて試験に異議を唱えたことを認めた。
「ただし、試験問題の作成時には、その点を考慮しました。教育省の決意とこのプロセスの成功に向けた一致団結した努力がなければ、今回の試験は実施されなかったでしょう」とハラビ氏は語った。
教育省顧問のアルベール・シャモン氏によると、教育省は生徒に公平を期すため試験科目の数を減らし、一部の科目を選択科目としたという。