
カイロ:エジプトは初秋の10月までに液化天然ガス(LNG)の輸出再開を目指していると、タレク・エル・モラ石油相が19日、記者団に語った。
エジプトが生産するガスの多くは、気温が上がる夏季に国内で消費されるが、冬季は輸出に回せる余剰分が発生するという。
エル・モラ石油相はさらに、昨年は天然ガスの価格が上昇することを見込んで、政府が発電所で使用する燃料を天然ガスからマズート油に切り替えたため、夏季の輸出が増加したと付け加えた。
「ガスの輸出が昨年増加したのは、天然ガスよりも安価だった燃料油への依存度を上げ、マズート油を輸入して天然ガスを輸出できるようにしていたからです」とエル・モラ石油相は語った。「現在はその逆です」
エル・モラ石油相は今月初旬に、エジプトは6月にLNGを輸出しなかったが、7月には出荷される見込みだと話していた。
業界関係者はロイター通信に対し、6月に出荷されなかったのは国内生産が減少したためだとの見方を示した。
アラブ諸国で最大の人口を抱えるエジプトは、自国で生産したガスと再輸出されるイスラエルのガスを中東、アフリカ、欧州にLNGとして供給する戦略的な位置をもつ、地域のエネルギーハブとしての地位を目指している。
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻したのを受け、欧州はロシア産ガスの代わりを模索しており、エジプトは昨年、欧州連合やイスラエルとガス輸出を拡大するための枠組み合意を締結した。
ロイター