
テルアビブ:数千人のイスラエル人は29日、街頭に繰り出し、抗議行動が広まる中で政府が推進した司法改革の決定に抗議した。
デモ隊はイスラエル国旗を振りながら国の商業の中枢であるテルアビブに集まり、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の提言に反対する、数ヶ月におよぶ抗議の勢いを保っている。
「今でもこの国を愛していますが、あらゆる問題の修正に取り組んでいます」と映画音楽作曲家のイテイ・アムラム氏は言う。
「なんでも受け入れているわけではありません」と27歳のアムラム氏はAFPに語り、目撃したことは政府による「憲法革命」だと非難した。
北部の都市ハイファから紅海に面するエイラットまで、政府が改革の重要政策を議会の決議にかけた24日以来、デモ主催者は国中で集会を主催し、最大規模の世論調査をしている。
例えば大臣の指名といった政府決定を最高裁判所が覆せるようになる、「公平な」法律を廃止させる投票に対し、アメリカなどイスラエルの最重要同盟国からは懸念の声が上がった。
イスラエルの衛生兵は短いストライキで応じ、多数の退役軍人は奉仕活動を終了すると宣言し、労働組合は更なる争議行為に頭を絞った。
選挙で選ばれた役人と司法組織との関係のバランスを取り戻すために改革パッケージが必要なのだとネタニヤフ氏は主張するが、首相の反対派は権力の掌握だと非難している。
テルアビブでデモ参加者が掲げるプラカードは「独裁政権に仕えることを拒否する」と警告している。
正式な人数はわかっていないが、イスラエルのチャンネル13の推測では17万人以上が街頭に繰り出したという。
月曜の投票後、首相公邸近くでイスラエル国旗を体に巻いたロテム・ピンチョバー 氏は、「心が張り裂けそうな無力感」を感じたという。
「イスラエルで今起きていることがとても恐ろしいです。娘の未来をとても心配しています」と大学に勤める40歳のピンチョバー氏は言った。
1月に明らかになった司法パッケージの中には政府を支持するものもあったが、その公開から数ヶ月にわたる抗議が、イスラエル社会において意見の不一致が広まることへの恐れに繋がった。
エルサレムでデモ隊のための「心理的応急処置」スタンドに配置されたセラピストのピナ・マネス氏は、この状況は「家族を引き裂く」と言った。
イスラエル社会には「とても悲しいことなのですが、2つの別々のグループがあると感じ始めてきました」と59歳のマネス氏は言った。
月曜の投票に対する多数の嘆願書が今週、最高裁判所に提出され、9月には聴聞会が開かれることになっている。
広範囲におよぶ改革パッケージには、裁判所に更なる決定権を渡すという野望や、大臣の法律顧問の地位低下が含まれている。
議会の夏季休暇により立法プロセスは現在停止中となっており、ネタニヤフ氏は今後の手順についてのオープンな交渉を約束している。
以前の対話は決裂し、主要な反対派は、極右および超正統派のユダヤ人政党を含む連立政府との対話に懐疑的なままだ。
AFP