
カイロ:エジプトでは停電が頻発しており、全国で不満と怒りが高まっている。最も大きく影響を受けている人々の中には中小企業の経営者も含まれている。
ファイサル地区で小さなスーパーマーケットを経営するジャマル・サイードさんはアラブニュースに対し、「1日3回くらい停電があり、毎回1時間続くので、仕事が止まってしまいます」と語る。
エジプトは数年前に電力自給を実現した。内閣メディアセンターが昨年公開した報告書によると、2014年から2021年末までの発電部門への投資は合計3550億エジプトポンド(115億ドル)に上った。
この報告書によると、発電所31ヶ所とベンバンの太陽光発電施設の完成により3万メガワットの発電能力が追加された。これにより、2014年の6000メガワットの不足から一転して、2020年6月には1万3000メガワットの余剰電力が生じた。
このような進歩にもかかわらず、停電が国内企業に打撃を与え続けている。
サイードさんは語る。「チーズカッターや秤のほか、チーズ、ジュース、アイスクリームを保存する冷蔵庫も、全て電気で動いています。停電中に気温が高くなると、これらの商品が駄目になってしまう危険があるのです」
「この損害は私や子供たちの生活に影響を及ぼしています」
停電が続く理由が分からないと彼は言う。
「この熱波の中でエアコンの使用が増えたことにより全国送電網で負荷軽減または過電圧が発生したせいだと政府は言っています」
「私の店は家の近くにあるのですが、1日3時間以上停電するので、家と店の間にいるしかなくなります」
小さな女性向けアクセサリー店で働くウィーム・アル・サイードさんは次のように語る。「停電になると客が出ていきます。エアコンが効いていない場所にいるのが耐えられないからです」
「過去2週間の損失は1週間あたり約2万ポンドと推定しています。店の収入からすれば大金です。停電が長引かないことを祈ります」
アイン・シャムス地区に住む大工のサイード・ジャラルさんもアラブニュースに対し、作業場への電力供給が不安定なため苦労していると話す。
「電気で動く機械を持っているのですが、夜2時間と昼3時間、毎日5時間以上停電します。その間は電気がないので仕事ができません」
「私たちは良い時も悪い時も国を支えたいと思っています。ただ、電力に依存している店や作業場のことを国は考えるべきです」
ジャラルさんは、収入が月によって変わるので損失を正確に見積もることはできないが、政府が早くこの危機の解決策を見出してくれることを望んでいると語る。
「10万ポンド稼ぐ月もあれば(…)作業場スタッフの給料を払うために貯金に手を付ける月もあります。ただ、停電によって私たちの困難が酷くなっていることは間違いありません」