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湾岸諸国の警告にも関わらず、業界専門家はレバノンからの観光客流出はないとコメント

湾岸諸国が最近、レバノンへの渡航を控えるよう警告を発出したことを受け、レバノン当局は治安への不安を和らげるための動きを見せている。(ロイター/ファイル)
湾岸諸国が最近、レバノンへの渡航を控えるよう警告を発出したことを受け、レバノン当局は治安への不安を和らげるための動きを見せている。(ロイター/ファイル)
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08 Aug 2023 01:08:43 GMT9
08 Aug 2023 01:08:43 GMT9
  • バサム・マウラヴィ内務大臣は、「我々はアラブ国民の安全を維持している。その確認のため、アラブ諸国の大使館とも連絡を取りあっている」と語った
  • レバノン民間航空局のトップは、「パレスチナ難民キャンプでの致命的な衝突を懸念した人々が国外逃亡している」というソーシャルメディア上の噂を否定した

ナジャ・フーサリ

ベイルート:湾岸諸国が自国民にレバノンへの渡航を控えるよう警告を発令し、レバノン当局が懸念を和らげようと動く中、レバノンのバサム・マウラヴィ内務大臣は月曜、「パレスチナ難民キャンプで最近発生した致命的な暴動は沈静した」と述べた。

同相は、「アイン・アル・ヘルワ・キャンプの状況は落ち着いた」と語った。レバノン南部にある同国最大のこのキャンプでは7月29日、ファタハと過激派組織のメンバー間の武力衝突が発生した。

「我々はアラブ国民の安全を維持している。その確認のため、アラブ諸国の大使館とも連絡を取りあっている」。

レバノン民間航空局のファディ・アル・ハッサン局長は、「多くの人々がベイルートのラフィク・ハリリ国際空港発の飛行機に乗り、国外に逃亡している」というソーシャルメディア上で拡散されている噂を否定した。同局長は、「同空港の発着状況は変わらず、乗客数もこの時期としては通常通りだ」と語った。

アル・ハッサン局長は、「状況は変わっていない」と付け加え、「空港は夏休みで入国する人々で非常に混雑している」と述べた。

観光、旅行、ホテル部門の関係者も同様に、「レバノンからの観光客流出を示す兆候は見当たらない」と報告した。

アラブ諸国やその他の国々はレバノンにいる自国民に対し、アイン・アル・ヘルワ難民キャンプ周辺を避けるか国外に退避するなどの予防措置を講じるよう勧告していたが、その後に安心感が広がった形だ。

ベイルートの空港監視者によれば、先月の入国者数は2022年7月と比較して12%増の92万4,000人だったという。「到着者のほとんどは海外在住レバノン人であり、1~2ヶ月の滞在を予定している。彼らは8月半ば頃から仕事のため、または子供を海外の学校に入学させるために出国し始める」ということだ。

同空港は8月に入ってから、約16,000人の入国者と15,000人の出国者を記録している。

情報筋によれば、今年はレバノンで音楽フェスティバルが多く開催されたため、ホテルやゲストハウスの予約が増え、レストランやナイトクラブにもその波及効果が見られるという。

航空旅行、旅行代理店、ホテルの予約に関する公式統計によれば、この夏のシーズン中は、今までに約100万人の観光客がレバノンに到着したという。

レバノン旅行観光業者協会のジャン・アブード代表は、「湾岸諸国やヨーロッパ諸国は最近の暴動に対して警告を発令したが、観光業は全く影響を受けていないようだ」と述べ、「予約キャンセルの報告もなく、在外レバノン人達も到着し続けている」と付け加えた。

アブード代表は、「ラフィク・ハリリ国際空港への到着者数は、現在1日平均20,000~21,000人となっており、1日のフライト数は100便を超えている」と述べ、「このペースは8月末まで続くと予想される」と付け加えた。

同代表は、「この入国者数には、従来はレバノンにとって大した観光源ではなかった国からの訪問者も含まれている」と語る。これは、レバノンを世界に売り込んで国際観光地にし、特にヨーロッパに人気の観光地としてレバノンを復活させたいと願う民間観光事業者と代理店の努力が実ったことを示すものであり、苦境に立つレバノン経済の支えとなっている。

一方で、マウラヴィ内務大臣は「レバノン当局はいかなる犯罪行為も許容せず、アイン・アル・ヘルワ・キャンプの暴動の責任者を特定し拘束するための治安維持活動を継続している」と述べ、「状況がエスカレートしたり、他のキャンプに波及した形跡はない」と付け加えた。

「レバノンをメールボックス代わりにしたり、メッセージを送信するための劇場にしたり(ソーシャルメディアのネタに)することは許さない」と、同相は述べた。

同相は、レバノンの治安、軍事、司法関連の代表者が参加する中央安全保障会議の議長を務めた後でこのように発言した。この会議は、GCC(湾岸協力会議)参加国の全大使館が自国民に警告後に招集された。

「アイン・アル・ヘルワの事態悪化を阻止するために軍がとった行動に感謝している」と、マウラヴィ内務大臣は付け加えた。

同相は、状況は沈静化していると述べ、「重要なのは レバノン国内に武装勢力が存在しないことだ。我々は誰のプランも実行させない」と述べた。

同相はまた、「キャンプには武装集団がいるため、この問題は軍に委ねられ、的確で賢明な行動がとられている。軍の指導者たちは慎重に行動しており、状況に対処する方法を知っている」と付け加えた。

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