
ロンドン:ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は15日、西側諸国が世界中の「多くの国々で危機を引き起こして」おり、自分たちの利益のために国際機関を利用していると非難した。
モスクワ国際安全保障会議(MCIS)で演説したラブロフ外相はまた、米国はロシアと紛争中のウクライナ軍を支援することを通して核拡散防止条約を損なっていると非難した。
続けて、NATOによる欧州内での東方拡大は欧州の安全保障に関する協定に反するとしたうえで、ウクライナ紛争に対する西側の立場は「あらゆる分野の国際法と安定を損なう」ものだと述べた。
さらに、米国はウクライナ紛争が続く中でロシアに盾突くようロシアの同盟諸国に圧力をかけているとする一方で、ニジェールのクーデターに対する西側の立場は偽善だと非難した。
「2014年にウクライナのクーデターを支持した西側は、今ニジェールで起こっている同じことには反対している」
ラブロフ外相は、現在の地政学的状況は「全人類に共通の脅威を無力化する」ための努力を結集することを難しくしていると付け加えた。
「(そういった努力に含まれるのは、)国際テロとの闘い、特に(イスラム過激派)組織のダーイシュやアルカイダおよびそれらに関連する過激派組織との闘いだ。これらの組織は過去数十年間に米国とその同盟勢力による軍事的進行の結果として台頭してきたことを忘れてはならない」
「アフガニスタンでもシリアでもその他の場所でも、地政学的目的のためにテロリストを利用することに終止符を打たなければならない」
同じ会議で演説したセルゲイ・ショイグ国防相は、ウクライナの戦闘能力は「ほぼ枯渇」していると主張した。また、この紛争は西側の兵器システムの脆弱性を暴いたとして、ロシアは間もなくそのことを世界に知らせるだろうと述べた。
「戦闘作戦の予備的結果は、ウクライナの軍事資源がほぼ枯渇してることを示している」と同国防相は述べた。「ロシア軍は特別軍事作戦において、西側の軍事水準の優位性に関する数多くの通念の誤りを暴いた」
同国防相はMCISに出席した代表らに対し、「我々は、ドイツの戦車、米国の装甲車、イギリスのミサイル、その他の兵器システムの破壊に関するデータを持っている」と述べた。「我々はその評価をいつでもパートナーに共有できる」