
ロンドン:イスラエル政府は、論争の的となる新しいメディア法を通過させるプロセスに入っており、専門家は国内でのメディアの独立性とマスコミの自由にとって脅威となる可能性があると信じている。
本法案は今年中に通過すると見られており、政府の提案した改革に団結して反抗してきたイスラエル大手テレビネットワークの一部により激しく反対されている。
イスラエルの3大放送局であるチャンネル12、チャンネル13、KANは17日、「改革の結果として、メディアの独立性とマスコミの自由が損なわれることを防ぐ」ため、団体行動を起こしたことを発表した。
声明において、いわゆるイスラエルTVチャンネルフォーラムは「使える手段はなんでも行使して、イスラエルメディアの敵対的乗っ取りの動きを防ぐ」つもりだと述べた。
通信大臣のShlomo Karhi氏によって推し進められている本法案は、国内で政治的緊張感が空前の高まりを見せているときに、TVチャンネルの間で不安視されている。
イスラエルはここ数ヶ月、政府による物議を醸す司法改革に対する国民の大規模な反対運動に揺れている。この変化によって権力のバランスが危険にさらされ、さらにはイスラエル社会が分断されてしまうかもしれないと、アナリストは警告している。
より広範な反民主主義改革政策だとする見方も多いこの提出されたメディア法案は、新たな規制機関を生みだし、取締役員の指名におけるさらなる支配権を政府に与えることになるだろう。
しかし前述のテレビネットワークによると、本法案は論説内容に口出しするほどの強大な権力を政府に与えることになるので、法律の見直しを求めたのだという。
「改革の要素と並んで改革が提示された背景によって、規制機関の政治問題化と政府による管理が目的なのだということがハッキリしています」と、イスラエル民主主義研究所のDr. Tehilla Shwartz Altshulerによる説明記事にはあった。
「改革が実際に必要」だとする広範な合意はあるものの、いかなる変更点も「丁寧に検討」されるべきであるとAltshuler氏は述べた。
また、提案されている改革には、ローカルコンテントの割り当て、ニュース放送を行う独立ライセンスの必要条件削除、政府委員会への視聴率データ監視の委託などがあり、イスラエルの小さなメディア市場に悲惨な経済的影響を与えるのではないかとフォーラムは恐れている。
「通過が見込まれている本法案は、政府が見返りを与えたいと望む特定のメディアに対して特定給付と支払い免除の見返りを与えることによって、経済領域にも公然と介入してくることが意図されています」とフォーラムは述べた。
「それと同時に、本法案は無料のチャンネルを有する権利を没収し、地元のプロダクション業界を排除し、イスラエルの公共放送およびイスラエルの音楽業界に酷い痛手を負わせます」
フォーラムは先月の当初、本法案に反対する共同声明を発表した。それに対してKarhi氏の通信省は、本提案には「いかなるコンテンツにも干渉せずに、市場を切り開くことがはっきりとデザインされています」と述べた。
改革によって実際には、この分野にさらなる当事者が現れることが可能になり「表現の自由の側面」がもたらされるだろうとし、反対する者は「市場を閉鎖しておくことで既得権益を得るマスコミの独占企業」だと通信省は述べた。