
ヨルダン川西岸地区アカバ:イスラエル軍が1日、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人1人を殺害したとパレスチナ保健省が発表した。占領区域では犠牲者を出す暴力事件が急増しているが、静まる気配は見えない。
同省によると、ヨルダン川西岸地区の北部にあるアル・アカバ村で、アブドゥル・ラヒム・ファエズ・ガナム氏(36歳)が、「頭部に占領軍(イスラエル軍)が発射した銃弾」を受けた。
AFP通信のカメラマンは、軍による襲撃が行われている際、建物から黒煙が立ち上っているのを目撃した。
イスラエル軍は声明を発表し、武装勢力と兵士の間で銃撃戦が発生し、「戦闘員の1人に弾が命中したことを確認した」と述べた。
軍はさらに、この戦闘で「ロケットランチャーや手榴弾を使用」し、建物内では簡易爆発物やその他の武器などを発見したという。
イスラエル軍が撤退した後、パレスチナ人住民らは、家屋の壁面に残された銃弾の跡や大きく開いた穴を確認していた。
執り行われた葬儀では、頭部をケフィエで包み、体をパレスチナ国旗で覆ったガナム氏を会葬者らが見送った。
国連の人道支援機関OCHAによると、イスラエル軍がヨルダン川西岸地区とイスラエルで殺害したパレスチナ人の数は、2005年以降で今年が最多となっている。
暴力事件が急増している背景には、パレスチナ人によるイスラエル人への攻撃が増加していることも影響している。
8月31日、パレスチナ人男性がヨルダン川西岸地区の検問所付近でイスラエル兵らに突っ込み、1人を殺害した後に射殺された。
その前日には、エルサレムで路面電車の乗客を刺した14歳のパレスチナ人少年をイスラエル軍が殺害していた。
AFP通信が双方の公式発表に基づいて集計した結果によると、今年に入ってから、少なくとも225人のパレスチナ人、32人のイスラエル人、1人のウクライナ人、1人のイタリア人が、イスラエルとパレスチナの紛争に関連した暴力事件で命を落としている。
AFP