
ベイルート:9月1日、ベイルートを訪問中のイランのホセイン・アミール・アブドラヒアン外相は、レバノンの大統領選は内政問題であり、イラン政府は外国がレバノンの内政に干渉することを認めないと述べた。
外相はまた、レバノンの指導者たちには大統領を選出する知恵と能力が備わっているとも述べた。
アミラブドラヒアン氏の発言はレバノンのアブダッラー・ブーハビーブ外相とともに開いた記者会見の席で行われたもので、大統領選出に向けてレバノンの各派が対話できるような外部からの支援を求めた。
「我が国は引き続きレバノンとその軍隊、国民、その抵抗を支持します」とアブドラヒアン氏は述べた。
「政治的各勢力に対し、大統領選出と新政府樹立に関する合意を進めるよう求めます」
アブドラヒアン氏の発言の背景には、レバノンでは来月末で大統領不在の期間が丸1年を迎えるという事情がある。
長年宗派によって分断されてきたレバノンは、政治的空白と深刻な経済危機に同時に見舞われている。
議会は新大統領をめぐってヒズボラ派とその反対陣営に分裂している。
8月31日、宗教指導者ムサ・アル・サドル氏の失踪から45周年を記念する式典で演説したナビーフ・ビッリー議会議長は政治各派に対し、対話を行うよう呼びかけた。
議長の所属する政党アマルはヒズボラと非常に近い。ビッリー議長は7日間の日程表とそれに続く新大統領選出のための公開審議を提案した。
演説の中で、ビッリー氏はヒズボラが支援する候補者スレイマン・フランジェ氏には言及せず、またこれまでにそうしてきたようにフランジェ氏への支持を強く主張することもしなかった。
主にキリスト教系の議会会派から成る反ヒズボラ陣営はフランジェ氏への支持を拒否している。
選挙のために12回議会が招集されたが、いずれの宗派も自陣営が推す候補者の当選に必要な票を確保することができなかった。
ある政治評論家はビッリー氏の合意のための対話への呼びかけを「政治的に無意味」だと形容した。このような呼びかけは、大統領は選挙を通じて選出されるべきで、合意により指名されるべきではないと定める憲法に抵触するためである。
レバノンの大ムフティー(イスラム教指導者)、シェイク・アブデル・ラティフ・デリアン氏は1日、次のように述べた。「人々は政治指導者の大部分に失望し始めている。彼らは国と政治・経済・社会的な、そして生活面の混沌の中で暮らしを立てようと苦労している国民を犠牲にして個人的利益を追求しようとしている」
デリアン氏はさらに以下のように続けている。「レバノンのスンニ派イスラム教徒には特別な計画はない。ただ、国家を信じている。
我々が受け入れるのは、すべての人に配慮する強力で有能な国家だけだ。国と国民を守る役割において、国家に代わる存在はない。
そして、レバノン国家が再び自分の足で立つことができるのは、大統領選出を進めることで現在の危機に対処することによってのみだ」
デリアン氏は、レバノン当局者たちがその気にならない限りは、各国の使節が大統領選出を助けようとレバノンを訪問したところで実を結ぶことはないと信じていると述べた。
自由愛国運動に所属する議員の一部はビッリー氏の対話への呼びかけに対して支持を表明しているが、レバノン軍団およびファランヘ党はこの提案を拒絶している。
ストリダ・ジャアジャア議員は、憲法は合意ではなく選挙について述べている以上、ビッリー氏の姿勢は重大な憲法違反だと主張した。
ジャアジャア氏はビッリー議長に対し、「レバノン大統領選出のために憲法に則って継続的な公開審議を招集する」よう求めた。
ファランヘ党のサミ・ジェマイエル党首はビッリー議長に向けて、以下のように発言した。「あなたの言い訳はどれも根拠のないものだ。憲法の適用が政治的恐喝の手段に用いられるようなことがあってはならない」
ジェマイエル氏は次のようにも述べた。「議会はあなたの私物ではない。レバノン国民のものなのだ」
1日、110名の判事が、休廷期間が明けた後にストライキを行うことを決めた。
声明の中で、判事たちは国が「自分たちとその家族の医療および教育費を負担していない」ことを争議の理由として挙げた。
彼らは「法の宮の中で人間の尊厳を」守ることのできる労働条件がないことを批判した。
経済危機が襲う以前は、レバノンの判事たちは医療・教育手当に加えて5,000ドル以上の妥当な月給を受け取っていた。
通貨の暴落に伴い、その給与も今では月400ドルにしかならず、医療・教育手当は大幅に削減された。
また、判事たちが共済組合から受け取っていた援助も止まっている。