
イスラエル、テルアビブ:何百人ものエリトリア政府の支持派と反対派が2日、互いに、そしてイスラエル警察と衝突した。テルアビブにおけるアフリカからの亡命希望者や移民の間で起きた近年で最も暴力的な街頭での衝突のひとつとなり、数十人が負傷した。
負傷者の中には、30人の警官と、警官の発砲を受けた3人の抗議者が含まれていた。
政府支持派・反対派双方のエリトリア人は、建設用木材、金属片、石、そして少なくとも1本の斧を手に対峙し、多くの亡命希望者が住むテルアビブ南部の地区を荒らし回った。抗議者たちは店の窓やパトカーを壊し、歩道には血しぶきが飛び散っていた。ある政府支持者は、子供の遊び場で血だまりに横たわっていた。
暴徒鎮圧用の装備を身につけたイスラエル警察が、催涙ガス、スタングレネード、実弾を発射する一方、馬に乗った警官たちは、バリケードを突破し、警官に大きな石を投げつける抗議者を制圧しようとした。警察によると、警官たちは自分たちの命が危険にさらされていると感じたときに実弾射撃に及んだという。
今回の衝突は、エリトリア政府の支持者たちが現政権誕生30周年を記念したイベントを開催した際に起こった。このイベントは、テルアビブ南部のエリトリア大使館の近くで開催された。エリトリアは世界最悪の人権侵害国のひとつで、イスラエルやその他の国にいる亡命希望者たちは、もし帰国すれば命が危ないと考えている。
警察によると、エリトリア政府の支持派と反対派は2日に別々のイベント開催の許可を受け、お互いに近づかないことを約束していたという。
ある時点で約束は破られた、とテルアビブ警察の司令官であるハイム・ブーブリル氏は述べた。
「政府反対派は、バリケードを突破し、警察と衝突し、石を投げ、警官を殴るという決定を下した」とブーブリル氏は現場で記者団に語った。
警察は39人を逮捕し、テーザー銃、ナイフ、こん棒を押収したという。
イスラエルの救護団体「マーゲン・ダビド公社」によると、少なくとも114人が負傷し、うち8人が重傷だという。他の負傷者は中程度の怪我または軽傷を負った。負傷者のうち、30人は警官であったとブーブリル氏は述べた。
テルアビブのイチロフ病院の広報担当者は、銃創の患者を11人治療していると述べた。警察によると、3人の抗議者が警察の発砲で負傷したという。
2日の午後遅くまでに、衝突は収まった。その時点で警察はまだ抗議者を検挙し、バスに乗せていた。
反政府抗議者の多くは、東アフリカのエリトリア政府への反対の象徴である1952年のエリトリアの国旗をモチーフにデザインされた空色のシャツを着ていたが、政府支持者はエリトリアの地図が描かれた紫色のシャツを着ていた。
エリトリア人は、イスラエルにいる3万人以上のアフリカ系亡命希望者の大半を占めている。彼らは、「アフリカの北朝鮮」と呼ばれ、奴隷のような状況で終身徴兵を強制される国による危険と迫害から逃れてきたという。エリトリア政府は、ヨーロッパや北米で同様のイベントの開催に反対するデモ行進を行った反政府抗議者を「クズの亡命者」と非難している。
イサイアス・アフェウェルキ大統領(77歳)は、長いゲリラ戦争の末にエチオピアからの独立を勝ち取り、権力を握った1993年以来、エリトリアを率いている。選挙は一度も行われておらず、自由なメディアもない。エリトリア人が出国するには出国ビザが必要である。人権団体や国連の専門家によると、多くの若者が終わりのない兵役を強いられているという。
イスラエルでは、イスラエル国家がエリトリアからの亡命希望者を本国送還しようとしているため、彼らは不確実な未来に直面している。しかし、しばしば劣悪な環境に置かれながら、この国に留まるために苦労しているにもかかわらず、多くの人々は、抗議する権利など、自国では決して得られない自由を享受しているという。
テルアビブを拠点とする人権団体「難民と移民のためのホットライン」のシガル・ローゼン氏は、エリトリア人の亡命希望者はイスラエル国内でエリトリア政府とその支持者たちからしばしば「狙われ、嫌がらせを受けている」と語る。
2日にテルアビブで開催されたようなイベントは、厳しい制裁を受ける政府のために資金を集め、故郷から遠く離れたエリトリア人に圧力をかけるために利用されるため、論争の的になっていると、ロンドンに拠点を置く「人権侵害の懸念-エリトリア(HRCE)」のディレクターであるエリザベス・チャイラム氏は述べた。
AFP