
ベイルート:レバノン軍は7日、今週に約1200人のシリア人移民の入国を阻止したと発表した。両国は現在、厳しい経済的苦境に見舞われている。
2011年にシリアで政府が平和的な民主化デモを弾圧したことがきっかけで内戦が勃発して以来、既に数百万人のシリア人が国外に逃れている。
難民の大半は国境を超えてレバノンに入国する。国連によると、レバノンは人口あたりの難民受け入れ数が世界最多である。
レバノン軍は声明の中で、「過去1週間でレバノン・シリア国境を越えようとしたシリア人約1200人を阻止した」と述べた。
同軍は8月23日にも、同国に不法入国しようとしたシリア人700人を追い返したと発表していた。
メディアに話す権限を与えられていないとして匿名を条件に取材に応じたある治安当局者はAFPに対し、「シリア・レバノン国境は穴だらけなうえ、動員されている兵士の数が十分でない」と語った。
「シリア人の大半は仕事を見つけたいと思ってレバノンに来る。母国での生活条件がかつてないほど悪化しているからだ」
2011年のシリア政府によるデモ弾圧がエスカレートして勃発した内戦は、50万人以上の死者を出し、同国の経済を壊滅させ、数百万人を難民にした。
レバノンは内戦初期に数十万人のシリア難民を受け入れたが、2015年初頭に彼らの入国を禁止した。
それ以降、国境を越えてレバノンや他の国でより良い生活を見つけるために多くのシリア人が密入国業者を利用している。
シリア政府が燃料補助金を廃止したことを受けて悲惨な生活条件をめぐるデモが行われる中でシリア人は再び避難を余儀なくされていると、レバノンの当局者らは言っている。
深刻な経済危機に何年も見舞われているレバノンは、200万人近いシリア人を受け入れているとしている。
そのうち国連によって登録されているのは約83万人だ。
AFP