
モディイン:最高裁が司法の権限の抑制に対する重要な審理を行う前日の11日、多数のイスラエル人デモ参加者が国内を二分する司法改革の立て役者である法務大臣宅の通りに殺到した。
イスラエル警察は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の極右政権による最高裁弱体化の計画に抗議し、ヤリブ・レビン法務大臣の故郷であるイスラエル中部の都市モディインで、公の秩序を乱し道路を封鎖した容疑で6人を逮捕したと発表した。この司法計画はイスラエル史上最大の国内危機の1つを引き起こし、国内の激しい分断を露呈させた。
12日には、イスラエルの最高裁判事15人全員が初めて法廷に立ち、政府が7月に議会を通過させた改革の最初の主要部分に対する上訴を審理する。
レビン法相宅前では、デモ参加者約200人の騒々しい群衆がクラクションを鳴らし、メガホンで政府反対を唱え、看板を振りかざし、群衆を押し返す警官隊ともみ合った。数時間後、レビン法相は、彼のためにデモの群衆の間に道を空けようとする警察官や警備員に囲まれながら、滑らかな黒塗りの車で包囲された自宅を後にした。
最高裁判所は、「不合理」であるという法的概念を用いて政府の行為や人事を阻止する裁判所の力を取り消すという、国会で可決された法律の無効化を求める権利団体や個人による申し立てを12日に審理するため、今週はさらなるデモが予想される。
公聴会では、国の最高裁判事たちが自らの独立を守り、自らの運命を裁定するという前代未聞の立場に立たされる。
裁判所は、同法律を無効化せよという世論の非常に大きな圧力にさらされており、その権限と独立性を維持することに固有の関心を持っている。しかし、もし法律が通れば、ネタニヤフ政権は判決を無視する可能性があり、誰が最高権威を持つかをめぐる危機の発端となる。
ネタニヤフ首相の盟友であり、司法改革の陣頭指揮を執ってきたレビン法相は先週、地元メディアとのインタビューで、反対派との妥協案を模索し、現行の司法改革を軟化させようという案に異議を唱えた。
この改革に批判的な人々は改革を民主主義への打撃と表現し、イスラエルの司法は首相と議会で多数を占める連立政権の権力に対する主要なチェック機能を担っていると主張する。
また、首相が汚職容疑で裁判にかけられている中で司法制度を変えようとするのは利害の衝突になるという。
ネタニヤフ首相の極右・超正統派政権の支持者は、この法律は、選挙で選ばれた議員の決定に、選挙で選ばれていないリベラル派判事が干渉するのを防ぐものであると言う。また、裁判所は自らの権限を制限する法律について裁定を下すことはできないはずであるともしている。
AP