
ドーハ:カタール首相は25日、パレスチナの武装組織ハマスが10月7日にイスラエル南部で起こした暴挙によって200人以上が人質となっているなかで、人質交渉に一部進展があったと述べた。
カタールの外相も務めるシェイク・ムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニー氏はトルコ外相と行った記者会見で、人質解放に関して「早期」の状況打開を期待すると述べた。
経済力のある天然ガス生産国のカタールは、イスラエルおよびハマスと率直な対話を行っており、23日に解放されたイスラエル人女性2人を含め、現在までにハマスによる人質4人が解放された。
イスラエルがガザ地区への地上侵攻に向けた準備を進めるなか、カタールは米国と連携し、ハマスおよびイスラエル政府関係者と人質解放への調停交渉を主導している。
ドーハでトルコのハカン・フィダン外相は、ガザ地区に対するイスラエルの地上作戦は、戦闘を虐殺へと変えるだろうと発言した。
フィダン外相は、団結を装ってイスラエルの行動を支持する者は、「同国の犯罪行為の共犯者」だと述べた。
10月7日、ハマスをはじめとする戦闘員らがイスラエル南部で虐殺を実行し、9歳から85歳のおよそ222人が拉致された。生存者の証言によると、犯人らは自動車のドライバーへの銃撃、自宅にいた子どもたちを含めた民間人の襲撃、焼殺や刺殺、虐殺を実行したという。
イスラエルはガザ地区への爆撃作戦と包囲でこれに対応してきた。
パレスチナ保健相は25日、10月7日以来2,360人の子どもを含めて少なくとも5,791人のパレスチナ人がイスラエルの爆撃で死亡したと述べた。この24時間だけでも、およそ704人が死亡している。
「ガザ地区で殺された子どもの数はウクライナで殺された子どもの数を上回っていますが、同じような反応は起きていません」シェイク・ムハンマド氏はそう語り、ガザに平和的解決をもたらすための唯一の方法は、コミュニケーションの経路を開け続けておくことだけだと強調した。
ロイター