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サウジアラビアとフランスが享受する強固なパートナーシップと特別な友好関係

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30 Jul 2022 02:07:13 GMT9

パリ:ムハンマド・ビン・サルマン皇太子がフランスを公式訪問している。二国間関係や地域・国際舞台での二国間協力の強化が期待される。今回の訪問では、かつてなく同盟国や友好国の協力が求められる、増大する課題への取り組みも期待される。

今回の訪問はこうした脅威が増大しつつある時期に実施される運びになった。少なくとも最近まで、その最も顕著なものは新型コロナウイルス・パンデミックであり、世界を荒廃させ、誰彼の区別なく市民生活を揺さぶった。ダメージはまだ続いている。 

ウクライナ危機とその影響もある。皇太子はかねて多くの国家元首との会談の中で、サウジアラビア王国は平和的手段と対話を通じた紛争解決に向けたあらゆる取り組みを支持することを表明してきた。

サウジアラビアは、両当事国を仲介し、さらなる拡大を押し止めるための政治・外交努力を支援して、安全と安定を追求する用意があることも表明している。さらに、皇太子は、サウジアラビアが石油市場の均衡と安定の維持を熱望しているとも語っている。

サウジアラビアは、ウクライナ難民への医療や居住施設の面での支援に貢献している。この点では、サルマン国王人道援助救援センターは、世界保健機関および国連難民高等弁務官事務所との間で、1千万ドル相当の2件の合同協力協定を締結している。

二国間協力については、サウジアラビアとフランスの関係は目覚ましく成長、発展しており、これは政治、安全保障、経済、文化の各分野での強固なパートナーシップと特別な友好関係に反映されている。 

このパートナーシップは数多くの分野にまたがっており、さらに広範で永続的なものになろうとしている。しかしながら、より幅広い機会を探り、深め、強化する余地は残っている。

このような関係は2016年に始動した「ビジョン2030」に沿ってこの数年に大きく飛躍した。同ビジョンは、国家指導者の庇護のもと、国民の願いに応えるべく、持続可能な繁栄する未来に向けたより幅広い進路をサウジアラビアに与えるものとなっている。 

サウジアラビアにとって、同ビジョンは、技術移転、パートナーシップの確立、人材育成、持続可能な開発や再生可能エネルギーへの移行、知識経済の構築を通じて、フランスやその他の多くの友好国との科学協力を推進する機会ともなっている。

今回の訪問が、7月14日にフランス国民が革命記念日を祝い、サルマン国王とムハンマド・ビン・サルマン皇太子がエマニュエル・マクロン大統領に祝辞を述べ、フランス共和国の継続的な発展と繁栄を願ってから2週間も経たないうちに実現したのは、偶然のなせる幸運かもしれない。 

今回の訪問は、マクロン大統領が再選され、サルマン国王と皇太子が大統領本人とフランス共和国に祝意を表明してから3カ月後に行われる運びになった。

両国の指導者間の特別な個人的関係は、常にサウジアラビアとフランスの国家間関係に独特の特徴を与えてきた。 

両国間のハイレベル訪問が数カ月途絶えることはめったになかった。この関係は、2018年に皇太子が歴史的なフランス訪問を行い、マクロン氏が温かく歓迎して、両国の協力とパートナーシップの新時代への道筋が切り拓かれた時に大きな飛躍を遂げた。 

フランス側にとっても、昨年12月に大統領がサウジアラビア王国を訪問し、皇太子が温かく歓迎した。 

そして、今回の訪問は両国関係の強化に資するものであり、数多くの協定や覚書が締結され、両国が関心を共有するあらゆる問題について二国間の協力と協調の枠組みが再確認される。

今週、皇太子がフランスを訪問するのは、このような数十年に及ぶ強固で継続的な関係の延長線上にあるものだ。

二国間と多国間での協力とパートナーシップの推進に関して、両国には今なお相当な機会と有望な未来がある。 

また、筆者は、駐仏サウジアラビア大使として、強固かつ持続可能な基盤の上で実施されるこのパートナーシップのいくつかのステップに、自らのささやかな努力を通じて貢献できることを光栄に思っている。

地理的に遠く離れているにもかかわらず、サウジアラビア国民とフランス国民に多くの共通点が見られることは、おそらく言及に値するだろう。どちらの国も、偉大な歴史と人間の手による深みのある遺産を擁する古代文明がある。 

両国民とも、芸術、考古学、歴史を好む。また、両国民とも自国の文化がまとまりのある由緒正しい文化であることを誇りにし、保存に努めている。両国民とも、環境、自然、野生生物を大切にする。さらに、両国民とも、発展、開放、進歩を好む。

地理的に遠く離れているにもかかわらず、サウジアラビア国民とフランス国民に多くの共通点が見られることは、おそらく言及に値するだろう。

ファハド・アル・ルワイリ氏

こうした事情が、文化や考古学など多くの分野に及ぶ両国の文化・技術協力の発展に貢献してきた。 

その最も顕著な例はおそらく、サウジアラビア北西部のアル・ウラー地域の開発だろう。多様な自然に恵まれ素晴らしい地形が広がるこの広大な地域には、その一部は7千年前にさかのぼる、遺産や貴重な遺跡、古代の遺物が数多く残されている。 

3つの大きな大陸が交わる場所にあるこの傑出した地域は、世界最大の野外ミュージアムになる、と専門家は予想している。 

昨年、両国の文化省は、遺産、音響映像文化の制作、建築、デザイン、映画、文学といった多くの分野での協力と文化交流の強化を目指す覚書を締結した。 

フランスには、同国政府とアラブ諸国が共同で資金拠出するアラブ世界研究所があり、フランスの最も有名な文化人の一人であるのジャック・ラング元文化相が舵取りをしている。 

同研究所は、年間を通じて多くのイベントや展示会を開催し、アラブ世界の文化や文明をフランス国民に紹介する上で大きな役割と果たしている。同研究所内にはアラビア語教育施設があり、受講生には認定証を発行している。

同研究所には美しいアラブ古代遺物博物館もあり、同博物館は現在拡張中で、収蔵物も増えている。博物館、芸術、音楽、映画、ファッション、香水の分野でも協力が行われている。 

最後に、料理のアートについて語りたい。世界有数の格式ある料理学校とみなされているル・コルドン・ブルーは、間もなくサウジアラビアに支店を開設する。70カ国から集まってくる受講生には、サウジアラビア人も多数含まれる。

多国間レベルでは、両国は世界の安全を高め、より安定したより幸福な世界にするための協力を目指す数多くの国際機構・組織の活動的なメンバーである。 

両国はともにG20の一員である。G20では、世界で最も経済力のある20カ国が協力して、より大きな家族たる世界の国々の発展や脅威と危機の克服を支援する。 

そのことは、新型コロナウイルスの感染拡大が引き起こした近年まれにみる困難な時期に開催され、サウジアラビアが議長国を務めた2020年のG20サミットでも明らかだった。 

同サミットは、パンデミックに対処し、パンデミックの破壊的な経済的影響を緩和するために、被災国や関連する国際機関に必要な支援を配分することに成功した。 

また、フランスには、ユネスコやインターポールの他、万国博覧会の調整や開催を担う国際機関である博覧会国際事務局など、サウジアラビアも加盟する国際機関がいくつか存在する。 

2021年末、サウジアラビアは2030年万博の開催に向けた立候補表明を行った。2030年は、サウジ・ビジョン2030のゴールと重なっており、サウジアラビア国民がその成功を祝っているであろう年に当たる。サウジアラビア近代史における新たな時代を画する年になることだろう。 

サウジアラビアの立候補は、既にいくつかの国から支持されている。私たちは、誘致を勝ち取り、1889年の国際博覧会の際に建設され、パリの美と魔法の永遠のシンボルになっているエッフェル塔のように、記念碑として何世代も受け継がれることになる、永続的かつ特別な展示会を開催することを期待している。 

友好国やその国民の共通の利益に奉仕するための両国指導者の取り組みや、両国の永続的な協力とパートナーシップの強化に関して、皇太子の訪問がもたらす結果を誰もが期待していることは間違いない。 

  • ファハド・ベン・マアユーフ・アル・ルワイリ氏は駐仏サウジアラビア大使。
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