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石油産業受難の今も 投資家たちはサウジアラムコへの関与を深める

18 Mar 2020
アミン・ナセルCEO。(AFP)
アミン・ナセルCEO。(AFP)
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サウジアラムコのウォッチャーたちにとって、この数日は非常にあわただしいものとなった。先週の2019年の財務結果の発表に続き、月曜日、同社は1時間にわたる電話会議で決算報告書の詳細を掘り下げ、国際投資アナリストたちからの厳しい質問に対応した。電話会議のインターネット中継を聞いた上で、世界最大の企業・サウジアラムコの現在の財務状況について私が思う5つの重要なポイントを、以下に概説しよう。

第一に、世界のエネルギー市場で進行中の「価格戦争」を始めたのはアラムコではないものの、同社は価格をめぐる戦いに勝ち抜く決意をしている。アミン・ナセルCEOはこの点に関して強い意思を見せており、アナリストたちに「私たちは石油価格を低く維持することができます」と語っている。アラムコは、自身がロシアやアメリカの企業よりも速い速度でより多量の石油の汲み上げと出荷を続け、それによって世界のエネルギー産業における貴重な市場シェアを取り戻すことができると確信している。同社は、顧客に対して主要な競合相手よりも優れた価格で信頼性の高い供給ができると考えている。

第二に、アラムコには、市場シェアための長期間の競争に耐え得る、財政的および工業的資源がある。世界でも最小クラスの生産コストに加えて、ギアリングと借入が少なく、財務効率を最大化するために設備投資を調整する柔軟性をアラムコは備えているのだ。今年の資本投資計画はすでに「最適化」されており、来年の要件の精査が現在行わている。「当社の類を見ない規模、低コスト、低資本集約度および信頼性は、成長とずば抜けた収益をもたらしています」とナセルCEOは語っている。

第3番目のポイントは、アラムコには短期間で生産量を飛躍的に増加させる能力があるということだ。あるアナリストは、アラムコが過去10年間で「最大持続可能生産能力」を大幅に向上させ、しかもその向上に実際に要した時間は約6年にすぎなかったと指摘した。来月から、アラムコの生産能力はわずか数週間前の980万バレルから増加して1,200万バレルとなる。さらに、年末までには在庫準備分を使用することで1,230万バレルが可能となる。政府が最近要求した日産1,300万バレルに達するにはしばらく時間がかかるが、この目標は主に既存分野の強化と拡大により、大きな資本支出なしで実現可能だ。

アラムコは、自身がロシアやアメリカの企業よりも速い速度でより多量の石油の汲み上げと出荷を続け、それによって世界のエネルギー産業における貴重な市場シェアを取り戻すことができると確信している。

フランク・ケイン

第4番目のポイントは、アラムコは公開会社としての自らの新しい地位について自覚的であり、株主の継続的な満足のために真剣に取り組んでいる、ということだ。最近もそうであったように、株式状況は世界の石油市場の価格変動に常にある程度影響されるものだが、公開会社は株式市場の評決を受け入れなければならない。公開企業の責務は、主に配当水準を許容可能なレベルに維持することにより、事業関係における自身の役目を果たすことだ。アラムコは、年間750億ドルの配当を支払う方針を固守することをアナリストたちに明らかにした。これは、公開企業が支払う過去最高の配当額である。

第5番目、最後のポイントは、コロナウイルスとその経済的影響が懸念される中でも、アラムコは、私たちが直面するもうひとつの重要な世界的課題 ― 気候変動 ― に対してしっかりと対処していくということだ。ナセルCEOは、非常に低いレベルの炭素集約度とメタン排出量により、同社が「最もクリーンな」石油会社としての地位を維持するにとどまらず、さらに向上させていくことに尽力していくと明言した。世界中の研究機関による気候変動関連技術の研究開発に対する同社の支援は維持される。近日中に開催される年次精査では、現代の投資家にとって非常に重要な環境・社会・ガバナンスの分野におけるアラムコの進展状況を株主に伝える「持続可能性」報告が提供される。

1時間の電話会議中、ジャーナリストによる質問は認められなかったが、市場による評価はすぐに下されるだろう。また、会議に参加したアナリストたちは各自職場に戻り、会議での質問への回答から得られた内容に基づいてレポートを作成することになる。これらのことから、今回の会議がどう受け取られているかが今後数日のうちに明らかになるだろう。

この不安定な時期にどれだけの意味があるかは定かではないが、アラムコの株価は、月曜日の電話会議の後、投資のプロフェッショナルたちが関係購入機関に推奨したのに伴って上昇している。

  • フランク・ケインは、ドバイに拠点を置く受賞歴のあるビジネスジャーナリストである。

Twitter@frankkanedubai

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