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あらわになったイランの核進展範囲

12 Jun 2020
イランのブーシェル郊外にあるブーシェル原子力発電所の原子炉建屋前でバイクに乗る労働者。(AP写真)
イランのブーシェル郊外にあるブーシェル原子力発電所の原子炉建屋前でバイクに乗る労働者。(AP写真)
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国際原子力機関(IAEA)の最新の報告によれば、イランは現在、包括的共同行動計画(JCPOA)として知られる159ページにわたる2015年核合意の全ての制限に違反している。

イランの低濃縮ウランの総備蓄量は、5月20日現在、1.1トンから1.73トンに増えている。これは、政権が核合意に基づいて維持を許されている量のほぼ7倍である。さらに、イランはJCPOAの下、ウランを最大3.67%の純度までしか濃縮することを許されていないが、現在の純度は最大4.5%に達する。また、核合意の下で許可されているより多くの重水も保有している。

IAEAの報告は、イラン当局による一部の発言とは矛盾しているように見える。彼らは、同機関が述べているよりも高いレベルまでウランを濃縮したと主張している。イラン原子力機関のトップ、アリ・アクバル・サレヒは昨年11月、イランには20%の濃縮ウランの備蓄があると宣言した。「現時点で十分な量がある…しかし必要であれば生産することができる」と、彼は主張した。そして、イランはフォルドゥの核施設ではるかに高いレベルのウラン濃縮を再開しようとしていると付け加えた。フォルドゥはイスラム革命防衛隊(IRGC)基地にあると言われている地下施設である。

また、テヘランは核兵器拡散防止条約に参加しているものの、核活動が行われている可能性が最も高い場所へのIAEAによる全面的な査察を頻繁に拒絶してきた。これは、オバマ政権がイラン政府に与えた譲歩の1つが原因となっている。つまり、IAEAは軍事施設には手が出せないのだ。この譲歩のため、政権はテヘラン南東部のパルチン軍事複合施設のような人目を引くさまざまな施設で、査察のリスクなく自由に核活動に携わっている。

2000年にナタンズとアラーク2つの主要施設におけるイランの秘密核活動を初めて明らかにしたイランの反体制派グループ、イラン抵抗国民会議(NCRI)は、イランの核活動がパルチンで続いていることを示す重要情報を2017年に公表した。この情報は、IAEAがイランの核活動範囲を全面的に見抜くことに何度も失敗してきたという事実を指摘する。

もしイラン政権が核爆弾を開発するつもりだとすれば、彼らはその目的達成にどれほど近づいているのだろうか?それら全ての違反を考慮すれば、テヘランは核ブレークアウトタイム(1つの核兵器に十分な量の兵器グレードのウランを製造するために必要な時間)を大幅に短縮している。核交渉が合意に達した時に推定されたイランのブレークアウトタイムは、約1年だった。今年3月、イラン政権は核爆弾の建造に十分な濃縮ウランを保有しているとの報告がなされた。

イランの指導者たちは、米国による核活動と、核合意により課された制限への違反が増えているとして、同国を非難している。ホワイトハウスは2018年5月にJCPOAを離脱し、イラン政権への制裁措置を再開した。

しかしイランの核ファイルは、テヘランには米国が核合意から離脱する前から核活動を隠匿し、JCPOAさえ破っていた歴史があることを明らかにしている。「機関はイランの3つの場所で、未申告の核材料や核関連活動の可能性に関して多くの疑念を確認した」と、IAEAは3月に報告した。   

テヘランには米国が核合意から離脱する前から核活動を隠匿し、JCPOAさえ破っていた歴史がある。

マジッド・ラフィザデ博士

IAEAが言及した3つの未申告核施設に加え、イスラエルが初めて明らかにした4つ目の秘密の核施設がある。2018年11月の国連総会での演説でイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イランが「イランの秘密核兵器計画で作られた大量の装置と材料を保管するための秘密核倉庫」を持っていると明言した。

イランの指導者たちはこの核倉庫をカーペットのクリーニング施設と主張したが、この施設では放射性ウランの痕跡が検知されている。

イランは現在、JCPOAの全ての制限に違反しており、同国政権は核ブレークアウトタイムを大幅に短縮した。世界は危険な局面に置かれている。

  • マジッド・ラフィザデ博士はハーバード大卒のイラン系アメリカ人政治学者。Twitter: @Dr_Rafizadeh
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