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パレスチナ指導者は、紛争終結のため米国の支援を望む人民の声に耳を傾けねばならない

これは、パレスチナ人が、イスラエルの継続的な圧力政策やパレスチナ指導者の無力さに対し、強い不満を抱いていることを示すよう求められている世論調査ではない。(AFP)
これは、パレスチナ人が、イスラエルの継続的な圧力政策やパレスチナ指導者の無力さに対し、強い不満を抱いていることを示すよう求められている世論調査ではない。(AFP)
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27 Oct 2020 12:10:41 GMT9
レイ・ハナニア
27 Oct 2020 12:10:41 GMT9

最新の世論調査によると、イスラエル占領地に暮らすパレスチナ人の大部分は、イスラエルとパレスチナとの和平交渉で米国がより大きな役割を果たすよう望んでいる。

アラブ・ニュースとYouGovによるこの汎アラブ調査では、他のアラブ諸国と同様、同じパレスチナ人のグループが、米国のトランプ政権の他の政策に反対しているのと同じように、米国がエルサレムをイスラエルの首都として認めたことに反対していることも分かった。

こうした調査結果のひとつの解釈としては、多くのパレスチナ人が、現在の指導者への信頼をなくしてしまったということになるかもしれない。その指導者たちは、最近の米国主導による和平への取り組みに参加することを拒否してきた。

パレスチナ人指導者は、2019年にバーレーで開かれた「平和から繁栄へ」会議を欠席した。この会議では、パレスチナ人に対する500億ドルの金融支援が和平協定に盛り込まれた。彼ら指導者は、「世紀の取引」と呼ばれた和平協定を打ち出した米国政府を拒否したのだ。

この指導者たちは、アラブ首長国連邦とバーレーンが主導する和平構想に対しても批判的だった。9月に成就したこの構想では、両国と米国、イスラエルがアブラハム合意に署名している。

YouGove(本社・英国)は、インターネットに基づいて世界市場の調査やデータ分析を行う会社で、欧州、北米、中東、アジア太平洋地域で事業を展開している。

YouGoveの調査によると、占領地におけるパレスチナ人の間では、和平プロセスへの米国のより強力な関与に対する強い支持がある。その52%が米国に対し「より大きな役割」を果たすよう望んでおり、残りの48%は、異なった考えを持っている。

こうしたパレスチナ人の考えには矛盾があるとの指摘も一部で出ているが、私はそのようには理解していない。

この調査が示すのは、パレスチナ人は強く平和を望んでおり、米国が唯一、その平和をもたらす国際的な影響力を有していると確信しているということだ。しかし、同時に、イスラエルとパレスチナの紛争解決が進展していない中で、彼らはアラブ側からの一方的な譲歩には賛成していないのだ。

今回の調査では、アラブ世界が近く行われる米大統領選をどう評価するかという問題についても尋ねたが、和平に対する全般的な評価は、誰が次期大統領に就任するかを問わず、米国が中東和平とイスラエル・パレスチナ和解を推進する主導的な役割を引き続き担うという確信に突き動かされていた。

これは、パレスチナ人が、イスラエルの継続的な圧力政策やパレスチナ指導者の無力さに対し、強い不満を抱いていることを示すよう求められている世論調査ではない。その指導者とは、パレスチナ解放機構(PLO)の方針を踏襲するパレスチナ自治政府(PA)だけではなく、イランやカタールの急進派と足並みをそろえるハマスをも指している。

パレスチナの指導者は、パレスチナ人の権利を主張できていない。そうした権利の基盤を強化するためだけではなく、イスラエルの巨大なプパガンダ・キャンペーンに対抗する上でも、彼らに強力かつ効果的なPR戦略がないことが、事態をさらに悪化させる要因になってきた。

イスラエルは攻撃的なPR戦略を推進するため、毎年何百万ドルも費やしている。このPR戦略は、パレスチナ人の権利を弱めるとともに、イスラエル国防軍や不法入植運動に起因するパレスチナ人への暴力的な圧迫を推し進め、西洋諸国の大手ニュースメディアによるパレスチナ人の権利の過小評価を助長している。

ほとんどの米国人にとっては、エンターテインメント・メディア業界を含めたこうしたニュースメディアが、イスラエル・パレスチナ紛争に対する理解の仕方を決めている。パレスチナ人が対外的なメディア教育キャンペーンと無縁であるために、イスラエルはあらゆる問題について、常に自分たちに有利なように伝えることができるのだ。

これらの大手ニュースメディアは、イスラエル人を標的にした暴力については頻繁に報じるが、イスラエル軍や不法入植運動に起因する暴力については矮小化するか、または無視している。

さまざまな研究によると、西洋の大手ニュースメディアは、親パレスチナや親アラブ世界のコラムニストが執筆した意見や見方をしばしば排除し、親イスラエルの議論の狭い文脈に沿って問題を提起している。

より良好なメディアの関与があれば、一般の人々はイスラエル・パレスチナ紛争をより正確に理解するだろう。そうすることにより、パレスチナ人の信頼は、和平の動きに対してだけではなく、自分たちの指導者に対しても強化されるだろう。

大手メディアが進める中東紛争の偏向報道により、パレスチナの指導者は、一般の人々の懸念の方向を自分たちの失敗から逸らさせて、感情や怒りに駆られた他の問題へと転換できるようになっているのだ。

それでも、パレスチナの指導者は、メディアの偏向報道の陰に隠れて、自分たちの怠慢を覆い隠すことはできない。彼らは一歩前に出て、自分たちの人民の声に耳を傾けつつ、イスラエルに暮らし、イスラエルの占領下に生き、また海外に離散するなどしているパレスチナ人たちの最高の利益と最良の意見に基づいて、自らの抱える問題を明確化する必要がある。

レイ・ハナニアは、受賞経験のある『シカゴ・シティー・ホール』元レポーター兼コラムニスト。彼の個人ウェブサイト<www.Hanania.com>に連絡可能。Twitter@RayHanania

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