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イスラエル、ガザへの攻撃に「期間は設定していない」

7歳のスージー・イシュコンタナさんと父親のリアド・イシュコンタナ氏42歳は、16日早朝にガザ市の住んでいた建物の1つがイスラエルの空爆によって破壊され、母親と4人の兄弟が死亡し、家族の中で唯一の生存者となった。(AP通信)
7歳のスージー・イシュコンタナさんと父親のリアド・イシュコンタナ氏42歳は、16日早朝にガザ市の住んでいた建物の1つがイスラエルの空爆によって破壊され、母親と4人の兄弟が死亡し、家族の中で唯一の生存者となった。(AP通信)
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19 May 2021 06:05:32 GMT9
19 May 2021 06:05:32 GMT9
  • ガザ地区の医療関係者は、子ども63人を含む217人のパレスチナ人が死亡し、1,400人以上が負傷していると語る
  • イスラエル当局の発表では、イスラエル国内での死亡者数は12人で、そのうち子どもは2人

ガザ/イスラエル: 水曜、イスラエルはガザ地区への攻撃終了までの期間は設定されていないと発表した。イスラエル軍はパレスチナ人居留区に空爆を続け、武装組織ハマスは国境を超えてロケット弾での攻撃を行っている。

パレスチナ人医療当局者は、10日間の空爆により現時点で219人が死亡したと語った。空爆は道路や建物その他の社会基盤を破壊し、すでに悲惨なガザの人道的状況をさらに悪化させた。

イスラエル当局は、イスラエル国内の死亡者は12名としている。イスラエルでは繰り返されるロケット弾攻撃により人々はパニックに陥り、シェルターに避難している。地域的、及び米国主導による停戦に向けた外交努力は強化されたが、今のところ不成功に終わっている。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相は在イスラエル外国大使に向けた説明会での公的な発言では戦闘停止については言及せず、イスラエルは将来的なハマスとの衝突を防止するための「武力による抑制」を行っているとだけ述べた。

イスラエル報道陣向けの非公開の質疑応答では、ネタニヤフ首相は「我々はタイマーをセットしているわけではない。我々が望むのは、戦闘の目的を達成することだ。これまでの戦闘は長期間に及んだ。今回も期間を設定するのは不可能だ」と発言したとされている。

イスラエルは25分間の夜間攻撃で、ガザを支配するイスラム原理主義組織ハマスが使用しているとするガザ地区南部のトンネルなどを含む標的を空爆した。

パレスチナ人居留区からは50発ほどのロケット弾が発射され、テルアビブの南にある沿岸の都市、アシュドッドとガザ境界付近の地域ではサイレンが鳴り響いたとイスラエル軍は発表した。夜間攻撃での負傷者や損害の報告はないが、何日も続くロケット弾攻撃はイスラエル国民の多くを不安にさせている。

人口の密集するガザ地区では450近くの建物が崩壊、または大きな損害を受け、その中には6つの病院と9つの初期治療医療施設が含まれたほか、52,000人以上のパレスチナ人が住居を追われたと国連人道機関は発表した。

居留区の沿岸には爆撃による大きな穴や瓦礫の山が残り、ガザ地区の生活環境への長年の懸念はより深まった。

「イスラエル人の人間性について知りたい人は、ガザ地区の崩壊した家々とそこに住んでいた人々を見に来るとといい」と、大学講師のアーメッド・アル・アスタル氏は、ガザ南部カーンユニスで崩壊した自宅を前に語った。

アル・アスタル氏は、何の警告もなく夜明け前の空爆で家が破壊されたという。

イスラエルは、最近の攻撃はハマスによるものだとしており、イスラエル軍は爆撃の対象となる建物には避難警告が出し、軍事目標と見なされる標的のみを攻撃していると主張した。

「我々は、我々を攻撃対象とする者のみを標的としている。非常に精密にだ」と、ネタニヤフ首相は外国大使に語った。

「外科手術のように精密な軍事行動ではあるが、病院で行われる外科手術ですら処置が行われた組織周辺の副次的な損傷を防ぐことは不可能だ。手術室ですら、無理なのだ。軍事行動において不可能であることは明らかだろう」

外交関係

ハマスは、断食月(ラマダン)のエルサレムでのパレスチナ人に対するイスラエル右派の虐待行為への報復として、9日前にロケット弾での攻撃を開始した。

今回のロケット弾攻撃は、エルサレムのアル・アクサーモスクで起こったイスラエル治安部隊と礼拝に訪れた人々との衝突と、イスラエルに隣接するエルサレム東部からのパレスチナ人の立ち退きを求めるイスラエル人入植者による裁判に続いて行われた。

ハマスとイスラエルの戦闘はここ数年で最も激化しており、これまでのガザ地区での戦闘とは異なり、イスラエルの街中でのユダヤ人とアラブ系住民の衝突の増加にもつながっている。

ハマスはエルサレム問題に関するイスラエルへの抵抗を率いる役割を担っており、多くのパレスチナ人の共感を集める。これは、ハマスの大きなライバルであるヨルダン川西岸のマフムード・アッバース大統領にとっては課題となっている。アッバース大統領は先月、ハマスが票を集める可能性の高い議会選挙を中止した。

フランスは火曜日、武力行為に関する国連安保理決議を要請した。米国は安保理に対し「今のタイミングでの公式発表」は現在の事態を鎮静する結果にはならないと語った、と外交官は話した。

「我々の目標はこの紛争を終わらせることだ。一日、一日、何が正しいアプローチなのかを評価していく。現時点では、引き続き、水面下で静かに集中的な議論を行っていくことが我々の戦略的アプローチである」と、ホワイトハウス報道官ジェン・サキは火曜日に報道陣に語った。

エジプトと国連の仲介役はすでに外交努力に注力し、木曜には国連総会で今回の武力衝突が議論される。

イスラエルのN12 TVニュースは木曜の朝、エジプトは「秘密のルート」を通じてイスラエルとガザの戦闘停止を申し入れたというパレスチナの匿名の情報提供者の言葉を報じた。

ハマスの幹部の一人でカタール在住のイザット・エル・レシック氏は火曜日、ハマスが停戦に同意したという報道はすべて虚偽であるという声明を発表した。ガザ当局によれば、直近の死亡者には夜間空爆で死亡したパレスチナ人3人が含まれ、そのうちの1名はラジオ局アル・アクサのジャーナリストだという。

ガザ地区の医療関係者は5月10日に戦闘が開始して以来のパレスチナ人死亡者数には子ども63人が含まれ、1,500人以上が負傷していると語った。イスラエル当局はイスラエル国内で死亡した子どもの数は2人と発表している。

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