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イランの影響に対する反抗に失敗は許されない

レバノンのベイルート中心街で反政府の抵抗が行われている間に彼らが街路を歩いていたときの、レバノン国旗を身に着けたカップル。2019年11月2日(ロイター)
レバノンのベイルート中心街で反政府の抵抗が行われている間に彼らが街路を歩いていたときの、レバノン国旗を身に着けたカップル。2019年11月2日(ロイター)
バリア・アラマディン
04 Nov 2019 10:11:29 GMT9

それぞれの政府が崩壊し、イラクとレバノンはもはや後へは引けないところまで来た。不正な既得権者は個人的利益を最大限に確保するための論争をしているが、新政府が形成されるときには常に伴う言い逃れを、憤慨した抗議者らは何ヶ月もの間許しておかないだろう。

これは首相による選択の範囲を遥かに超えている。イラクとレバノンの市民は、腐敗した不正な政治体制が焼け落ちて、主権者と説明責任のある統治機構とに取って代わられること、そしてそれが繁栄、威厳、そして希望を与えることを求めている。

政府の主要な大臣らは、辞職の許可を強く要求している。その政府を支える、ハサン・ナスルッラーフ(Hassan Nasrallah)とハディ・アル・アミリ(Hadi Al-Amiri)の奮闘は、醜い宗派体制を支持する親イラン分子が持つ、代わりのきかない利害関係を実例で示している。このような熟練のテロリストたちは、変化を妨害するために必死に戦う。

デモ参加者らは、もし退却すれば、また別の同程度の民衆の団結した運動が起きるには何世代もかかるだろうということを知っている。多くは職、生活費、そして破綻した公共サービスの問題から出たものであるが、その抗議はイランの手先、そしてそれによる社会への悪影響との現実に存在する対立に発展した。

抗議者らは自分たちの国が長年のイランの工作によって奪われ、見る影もないような状態にされたことに怒りを表している。強い感情表現がタブーとされる社会にあって、バスラの抗議者らは国旗を抱きしめ、惨めで屈辱的な状態に落ちぶれたのだと隠し立てもせず泣く。

シーア派の神聖な都市カルバラで、いきり立った市民がイランの国旗を焼き、アヤトラ・アリ・ハメネイ(Ayatollah Ali Khamenei)の肖像画の上で靴を踏み鳴らす。レバノンの抗議者らは声をそろえて叫ぶ。1980年代から進歩していない部族主義的世界観の指導者らによって広められた、宗派対立の話はもう受け入れないと言う。

この数週間、コッズ部隊(Quds Force)のガーセム・ソレイマーニー(Qassem Soleimani)は、イラクを複数回訪問し、グリーンゾーン(Green Zone)の司令室から抗議行動に対する作戦行動をまとめるため、民兵組織の指導者と会った。イラクの上級警備担当者は会合に参加したとき、その会合でアーディル・アブドゥルマフディー(Adel Abdul-Mahdi)首相が議長を務めていることに驚いた。ソレイマーニーは決められた席に着いているだけだった。

ソレイマーニーの作戦行動には、狙撃手を使って騒ぎを絶つことと、抗議行動の野営地と威嚇的なデモ参加者らを壊滅させるための殺意をもった攻撃が含まれていた。陸軍将校らは、抗議行動に参加しないよう市民に警告した。その陸軍将校の1人はこう宣言した。「アッラーにかけて誓う。民兵と狙撃手があなたがたを殺すだろう」

市民には正義と数の力があるが、組織としての方向性を欠いている。抗議者を代表する緩やかな宗派横断的組織を作り出すことは、宗派対立を存続させてきた不正な派閥を脇役に追いやるための大きな前進だろう。

アル・アミリの「憲法改正」への構想は、議会をのけ者にし、イラクの国家を親イラン分子が支配することを意味する。イラン政府に支持された独裁政権に対するすべての反対勢力を鎮圧するために、民兵の部隊を使うのである。我々は、宗派的浄化と闘争姓の上に築かれたCVの誰かからの、民主的なロードマップを期待すべきではない。憲法によれば、そのような者は政治に参加することさえ許されるべきではないのである。

助言者であるハメネイの影響を受けた論評の中で、ナスルッラーフは「大使館職員」の動揺を非難し、「国を虚無に陥れるために政治的クーデターが計画されていた」と主張している。彼は、ヒズボラが真の力を発揮することをこれまで防いできたのだが、この運動がどのような力を持っているかを抗議者らはすぐに理解するだろうと脅した。

ナスルッラーフは女性の抗議者らの集会を奇襲するために、すでに刺客を送り出した。それでは彼はシリア型の内戦を触発すると脅しているのだろうか。そのような不測の事態は、イランの覇権による有害な結果を悟った、キリスト教徒の人々(レバノン人口の約40%)と民族主義のシーア派の間のかつての同盟を含め、レバノンをヒズボラに対抗して団結させることをナスルッラーフは知らなければならない。ヒズボラは完全武装しているかもしれないが、この運動それ自体による行為がヒズボラを忌み嫌われる少数派内の少数派にした後では、そのようなものは役に立たないだろう。

アル・ハシード・アル・シャアビ(Al-Hashd Al-Shaabi)は、イラクのシーア派コミュニティの首にかけられた巨大な重荷となった。地域経済を支配し、マフィア暴力団のように行動して地域の人々から金銭をゆすり取り、そしてこれらのコミュニティを最悪の形態の組織犯罪の中に沈めた。これはヒズボラのレバノンにおける活動の仕方によって、意識的に触発されたものであった。つまり、ヒズボラは他の経済主体を排除するために、施設の支配権と流通網を不当に利用するのである。

抗議者らは、自分たちの国が長年のイランの工作によって奪われ、見る影もないような状態にされたことに怒りを表している。

バリア・アラムディン

イラン政府から提供された資金が米国の新たな制裁という状況の中で枯渇し、ヒズボラはその最も忠実な支持者にさえ、物質的な利益を与えることができない。そのような支持者は、ヒズボラのシリアでの流血の放浪とイスラエルとの戦闘の間に息子を失った。ナスルッラーフの基盤の民衆は、この運動が信頼できるものではないということを理解しつつある。その一方で、ヒズボラの長大なジャーナリスト、政治家、および国家的著名人の暗殺リストは、レバノンの共通の記憶に苦々しく鮮明にとどまっている。

米国務省の新たな報告は、再びイランを世界最大のテロ支援国家としており、海外の協力者への資金提供のために年間で推定10億ドルを支出しているとしている。イラン政府は、その「抵抗の枢軸」の不可分の要素とみなすアラブ諸国を平和的に手放すことはないだろう。抵抗者は、その共通する野心を、国家レベルで団結して追求していかなければならない。それは、アル・ハシード・アル・シャアビとヒズボラがこれらの必要性を政治的に転覆させ、街の支配権を力ずくで取り戻することを防ぐためである。

来たるべき戦闘は、大部分の人々が認識しているよりも激しいものとなるだろう。しかしそれでも避けられないものである。5年か20年後、イラン政府の神学的吸血鬼がアラブ諸国の生き血をすするよりも、賃金をもらっている今の方が良い。シリアとイエメンは今日、(イランの戦争挑発の直接の結果として)廃墟となっており、イラン政府の重苦しい抱擁に抵抗することができない。

それでも、アヤトラはレバノンとイラクでの出来事に留意し、将来のある時点で、その武器輸出への莫大な投資と買収した政治的忠誠が、人々の怒りという津波によって海へ洗い流されるだろうということを知るべきである。

イラン政府の見かけ上の地域的優位性は、その目的を追求するために無駄に失われた数百万人の罪のない人々の命にもかかわらず、最終的には全く役に立たないものである。隣国との友好政策によって忠実な地域の同盟を集結する代わりに、イランは不信感を抱かれ、忌避されるだろう。

イラクとシリアは、イラン政府に好都合な大規模な人口移動に耐えた。イランが主導権を取り戻すことを許すということは、その協力者が復讐心をもって、イランの優位性が決して争われないことを再び確実にするということを目指して、宗派的浄化の新たなひと仕事に乗り出すということを必然的に伴う。

これは、国家的同一性と主権の存続のための、狡猾で卑劣なイランの覇権と向かい合う、現実に存在する闘争である。今しなければ死ぬしかない。大衆の平和的な抵抗である反イラン抵抗運動は、成功しなければならない。奪われた国家を取り戻すことを目指す者にとって、失敗は許されない。

バリア・アラムディン(Baria Alamuddin)は、受賞歴をもつ中東と英国のジャーナリストであり、アナウンサーです。彼女はMedia Services Syndicateの編集者で、数多くの国家元首にインタビューを行ってきました。

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