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ライシ師の勝利で、イランの攻撃性、抑圧、挑戦的態度がさらに増すことになる

イブラヒム・ライシ師(AFP)
イブラヒム・ライシ師(AFP)
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22 Jun 2021 04:06:24 GMT9
Majid Rafizadeh
22 Jun 2021 04:06:24 GMT9

マジッド・ラフィザデ博士

政権側はイブラヒム・ライシ師を次期大統領にする意志を固めていたことにより、彼が18日の第13回大統領選に勝利したことは意外ではなかったはずだ。しかし、国内的、宗教的、国際的に、彼の勝利は何を意味するのか?

ライシ師の勝利でイランの強硬派は、政権のすべての部門、行政、立法、司法を支配することになる。強硬派が最後にそのような立場に置かれていたのは、マフムード・アフマディーネジャード政権の時だった。ライシ師はイスラム革命防衛隊(IRGC)やコッズ部隊、情報省、民兵組織のバスィージなど強硬路線の機関のメンバーを閣僚に選ぶだろう。

ライシ師はこれまで公選職に就いたことはなく、1979年以降、就任する前から米国の制裁を受ける最初のイラン大統領となる。彼は1988年の政治犯の大量処刑に関与したことで、米国の制裁対象になっている。彼は粛清の際、子供や妊婦を含む3万人以上を処刑した「死の委員会」のメンバーだった。

国内的には、広範囲に広がる投票への無関心や、18日の低投票率により政権側は合法性の危機に直面しており、イラン国民の圧倒的大多数はイスラム共和国とその選挙に幻滅し満足していないことを示している。テヘランの教師、アナヒータさんはこう述べた。「選挙には行きませんでした。多くの人々のように、適当な候補者がいなかったので。だから投票する理由がありません。宗教指導者らには候補者があり、それがライシ師でした。」

結局、イスラム共和国は不正選挙を画策し、監督者評議会は強硬派や最高指導者、アリ・ハメネイ師が後押しした候補者、ライシ師のライバルになりそうな候補者をすべて審査で不適格者とした。監督者評議会は、アリー・ラリジャニ氏のような政権内部のトップすら不適格とした。12人から成る監督者評議会の3人はライシ師が選び、もう6人は最高指導者が指名したことは注目に値する。

ライシ師の就任により、政権は国内での抑圧を強化する見込みが高い。ライシ師の容赦のない検察官、判事という経歴が示すように、イスラム共和国に対抗したり、その存続を脅かしたりする人々を彼は躊躇せずに抑圧するだろう。政権が彼の勝利を確実にしたのはそのためだ。というのも、ハメネイ師やIRGCの上級幹部は、彼らに同意するだけでなく、道筋を楽にしてくれる大統領を選ぶことにより、対抗勢力をもっと効果的に鎮め、激しさを増す穏健派と強硬派の権力闘争を終わらせることができると考えている。

ライシ師の経歴が示すように、彼はイスラム共和国に反抗したり、その存続を脅かす人々を躊躇なく抑圧するだろう。

マジッド・ラフィザデ博士

これはつまり、言論、報道、集会の自由がますます抑制され、国際社会はイラン当局による人権侵害をさらに多く目撃することになりそうだ。しかし、過去に見てきたように、イランの人々は沈黙したままではいないだろう。混乱や広範囲の抗議運動がおそらく起こるだろう。

西側の政策立案者や国際社会全体が、国家の抑圧と闘い、民主主義を擁護するイランの人々のあらゆる努力を支持すると明確に示すことはとても重要だ。

また、ライシ師は、IRGCやハメネイ師が考えている次期最高指導者の候補者にもなりそうだ。大統領の地位は、この最高職への大事な足掛かりになりうる。アヤトラ・ホメイニ師が1898年に死去した時、ハメネイ師は現職大統領だったことは注目に値する。

地域的な面から言うと、イラン政権の攪乱的な行動、攻撃的な政策、軍事的な冒険主義は強硬派の大統領の下でますます強まるだろう。強硬派はイスラム共和国の革命理念を信じ、その根本原理を国外に広げるようと考えている。IRGCや、そのエリート部門、コッズ部隊は、ライシ師の下でさらに権限を与えられ、大胆さを増すことになるだろう。彼はハメネイ師、政権の軍事機関、革命の原理の忠実な支持者だ。政権の反西洋的–具体的には反米的–政策は、強硬派のライシ師が最高指導者と同じ反西洋的見方を共有しているため、ライシ師の任期中に徐々に強まりそうだ。

それでもこれは、ハッサン・ロウハニ師が退任する前に、その政権とP5+1(国連安全保障理事会理事国とドイツ)が2015年の核合意の復活について合意しなければ、ライシ政権は核交渉を放棄する、または続行中の協議を停止するということではない。イラン政権は財政が厳しく、米国の制裁を解除してもらうために、核交渉に復帰しようと必死だ。政権は強硬派が制裁解除を自らの手柄にするために、ライシ師が就任するまで、協議を長引かせるかもしれない。

ライシ師の勝利で、強硬派は政府のすべての部門にわたる権力の掌握を確かにした。ライシ師の政権の下で、イラン体制は地域的にはさらに攻撃的、軍国主義的になり、国内では抑圧が進み、国際的にはより挑戦的になりそうだ。

マジッド・ラフィザデ博士は、ハーバード大学出身のイラン系アメリカ人の政治科学者。ツイッター:@Dr_Rafizadeh

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