数ヶ月前、イランは、ドローンと巡航ミサイルをサウジアラビアに発射するという前例のない戦略的および戦術的思考を見せつけた。これはイランにとって輝かしい瞬間であり、世界のその他の国々がどのように最善の対応をするかを熟考させるものだった。その質問はいまだ問いかけられている。この種の攻撃は、戦略と技術の飛躍を実証するものとなった。多くの軍事アナリストは、今回の攻撃の巧妙さと的を絞った攻め方にびっくりさせられた。
しかし、早送りして現在を見てみると、いまイランを苦しめているものほど大きな運命の転換はない。1979年の革命以来最悪の蜂起が起き、何百人もの抗議者が殺された。燃料価格引き上を発表したことをきっかけに全国で勃発したデモは、イランに最大の圧力をかけるというアメリカの戦略が、いかにイランを追い込んでいるのかを明らかにした。
2020年2月に予定されている議会選挙を前に、おそらくかつてはタブーだと考えられていた問題が噴き出る可能性があり、制裁の圧迫が続くにつれ、イラン政府にとってより深刻な問題となるだろう。
これらのデモについて興味深いことは、過去のデモとは異なり、イスラム共和国自体の基盤のシンボルを標的にしていることだ。イランの高齢化した指導者たちのポスターは、国のシステムが完全に腐敗していると見なす社会の幅広い層に焼き付けられている。革命から40年、そしてサウジアラビアに攻撃を行ってから数か月経った現在、イランの統治能力は、内部の不満により深刻な問題に直面している。
2017年のデモは経済に焦点を当てていたが、今日のデモは、イランの外交政策の冒険、そして彼らが血と富の面で国に負わせている犠牲に対する不満を表している。「シャーの帰還」、「聖職者うせろ」、「ガザでなく、レバノンでもなく、イランだけのための我が人生」といったスローガンは、支配組織に対しどれほど辛辣な批判が存在するかの指標となっている。
これらのデモ、そして宗教的権威を表す物理的構造に対する攻撃は、今日の怒りを反映したものである。9つの神学校と金曜日の礼拝所が全国のデモ隊によって焼かれたと当局が報じた。イラン第2の都市マシュハドでは、デモ隊が道路や高速道路を封鎖している。
保守派であるQom Newsは、金曜日の礼拝の後、聖職者がかなりの数の群衆に向け語ったマシュハドでの抗議のビデオを公開した。「あなたたちを代表する議員のほとんどは、国民の問題を気にしません。ほとんどが2つのパスポートを持ち、家族は海外にいます。司法は、これらの人々を見つけ逮捕する必要があります」。そして、群衆が唱える「Allahu Akbar」(「神は偉大だ」)がその後に続いた。
イランは主な課題と国のリーダーシップの変化の危機に瀕しているようだ。
セオドア・カラシク
宗教都市でこのような感情が沸き起こるという現象は、このような解説をさらに進めるために注意深く観察する必要がある。この種の言葉は、旧体制の腐敗に対抗しレヴァント地方全体にも広がっている。イランがイラクとシリアを自国の海外作戦の拠点として無謀に利用しているからだ。革命世代は死にかけている。次世代はそれほど熱心ではなく、抵抗に専念しないかもしれない。
神学校や金曜日の礼拝所への攻撃が発生した際、イスラム革命防衛隊(IRGC)の部隊の1つである民兵組織バシジ(Basij)の警備隊は、自分自身や家族へのリスクが高いにもかかわらず、任務を遂行しなかったり抗議に参加するために組織を離脱したりしている。イランは、取り締まりを行ったり、民衆に対するわずかながらの援助を行うために国の予算優先度を調整したりしているにもかかわらず、主な課題と国のリーダーシップの変化の危機に瀕しているようだ。