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サウジアラビア王国は二つの物語の狭間で建国記念日を迎える

(Getty Images)
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23 Sep 2021 02:09:13 GMT9

歴史が何を語ろうと、特にそれが重大な史実の場合は、実際の様子や伴う犠牲、挑戦の大きさを書き記すことは不可能だ。どんな言葉も証言も、実際の犠牲や挑戦をリアルに表現することはできない。一見簡単そうに聞こえても、詳細を掘り下げてみると想像力が追い付かず、実際に起こったことを克明に想像することは不可能だ。これは、サウジアラビアの30年に及ぶ紛争(19021932年)が、同国の祖となった故アブドルアジーズ・ビン・アブドル・ラフマン国王によって終止符を打った物語にも当てはまる。

日本人旅行者であり研究者であるスズキタケシ氏は、自身の著書である「Japanese in Mecca(メッカの日本人)」の中でこう述べている。「私は断言できるが、彼は若い頃から英雄だった。彼は終わらない紛争と葛藤の中で生きていた。この文章を書いている今も、彼に触れ、握手を交わした自分の右手を眺めたくなる。彼の手は私の2倍の大きさで、その指には紛争の痕がくっきりと残っていた。彼が巨大な体だったことも覚えている。彼の顔をよく見るには背筋をのばし、顔を上げなければならなかったことも。」

アブドルアジーズ国王は、シンプルな武器を手にした60名の部下を従え、多くの同盟や矛盾によって引き裂かれながらも、貧困と恐怖の生活を送っていた自国の復興に乗り出した。当時の国民は、自国を1つの国ではなく複数の国の集合体だとさえ考えていた。しかし、先祖代々の街を取り戻すだけでは飽き足らず、2回倒された国家を再統一し、3回目は自らの手で建国し、統一を宣言した英雄は、国の将来の姿を明確に見据えていた。

彼が見ていたものは、山々や砂漠を乗り越えて人々と部族を統一し、離散に続く統合、恐怖の後の安全、貧困に代わる繁栄への大行進だった。アブドルアジーズ国王が広大な土地を統合した決意と勇気、そして王国統一の宣言までに彼とその仲間が直面した困難を想像すると、言葉では言い表せないほどの感動を覚える。

アブドルアジーズ国王の子孫である歴代国王やサウジアラビアの国民が、この建国の祖から受け継いだ責任の重さを自覚していなければ、地理的・政治的に激動する環境の中で、この偉大な遺産と統一を維持することはできなかったに違いない。我々は現在、サルマン・ビン・アブドルアジーズ国王とムハンマド・ビン・サルマン皇太子(副首相兼国防大臣)が率いる新しい建国と成長の物語の中を生きている。

現在の王国は、エネルギーと能力を活用し、多様性に基づく新たな現実を創造し、機会を捉えて世界とのパートナーシップを築くことを基本とする歴史を紡いでおり、新たな局面を迎えている。サウジアラビアは、あらゆる面で世界的なリーダーシップと影響力を発揮するための要素を持ち合わせている。現在、サウジアラビアでは新たなビジョンに向けた活動が実を結び始めており、地区を超え、世界的な目標達成に向けて着実に前進しており、それに伴う政治的・経済的な責務を自覚している。

二聖モスクの守護者の庇護と皇太子殿下のリーダーシップのもと、ここに我が王国の建国記念日を祝福する。

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