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日本におけるサウジアラビアへの関心が高まっている

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22 Sep 2024 11:09:50 GMT9
22 Sep 2024 11:09:50 GMT9

サウジアラビアの第94回目のナショナル・デーにあたり、サルマン国王陛下、ムハンマド皇太子兼首相殿下、そしてサウジアラビア国民の皆様に日本政府及び日本国民を代表して、心から親愛の意を表し、慶賀を御祝い申し上げます。日本とサウジアラビアの関係は来年、1955年6月7日の外交関係樹立から数えて70周年目に入ります。

 2016年に発表された「サウジ・ビジョン2030」は今、中間点にありますが、経済活動における非石油部門の拡大、失業率の低下、女性の社会進出等、サウジアラビアの経済・社会経済改革は着実に進展しています。そうした中、日本とサウジアラビアの二国間関係も伝統的な石油関連での協力を越え、多様な分野において活発化しています。

本年5月、岸田総理大臣は、ムハンマド皇太子兼首相とテレビ会談を実施し、経済分野において、昨年の岸田総理のジッダ訪問に際して合意された「ライトハウス・イニシアティブ」の下、日本の先端技術を活用し、水素・アンモニア等のクリーン・エネルギー分野の開発によりサウジアラビアをクリーン・エネルギーのハブとすべく、具体的な協力を進めることを確認しました。また、エネルギー分野にとどまらず、建設、デジタル、ICT、宇宙、保健、医療、食品、農業等の分野でも協力が出てきています。この首脳会談と同日に開催された日・サウジアラビア・ビジネスフォーラムでは、およそ300人の日本及びサウジアラビアの政府・企業関係者が参加し、30本以上の覚書や契約が締結されました。その分野は製造業、エネルギー、金融、循環経済(サーキュラーエコノミー)、ヘルスケア等多岐にわたり、両国関係の多様化を如実に表すものとなりました。

 サウジアラビアの多くの方から、日本のハイテク技術、料理、アニメ、マンガやゲーム含め日本の様々なモノ、コトに高い関心を頂いているのは大変嬉しいことです。コロナ禍が過ぎ、日本を訪問するサウジアラビア人の数が激増しています。昨年からサウジアラビアにおいては、サウジ国民の皆様は観光目的のための渡日であれば電子査証の申請が可能となりました。これに伴い、当館及び在ジッダ総領事館が昨年発給した査証は、前年比で4倍となりました。来年は、大阪・関西万博が開催されます。一人でも多くのサウジアラビア人が手軽に日本を訪れて頂けるよう、私としても日本とサウジアラビアの直行便開設や日本への査証がより簡単に取得頂けるよう最大限努力していきます。

 日本人のサウジアラビアへの関心も高まっています。私は、サウジ・ビジョン2030により、サウジアラビアが中東地域随一の観光大国になると信じています。サウジアラビアは2030年に万博をホストし、2034年FIFA・W杯においては唯一の立候補国となっており、日本のサッカー協会もこれを強く支持しています。

昨年、サウジアラビアは昨年、浦和レッズとアル=ヒラールが激闘を重ねたAFCチャンピオンズリーグをホストする等、サッカーの国際大会を開催した経験が豊富にあります。2034年FIFA・W杯招致が成功した暁には、大会の成功を確信しています。2030年に観光大国となったサウジアラビアには、日本から今より10倍、いや100倍の観光客が訪れることを強く願う次第です。

最後に、本日の建国記念日にあたりサウジアラビア王国の一層の発展と繁栄、国民の皆様のご多幸を願い、本稿を締めさせて頂きたいと思います。

  • 岩井文男氏は、駐サウジアラビア日本大使である。X: FumioIwai
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