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イスラエルは人権擁護団体を押さえつけることはできない

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11 Nov 2021 07:11:04 GMT9
レイ・ハナニア
11 Nov 2021 07:11:04 GMT9

1975年、国連は、政治運動のシオニズムを「人種差別主義の一つの形」と正確に表現した決議を採択した。72ヶ国が決議3379号を支持した一方、35ヶ国が反対した。32ヶ国が棄権したのは、イスラエルに数十億ドルの対外援助を行う米国の反発を恐れたのだろう。

シオニズムを人種差別の形として指定するこの決議は、パレスチナ解放機構が国連のオブザーバー組織となった翌年に為された。ここから、1980年代のイスラエルとの交渉と1990年のオスロ合意の成立への道が開けていくこととなる。だが、最終的にはイスラエル政府内の過激派の反対によって崩壊した。

イスラエルの多くの要求の一つは、1975年の反シオニスト宣言の撤回だった。1991年、国連は和平実現のための新たな努力の一環としてこの宣言を撤回した。同様に、パレスチナ解放機構(PLO)もイスラエルの存在を認める形に憲章を修正することに合意した。

オスロ合意は、その調印を行ったイスラエルのイツハク・ラビン首相が暗殺されたのと同じように消滅させられてしまったが、それによる変化の過程でイスラエルの人権侵害に対する新たな認識が生まれた。この時期に結成された多くの人権団体の中には、占領地におけるイスラエルの人権団体「ベツェレム(B’Tselem)」も含まれる。ベツェレムやその他の人権団体は、事実の申し立てや映像証拠、目撃者の証言などを使い、イスラエルの人権侵害を浮き彫りにしていった。

イスラエルを擁護する人たちは、イスラエルだけが批判の槍玉に挙げられているが、パレスチナの多くの組織も人権侵害を行っていると主張する。もちろん、違いは、イスラエルは主権国家であり、主権国家には人権と法の順守が求められるというところだ。イスラエルは、それらを一貫して無視してきた。

先月、イスラエルはベツェレムをはじめとする5つの人権団体は「テロ組織」であると宣言した。だが、ベツェレムは世界各地の人権・市民権団体の間で広く支持され続けており、イスラエルの宣言に対し、そのような動きを正当化する証拠は皆無であると主張した。

これら6つの人権団体がなければ、武装していない市民に対するイスラエルの残虐行為を世界が知ることはなかっただろう。たとえば、先週、ベツェレムは、8月にイスラエルの兵士たちがバラタ難民キャンプで15歳の少年を射殺したと明らかにした。少年の名はイマド・アル・ハシャシュ。彼は自宅の屋根の上から兵士たちの動画を撮っていたというだけの理由で頭を撃たれたのだ。

これらの人権団体がなければ、武装していない市民に対するイスラエルの残虐行為を世界が知ることはなかっただろう。

レイ・ハナニア

イスラエル軍は、少年が撃たれたのは兵士たちが難民キャンプを去ろうとした際に起こった「暴力的な」衝突の結果であったという声明を出したが、ベツェレムはそれがまたしてもイスラエルの嘘であることを証明した。

イスラエルは恐ろしい残虐行為をうやむやにしたい時には、決まって暴力事件を捏造し、パレスチナの「テロリスト」が引き起こしたものだと主張する。通常、そのような状況ではメディアは事件を調査し、「暴力的な衝突」の真実を報道することが期待されるだろう。だが、イスラエルではジャーナリストの活動は検閲され、軍事行為の詳細を伝えることは禁じられているため、ほとんどのジャーナリストはそういった詳細な情報を報道から排除することが習慣となっている。

そのため、真実を暴くという重い責任は、ベツェレムのような勇気ある組織の肩にのしかかる。ベツェレムはバラタ難民キャンプの事件を調査し、暴力的な衝突はまったくなかったと発表した。つまり、イスラエルの兵士が動画を撮影している少年を見て、頭を撃とうと思ったというだけなのだ。

だからといって、兵士がその行動のために罰せられるわけではない。だが、アル・ハシャシュ殺害は、どんどん明るみに出ているイスラエルの人権侵害行為の証拠にさらなる重みを加え、なぜこれら6つの人権団体がイスラエルによって「テロ組織」と指定されたのか世界が理解する助けになるかもしれない。この決定により、イスラエルはこれらの組織の指導者や職員、ボランティアを逮捕したり、イスラエルの残虐行為の証拠を含む備品などを押収することができるようになったのだ。

それでも、彼らはイスラエルの嘘を暴くために活動を続けている。先週には、人権団体が、イスラエル人入植者がパレスチナ人農家を襲撃する様子をイスラエル兵が見守っている映像を公開したばかりだ。パレスチナ人の農民たちが育てた数千本ものオリーブの木が、兵士が見守る中、武装した入植者によって根こそぎにされている。10月~11月はオリーブの収穫期だというのに。

イスラエルは、イスラエル国内と占領地のニュースメディアにかん口令を強いている。また、親イスラエル派の組織は米国議会を政治的に抑え込み、何百万ドルの政治献金を提供することで批判の声を上げさせないようにしている。

それでも、ベツェレムのような人権団体を黙らせることができない限り、イスラエルがもみ消したいと思う出来事は語られ続け、イスラエルの真の姿を暴き続けるだろう。

  • レイ・ハナニア氏は、受賞歴のある『シカゴ・シティー・ホール』元レポーター兼コラムニスト。問い合わせは、個人ウェブサイト(www.Hanania.com)まで。Twitter@RayHanania
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