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「二国家解決」に至る道は1つではない

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11 Apr 2022 12:04:31 GMT9
11 Apr 2022 12:04:31 GMT9

イスラエル人とパレスチナ人の間には、二国家解決に基づく和平合意は過去のものであるという、ある種のコンセンサスがある。

1995年にイスラエルのイツハク・ラビン首相がユダヤ人過激派に暗殺され、2000年代初頭の第二次インティファーダでは数千人の命が奪われた。オスロ合意後に両者の間に築かれたわずかな信頼を破壊したこれらの行為によって、その可能性は失われたとする見方が主流である。

この主張には多くの真実がある。しかし、1993年のオスロ合意の根底には、――明確には表現されてはいないものの――その最終目標は、両民族が明確な国境によって分けられたそれぞれの主権国家に住むという、双方の民族的願望を実現することであるという仮定もある。この目標は今になってみれば、分離による平和共存が大きく強調されたものである。

二国間解決の運命に対する絶望感の多くは、その実現に至るあらゆる道が模索され、この紛争は単に解決不可能であるとする、誤った情報に由来している。さらに、1世紀近い流血の歴史が、根強い不信感や憎しみさえを生みだした。そして両者は必然的に、しかし誤った方向に、平和とは和解や平和的共存よりも、分離にあると考えるようになったのである。イスラエル人とアラブ人が共有するこの聖地の領土はごくわずかであるにもかかわらず、である。

今まで、この地域に戦争や紛争が発生しないことを保証できるのは、2つの民族の完全な分離だけだと考えられてきた。それは、1937年に英国のピール委員会が提出した最初の分割案から、1947年の国連の分割計画、そしてその後の二国家という概念に基づいた合意をもたらすための外交的関与にまで至る。

確かに、分割や分離は、それがたとえ望まれないものだとしても、総人口が今よりはるかに少なく(1947年当時は現在の10分の1)、農業、貿易、軽工業が主な職業であったときには、より現実的なものであった。

その後、戦争によって両者の関係は変化し、互いの政治状況もまた劇的に変化した。グローバル経済によって新たな機会が生まれ、人口全体は増加し、その人口動態も大きく変わった。その結果、イスラエル人とパレスチナ人の関係はより複雑になり、この2つの民族は物理的に分離されていなければ共存できない、という考えは否定された。

そのため、近年、イスラエルとパレスチナの思想家たちの間では、完全な分離に基づくのではなく、両民族の価値観と現場の事実を反映した二国間解決のパラダイムを構築することに関心が高まっている。

イスラエル・パレスチナ連邦は、おそらく今最も有望な提案であり、広く検討され、議論されるに値する。

ヨシ・メケルバーグ

アメリカのマサチューセッツ州より小さな領土に、1300万人以上の人々が暮らしている。イスラエルでは、人口の5分の1がパレスチナのアラブ人で、60万人のユダヤ人がヨルダン川西岸地区に住んでいる。国際法に違反しているが、彼らの大半が境界(グリーンライン)を超えてイスラエル側に戻るという実現可能な見通しはない。したがって、二つの主権国家の実現と保証として、「独立して共に生きる」ためのより複雑な方式が必要となるのだ。

それゆえ、イスラエル・パレスチナ連邦(連合体)の構想は、疑惑と懐疑の念を抱きつつも、支持を集めているのである。

連邦制の推進者は、物理的な安全保障の壁や疑惑の壁の向こう側で生活をする必要なしに、両民族の民族的願望を実現する方法としての連邦制を想像している。このようなイスラエル・パレスチナ共存のビジョンは、最も重要で、同様に議論を呼ぶ相違点に対処しない限り、永続的な解決はあり得ないことは周知の事実である。

主権国家間には物理的な国境が依然として不可欠である。しかし同時に、市民の幸福を確保するためには、ゼロサムゲーム的なアプローチではなく、開かれた国境を維持し、安全性を損なうことなく関係者全員に利益をもたらすアプローチへと移行することが必要であるという認識が示されている。

連合体としての取り決めは、2つの国家が平和に暮らしながら、両国の国家と国民の幸福にとって重要なさまざまな問題について緊密な関係を築くための恒久的な状態の確保、あるいはその促進剤になるかもしれない。

エルサレムを物理的に分割することなく、イスラエルとパレスチナの首都とする包括的な枠組みを作ることで、双方はエルサレムで国家の望みを実現することができる。さらに、移動と雇用の面で住民に制約を与えることはなく、安全と繁栄を促進するシナリオとなるであろう。

同様に、ヨルダン川西岸地区からのユダヤ人入植者の立ち退きという難問も、連合体であれば合意された数のパレスチナ難民がイスラエルに居住することが可能になり、実質的に解決することができるだろう。

ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植者と、イスラエルに住むパレスチナ難民が、それぞれパレスチナとイスラエルに居住し、自国の市民権を持つことになったとしても、イスラエルのユダヤ人は人口バランスの変化に疑念を抱くかもしれない。一方、パレスチナ人は、入植者コミュニティの中の過激派がこのような合意を台無しにし、暴力的にパレスチナ国家を故意に弱体化させるのではないかと懸念しているであろう。

両国民の間に存在する深い不信感を考慮すれば、連合体による解決は、現実的な要素と同様、紛争の心理に対処し、多くの説得を必要とするだろう。しかしこれは、エルサレム、難民、国境、安全保障、入植地など、イスラエル・パレスチナ紛争の最も困難な局面を解決する上で、いかに創造的、合理的、有益な方法を挙げたとしても同様に、必要なことである。

とはいえ、現在の対立を考えれば、この選択肢を検討しないのは完全に不合理である。これは、この国に蔓延する敵意を終わらせるだけでなく、人と物の自由な移動による経済的利益を享受し、パレスチナ人が、一人当たりの国内総生産が5万ドルに達した国の隣に住むという利益を得られるようにするための可能性でもあるのだ。

イスラエル・パレスチナ連邦は、両民族の関係に影響を及ぼしているすべての病を解決する「銀の弾丸」ではないかもしれない。しかし、この紛争でよく使われる本物の弾丸よりは間違いなく、ましであろう。

その可能性を見いだせる者にとっての課題がある。それが一国解決への道でもなければ、少なくともどちらかが将来の連邦を放棄することにつながる、対立する二つの政権間の不安定な二国間解決でもないことを、多くの人々に納得させることである。

この提案は、細かい点への配慮と、相互不信を克服する困難な作業が必要だろう。ただ、おそらく現時点ではテーブル上にある最も有望な選択肢であり、広く検討され、議論されるに値するものであろう。

ヨシ・メケルバーグ氏はリージェンツ大学ロンドンで国際関係学の教授を務め、国際関係学・社会科学課程を率いる傍、チャタムハウスの中東・北アフリカプログラムでアソシエイトフェローを務めている。ツイッター: @YMekelberg

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