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世界はイスラエルに対し、核兵器を廃棄させるべきである

イスラエル・ディモナ近郊のシモン・ペレス・ネゲブ核研究センター(2021年2月22日撮影)。(AP Photo)
イスラエル・ディモナ近郊のシモン・ペレス・ネゲブ核研究センター(2021年2月22日撮影)。(AP Photo)
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30 Nov 2022 01:11:03 GMT9
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西側諸国は、ロシアがウクライナとの紛争を核戦争に発展させる可能性があるという説を唱えているが、これらの政府の多くは、イスラエルの核兵器能力には目をつぶり続けている。幸いなことに、世界の多くの国々は、そのような欧米流の偽善に同意していない。

「核兵器や大量破壊兵器のない中東地域の確立に関する国連会議」が、11月14日から18日にかけて開催された。その唯一の目的は、説明責任の新しい基準を作ることにあった。本来であれば、そうした説明責任は常に、中東のすべての国に等しく適用されるべきものだ。

中東における核兵器をめぐる議論は今、これ以上ないほどに妥当かつ緊急なものとなっている。ロシア・ウクライナ紛争後、世界中で核兵器への追求が加速しそうだとする国際的な指摘は正しい。中東での紛争が絶えないことを考えれば、この地域でも核兵器の獲得合戦が起こる可能性は高い。

アラブ諸国や他の国々は長年にわたり、核兵器の開発・取得に関する説明責任は、イスラエルや欧米諸国の敵とみなされる国家に限定されるべきではないと問題提起してきた。

その最も新しい取り組みが、イスラエルに核兵器を廃棄し、その核施設を国際原子力機関(IAEA)の監視下に置くよう求める国連決議である。この決議はエジプトが起草し、他のアラブ諸国の支持を得て、152対5の賛成多数で可決された。反対票を投じた5ヵ国の中には、米国、カナダ、そして当然ながらイスラエル自身も含まれていた。

米国やカナダがイスラエル政府を盲目的に支持しているにもかかわらず、米国政府やカナダ政府が「中東における核拡散のリスク」と題する草案に反対票を投じざるを得ない理由は何だろうか。米国は、長年にわたってイスラエルを支配してきた歴代の右派過激派政権を念頭に置きつつ、自らの同盟国が「存亡の危機」を回避するためと称して、核兵器を使用する可能性が現実としてあることを理解する必要がある。

イスラエルは建国以来、数え切れないほど「存亡の危機」という言葉を使い、利用してきた。さまざまなアラブ諸国の政府、後にはイラン、さらには個々のパレスチナの抵抗運動までが、イスラエルの存在そのものを危険にさらしていると非難されてきた。2015年には、パレスチナ市民社会主導の非暴力の「ボイコット、投資撤収、制裁」運動でさえ、当時のベンヤミン・ネタニヤフ首相により、イスラエルの存亡に関わる脅威だと非難された。ネタニヤフ氏は、そうしたボイコット運動は 「我々の行動とは関係なく、我々の存在そのものに関わる運動だ」と主張したのだ。

こうしたイスラエルの考え方に対しては、中東だけでなく、世界中の誰もが懸念している。想像上の存亡の危機にこれほど過敏になっている国が、地域全体を数回にわたって破壊しうるような兵器を保有することは、許されるべきではない。

イスラエルの核武装は、アラブ社会との歴史的対立からくる現実的な恐怖と本質的に結びついている、と言う人もいるかもしれない。しかし、それは事実と違う。イスラエルがパレスチナ人をその歴史的故郷から一掃し、民族浄化を完了するとすぐに、そしてそれに対してアラブ人やパレスチナ人が真剣な抵抗を行うずっと以前から、イスラエルは既に核兵器を探し求めていたのである。

早くも1949年には、イスラエル軍がネゲブ砂漠でウラン鉱脈を発見し、1952年には極秘裏にイスラエル原子力委員会が設立されるに至った。1955年、米国政府はイスラエルに研究用の原子炉を売却した。しかし、それだけでは不十分だった。核保有国としての地位の確立を急ぐイスラエル政府は、1957年、フランスを頼った。フランス政府は、ネゲブのディモナ近郊に秘密裏に原子炉を建設するイスラエル政府を支援し、イスラエルの邪悪な核活動の主要なパートナーとなったのである。

当時のイスラエルにおける核開発の父といえば、シモン・ペレス氏にほかならない。彼は皮肉にも、1994年にノーベル平和賞を受賞している。ディモナ原子炉は現在、シモン・ペレス・ネゲブ核研究センターと呼ばれている。

国際的な監視が全くなく、したがって法的責任も負わないまま、イスラエルの核開発は今日まで続いている。1963年、イスラエルはアルゼンチンから100トンのウラン鉱石を購入した。リチャード・セール氏が執筆した2002年のUPI通信社の記事によると、1973年10月のイスラエル・アラブ戦争では、イスラエルは「核による先制攻撃に近づいた」とされる。

元米軍将校のエドウィン・S・コクラン氏によると、イスラエルは、「60~300発の核兵器を製造するのに十分な核分裂物質」を保有していると考えられている。

イスラエルが大量破壊兵器を保有する事実については、さまざまな推測が出ているにしても、ほとんど異論を挟む余地はない。イスラエルは、自らいわゆる「意図的に曖昧な態度」をとり、国際的な査察に対して説明責任を負うようなことは一切せずに、その殺傷能力を敵にメッセージとして送っているのだ。

イスラエルの核兵器について私たちが知ることができたのは、同国の元核兵器開発技術者であるモルデハイ・バヌヌ氏の勇気のおかげでもある。内部告発者である彼は、国家の最も暗い秘密を暴露するという勇気によって、10年間も独房に監禁されていた。

イスラエルは、191ヵ国が賛同する核兵器不拡散条約への署名を拒み続けている。

イスラエルの指導者たちは、1982年にレバノン侵攻を命じ、数千人の犠牲者を出した右派のイスラエル元首相、メナヘム・ベギン氏にちなんだ「ベギン・ドクトリン」と呼ばれる基本方針を固守している。この方針は、イスラエルが自らに核兵器を保有する権利を与える一方で、中東の敵には同じことをさせてはならない、という考えに基づいて策定されている。これは今日に至るまで、イスラエルの行動を方向づけている。

中東における核兵器に関する議論は今、これ以上ないほどに妥当かつ緊急なものとなっている。

ラムジー・バロード

米国によるイスラエル支援は、伝統的な兵器の面でイスラエルが近隣諸国に対して「軍事的優位」を確保することにとどまらず、大量破壊兵器の開発に関する国際的説明責任から逃れる必要が伴うとしても、イスラエルがこの地域の唯一の超大国であり続けることを保証するためのものでもある。

アラブ諸国やその他の国々が国連総会において、核兵器のない中東を目指して努力していることは歓迎すべきだ。米国政府関係者を含むすべての人が、世界の他の国々と一緒になって、イスラエルに対し、最終的に核兵器不拡散条約への加盟を強いる必要がある。それは、長い間遅れている説明責任に向けた最初の重要なステップとなるだろう。

  • ラムジー・バロード氏は20年以上にわたり、中東について執筆。世界に向けて寄稿するコラムニストであり、メディア・コンサルタント、書籍数冊の著者、PalestineChronicle.comの創設者でもある。ツイッター:@RamzyBaroud

 

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