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障害物はあっても、女性は地球の未来だ

2022年11月19日、イランでの女性の扱いについて、国連に対策を求めるデモ参加者たち。(AFPファイル)
2022年11月19日、イランでの女性の扱いについて、国連に対策を求めるデモ参加者たち。(AFPファイル)
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11 Jan 2023 05:01:37 GMT9
11 Jan 2023 05:01:37 GMT9

バリア・アラムディン

イラン、アフガニスタン、レバノン、イラクのような国の神権主義者がこの歴史の矢を逆行                                                                                      させるために最大限の努力をしているにもかかわらず、女性はより大きな権利、尊敬、機会を確保するために世界的に大きな前進を遂げた。

女性にとって二重の痛手となるが、タリバンは、先の中等教育への就学禁止に加え、大学教育やNGOでの活動からも女性を排除している。

女性の生活機会にとって致命的な後退であると同時に、多くの一家の稼ぎ手、つまり経済的に活動すべき人口の半分が排除されることは、すでに経済的に落ち込んでいるこの国にとって破滅的な事態である。

すでに約150の人道支援機関が、労働力のかなりの割合を失い、業務を停止している。

大勢のスタッフを監督する上級職から一転して、自宅に閉じ込められ、頭からつま先まで覆うことを強いられ、男性保護者の気まぐれに振り回されて生き残ることになった専門職を持つ女性たちが受けた人間性を奪われるような精神的ショックは、誇張しようもない。

なんの価値もない人間といったように、将来の希望はたちどころに消える。女性たちは、まるで魂が引き裂かれたようだと言う。

イスラム教は女性に教養と尊敬を求めるが、アフガニスタンとイランの逆行的な神政主義者は女性を憎み、公的領域から排除しようとする。

イランでは、女性市民と男性市民の両方を抑圧しようとする政権に対する女性主導の抗議行動が、何カ月も続いている。

無実の罪で処刑された哀れな男たちには、それぞれ母親や姉妹、妻がおり、彼らは今、究極の苦しみを味わっている。

医療ケアの欠如や非人道的な状況に抗議して、ハンガーストライキに入った女性拘留者もいる。世界で投獄されている女性ジャーナリストの4分の1はイランの刑務所に収容されている。

レバノンでも女性受刑者の状況は危機的なレベルに達しており、拘留中の母親は粉ミルクや医薬品を手に入れることができない。

また、収容されている人々のうち80%近くが公判前勾留されており、裁判を受けることすらできない割合が高い。全国の刑務所の収容率は323%と、維持が不可能な状態となっている。

すでに数千の家族がレバノンを脱出し、専門家は、子供を持つことが経済的に不可能になったため、女性が「選択的不妊」を選択し、出生率が崩壊すると警告している。

2017年から2021年の間に、出生数は約25%減少した。レバノン・ポンドの価値の暴落により、合併症がないと仮定した場合、赤ちゃんの出産費用は平均800ドルを超える。

そして、若年所帯は、おむつ、ミルク、薬、ワクチン(もしあれば)の費用を負担しなければならない。

国民の80%以上が深刻な貧困に陥っているにもかかわらず、政府から何らかの援助を受けているレバノンの世帯は5%未満である。

約8割が2019年以降に職を失った家族を抱えている。企業がやむなく規模を縮小するときには、通常、女性が真っ先に人員削減された。

一方、ヒズボラ、イエメンのフーシ、イラクのアル・ハッシュド・アル・シャービなどの組織は、これらの国々を機能不全のイスラム共和国そっくりにしようと、この地域の活気ある文化遺産に内在する女性の役割を精力的に否定しようとしてきた。

女性活動家やジャーナリストは、女性が社会で果たすべき役割から彼女たちを排除しようとするマフィアに脅かされ、殺害されている。

アフリカ全域で、ダーイシュとアルカイダは支配下にある地域の女性を残酷に抑圧し、多くの伝統的なアフリカ社会で習慣的に果たしてきた母権性の強固な役割と衝突している。

ウクライナでは、紛争のそれぞれの側で推定10万人の死傷者が出ており、無数の家庭に想像を絶する苦しみを与えている。

ウクライナの男性は凍えるような最前線に配属され、妻や子どもたちはヨーロッパ中に散らばり、不安定な未来に直面している。

しかし、他の地域では、女性にとって非常にエキサイティングな機会が広がっている。サウジアラビアでは、女性の職場進出が5年間で17%から34%に倍増した。

先週、サウジアラビアは先導者となった駐米大使、リーム・ビント・バンダル王女に続き、4番目と5番目の女性大使を任命した。

この1年でサウジアラビアの女子サッカー代表チームが設立され、先週にはサウジアラビア初の女性国際審判員に、アノウド・アル・アスマリ氏がFIFAから任命された。

私たち女性が享受する自由と権利は、貴重で脆弱なものであり、決して当然のものと考えてはいけない。特に、ヒズボラ、ダーイシュ、アヤトラ、タリバンが時間を戻そうと懸命に働いているときには。

バリア・アラムディン

私は最近バーレーンに滞在したが、そこでは女性のために開かれた機会について、抑えがたいほどの楽観的な風潮が見られた。この地域の大学の多くの学部は女子が圧倒的に多く、主要な科目で優秀な成績を収めている。

新世代の女性のロールモデルが、女性がどのようにリードし、最高の基準を打ち立てることができるかを示している。

その意味では、私の友人である弁護士で学者のランギータ・デ・シルバ・デ・アルウィス教授が、6月に国連の女性差別撤廃委員会の委員に選出されたことを、私は大変誇りに感じている。

私たちが戦わなければならない最大の戦いは、受動性と無関心に対してだ。私がベイルート・アメリカン大学に在籍していた頃、あれやこれやの世界的な大義のために動員されない月はほとんどなかった。

私たちは世間知らずで、自分たちが望むような影響力を持つことはできなかったかもしれないが、情熱と、世界を変えようとする自分たちの義務に対する信念は持っていた。

そのような志を持つ人は、最近では少なくなっている。イスラエルの極右指導者たちは、パレスチナの領土を隅々まで食い尽くそうという野望を口にせずにはいられないが、アラブ世界はどこにいるのか。

民主的な西側諸国はどこにいるのか。パレスチナ人自身はどこにいるのだろうか。

イランの女性たちは、そのヒジャブを燃やし、並外れた勇気を示した。

しかし、世界は、その動きを追う意欲を奮い起こすことがほとんどできず、ましてや、行動を起こしたり、圧政からの自由に対する私たちの団結と共通の取り組みを支持したりすることなどできない。

私たち女性が世界の恵まれた地域ですでに享受している自由は、私たちに手放しで与えられたものでない。

歴史的な女性活動家は、投票権、労働権、政府への参加権、そして男性と対等、時には上位の人としての正当な地位を獲得するために、投獄されることや不名誉、死といった危険まで冒してきた。自信は、女性が両手で絶好の機会をつかむための重要な要素だ。

 

私たち女性が享受している自由と権利は、貴重で脆弱なものであり、決して当然のものと考えてはいけない。

特に、ヒズボラ、ダーイシュ、アヤトラ、タリバンが時間を逆戻りさせようと懸命に働いているときには、なおさらだ。

私たち自身の特権と機会を守るための最も確実な方法は、世界中の姉妹たちが同じように恵まれた生活を送れるよう、全力を尽くすことだ。なぜなら、地球上のどの社会も、女性が十分に役割を果たすことができなければ、繁栄することはできないからだ。

– バリア・アラムディン氏は、中東と英国で受賞歴のあるジャーナリストであり、キャスターでもある。メディア・サービス・シンジケートの編集者であり、数多くの国家元首にインタビューしている。

 

 

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