Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • instagram
  • Home
  • OPECプラスの会合で閣僚に盛りだくさんの議題

OPECプラスの会合で閣僚に盛りだくさんの議題

ロシアのアレクサンドル・ノバク・エネルギー相。(AP写真)
ロシアのアレクサンドル・ノバク・エネルギー相。(AP写真)

今週は石油市場にとって重要な一週間となる。木曜日と金曜日には、OPECとその協力国10か国 (一般的にOPECプラスと呼ばれる) が、ウィーンで会合を行い、6月初めに合意した日量120万バレルの減産を延長あるいは追加するか否かの審議を行うことになっている。減産の理由は、需要減退と原油在庫量の増加、さらに晩春から初夏にかけての非OPEC産油国からの供給増加であった。

先週、ブレント原油は1バレル62ドルから63.5ドルという好ましい範囲で取引された。この強気ムードは、米国が中国との貿易協議で「第一段階」の合意に達するという市場の期待と相関するものであった。金曜日にブレント原油は1バレル60.5ドルまで下落した。それは、ドナルド・トランプ米大統領が、さらなる民主化を求める香港デモ参加者の取り組みを支持する新しい法律の制定に署名を行ったことに対する反応であった。その法律には、制裁措置の可能性と香港政府に対する特定武器の禁輸が含まれていた。これは中国指導者の怒りを買ったが、感謝祭の休暇であったことから、株式市場のセンチメントには影響を与えなかった。

ロシアのアレクサンドル・ノバク・エネルギー相はそのコメントで、現時点で減産を延長する必要性を必ずしも感じていないと発言し、原油価格は60.5ドルまで下がった。ノバク大臣は先月初めにロシア財務相が出した声明をそのまま繰り返した。多くの場合と同様に、トレーダーが主導権を握るのではなく、おそらく感謝祭の休暇とアルゴリズムによって商いが薄かったことから、市場は思った通りに反応しなかった。月曜日の朝までには、ブレント原油は61.5ドルまで回復した。

OPECプラスの会合は重要ではあるが、現在の減産は3月末まで続くため猶予期間がある。OPECの大国サウジアラビアに対する質問は、減産における一番大きな負担をどれだけ長く負うつもりでいるかということである。減産によって、すべての産油国が価格維持の恩恵を受けたが、サウジアラビアはOPECプラスの意図が真剣であることを市場に知らしめるために、その合意では必要以上に生産を制限した。サウジ王国はクウェートやアンゴラに支持された一方で、ロシアとイラクは約束よりも大幅に少ない減産となった。

OPECの大国サウジアラビアに対する質問は、減産における一番大きな負担をどれだけ長く負うつもりでいるかということである。

コーネリア・マイヤー著

閣僚たちが自問しなければならない質問は、非OPEC原油が来年どの程度市場に出回り、予想より少ない需要増にどう影響するかということである。この秋、国際エネルギー機関はその数字を日量220万バレルとした。米国のシェール生産がどれほど増産になるか不明である。ブラジル、ノルウェー、ガイアナも市場により多くの原油を流通させる構えである。

世界経済の減速は、一部の石油精製品の精製マージン低下につながっている。閣僚たちは、それによって精製所の操業数がより少なくなるのか、さらに原油の需要にどのような影響があるのかを見定めなければならない。

OPECプラスの加盟国が少なくとも一定の貢献をしない限り、サウジアラビアは不釣り合いな負担を引き受け続けることを望まないということであれば、それは理解できる。

さらに木曜日は、サウジアラムコの株式公開の最終価格決定日である。銀行家や投資家は、価格と出来高両方の予想に基づいて、アラムコの収益力に注目する。そうは言っても、サウジアラムコは世界で最も収益性の高い企業であり、最もコストの低い石油生産者である。価値を求めるあらゆる投資家が、誇らしげにその株を購入するはずである。

一方、国連気候変動枠組み条約の締約国年次会議 (COP25) が今週マドリードで開催される。気候変動に関するアジェンダは、若者や世界各国の指導者たちがより大規模かつ迅速なアクションを求め、その勢いが増している。欧州議会は気候非常事態を宣言し、欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド新総裁は気候変動への取り組みを最優先事項とし、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン新委員長もまた然りである。イングランド銀行のマーク・カーニー総裁は、気候変動と気候ファイナンスの国連特使になる予定となっている。

これらの会合が石油の需要に即座に影響することはないものの、そこでの決議や結果として生じる政策が、長い目で見たときに影響してくる可能性がある。炭素系エネルギー源に関しては、投資家や欧州投資銀行、欧州復興開発銀行、世界銀行といった最終手段としての貸し手の間で、懐疑的な考えが高まっている。

OPECプラスの閣僚にとって、世界経済の状況から石油の需給状況やCOP25まで、議題は盛りだくさんである。

コーネリア・マイヤーはビジネスコンサルタント兼マクロ経済学者で、エネルギーの専門家である。ツイッター:@MeyerResources

topics
Most Popular
Recommended

return to top