Mohammed Al-Kinani

ジッダ：サウジアラビアの人々は、サージカル・マスクの着用がコロナウイルスの感染拡大を防ぐことは証明されていないと専門家が言っているにもかかわらず、「筋が通らないのに」薬局の棚を空にしている。

「マスクの使用に関して、保健省が発表していることと矛盾しているにもかかわらず、多くの人が、筋が通らないのにマスクを買うために薬局に押し寄せているのは事実です」と東ジッダ総合病院の感染症コンサルタント、Bandar Al-Amri博士はアラブニュースに語った。

「マスクは、隔離された患者や自宅隔離された患者、彼らを看護する人たちに対して病院内の医療従事者が医療を提供する時のためのものです。マスクの着け方、外し方、供給の仕方に関する医学的な注意事項が適切に守られていない場合には、マスクによって感染症が移ることもあります」とAl-Amri氏は述べた。

彼によると、医療用手袋についても同様で、公共の場で着用することでウイルスなどの微生物の感染を防げるという科学的根拠はないという。

新型コロナウイルスに関する当局の指示に従うこと、ウイルスが完全に制圧されるまで私たち全員を守ることをアラブニュースを通して全ての人にアドバイスしたいと思います。

Bandar Al-Amri博士

「マスクと同じく、医療用手袋は汚染にさらされることによって危険な細菌の拡散源となり、鼻や口、目に触れると細菌を直接使用者に移すことがあります。正しい着用方法や安全に適切に廃棄する場所を知らない人も多いです」と彼は述べた。

Al-Amri氏は、サウジアラビア保健省をはじめとする公式チャンネルを通して発表された指示や命令を厳守するよう全ての人々に促した。

「新型コロナウイルスに関する当局の指示に従うこと、ウイルスが完全に制圧されるまで私たち全員を守ることをアラブニュースを通して全ての人にアドバイスしたいと思います」と彼は述べた。

買い占めによる悪影響が既に出ており、マスクや消毒剤といった商品が手に入りにくくなっている。

サウジアラビアの大手薬局チェーン、Nahdi Medical Co.は、「マスクとアルコール・ベースの消毒剤に対する需要が高く、増加しているため、業者による供給が地方レベルでも世界レベルでも難しくなっています。入荷次第、店舗にてご提供できるよう努めています」とツイートした。

薬剤師のAhmed Mohammedさんは、ウイルスがもたらす恐怖により、人々は自分を守りたくてマスクを買うようになった、とアラブニュースに語った。

「人々はこの深刻な状況を初めて経験しています。彼らはコロナウイルスを恐れていて、そのためにできるだけ多くのマスクを買おうと薬局に押し寄せています」と彼は述べた。

人々はこの深刻な状況を初めて経験しています。彼らはコロナウイルスを恐れていて、そのためにできるだけ多くのマスクを買おうと薬局に押し寄せています。

薬剤師

保健の専門家はウイルスの感染拡大防止にマスクは必要ないことを国民に保証しており、パニック状態は正当化されない、とMohammedさんはアラブニュースに語った。

「ご覧のように、私は毎日何百人もの様々な健康状態の人と（薬局で）接しているのにもかかわらず、顔にマスクをしていません。大事なのは、他の人と1メートル以上距離を保ち、石けんと水で常に手を洗うことです。私は握手のような物理的接触も避けています」とMohammed氏は述べた。

彼は、世界保健機関（WHO）とサウジアラビア保健省の勧告に基づき、マスクを着用すべきなのは、せきなどの病気が症状がある人と、呼吸困難の人を看護している人の2種類だけだと指摘した。

「薬剤師として、私は客に何のためにマスクが欲しいのか尋ねません。皆それぞれ理由があるからです。しかし、コロナウイルスの大流行が続いていますが、多くの人がマスクについていまだに誤解していることは明らかです。マスクの他に消毒剤も求められますが、これは良いことです。これらの手指消毒剤は、ウイルスから身を守るために重要だからです」と彼は述べた。

しかし、学校教師のMansour Al-Shamraniさんは、混雑した場所にいるときに子供たちを守るためにマスクが欲しい、とアラブニュースに話した。

「このような製品が常に家にあります。最近は値段が高いですが、子供たちのためにどうしてもマスクが欲しいです」と彼は述べた。

「これまでに3件の薬局でマスクを探しました。全ての店でマスクはないと言われました」と彼は付け加えた。

WHOによると、COVID-19が新型コロナウイルス感染者から検出される。この病気は、鼻や口から出たわずかな飛沫を介して人から人へと広がり、COVID-19を持つ人がせきをしたり息を吐いたりするときに広がる。

これらの飛沫は保有者の近くにある物体や表面に付着し、他の人がその物体や表面に触れた後、目や鼻、口に触れることでコロナウイルスに感染する。また、コロナウイルス感染者が近くでせきをしたり飛沫を吐き出したりして、その飛沫を吸い込むと、コロナウイルスに感染することがある。

そのため、ウイルスの感染拡大を防ぐには、「社会距離戦略」、つまり病気の人から1メートル以上離れることが極めて重要だ。

WHOの感染予防・管理コンサルタント、クリスティーン・フランシス氏によると、健康な人が、コロナウイルス感染が疑われる人の看病をしている場合にのみ、マスクを着用する必要がある。

「WHOは特定の場合にのみマスクの使用を推奨しています。せきと熱が出て、呼吸困難を起こしている場合は、マスクをして医師の診察を受けてください。このような症状がなければ、病気に掛かっていない人を守れるという証拠がないため、マスクを着用する必要はありません」とフランシス氏は述べた。

WHOは、COVID-19の感染や感染拡大の危険性を減らすためにできる予防策をホームページに掲載している。リストには、コロナウイルス感染予防策としてマスクは含まれていない。