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裁判所がエルサレムに居住するパレスチナの人に対するイスラエル市民権の条件を明らかにするように当局に命令

エルサレムに住む33万人の無国籍パレスチナ人の大多数は、イスラエル人になることを望んでもいなければ、市民権の申請もしていない。ロイター/写真
エルサレムに住む33万人の無国籍パレスチナ人の大多数は、イスラエル人になることを望んでもいなければ、市民権の申請もしていない。ロイター/写真
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27 Nov 2020 01:11:19 GMT9
27 Nov 2020 01:11:19 GMT9
  • イスラエルの市民権がなければ、東エルサレム地区の住民はイスラエルのパスポートを取得することも、国政選挙で投票することも、政府の仕事に就くこともできない。
  • エルサレムに住む33万人の無国籍パレスチナ人の大多数が市民権を申請していない

ダウド・クタブ

アンマン:イスラエル裁判所は、エルサレムに居住するパレスチナ人の若者がイスラエル市民となるのに必要な要件を明らかにするよう、政府当局に命じた。

この裁判所命令により、東エルサレム地区に居住する18歳から21歳までの約2万人のパレスチナ人が、イスラエル市民権を申請する際の条件を知ることとなるが、これにより自動的にイスラエル市民として認められるわけではない。

エルサレムに住む33万人の無国籍パレスチナ人の大多数は、イスラエル人になることを望んでもいなければ、市民権の申請もしていない。しかし今回の裁判所の決定は、将来的にイスラエルのパスポートを保有し、自身の法的地位に関してイスラエル政府の保護を受けることに関心がある人のため申請手続きを容易にするものである。

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エルサレムの弁護士で30年以上にわたり市民権と人権法の分野で経験のあるモハメッド・ダーダル氏は、イスラエル市民権がなければ東エルサレムの住民はイスラエルのパスポートを取得したり、国政選挙で投票したり、政府の仕事に就いたりすることができない、と指摘した。

しかし、彼らはイスラエルに税金を納め、国民保険や失業給付、医療保険などの社会保障を受けていた。

ダーダル氏はアラブニュースに対し、ヨルダンが東エルサレム地区を含むヨルダン川西岸から離脱した1988年以降、エルサレムに住むパレスチナの人々は無国籍市民となったと語った。ダーダル氏は、エルサレム出身のパレスチナ人が法の抜け穴を明らかにし、裁判所に訴えた後、今回の判決が出たと述べた。

また、ダーダル氏は、イスラエル内務省が発表した今回の裁判所命令は、イスラエルのパスポートを確実に取得するための4つの条件を明らかにした。「条件は、申請者が他に市民権を持っていないこと、イスラエルで生まれたこと(イスラエルの場合、東エルサレムと西エルサレムは共にイスラエルの一部)、申請者が18歳から21歳であること、市民権を申請する以前に5年間イスラエルに継続して住んでいたこと、です。」

ダーダル氏は、イスラエル政府は市民権の条件を隠しておくために法廷で戦ってきたと付け加えた。

水曜日にヨルダンの上院議員に任命された元ヨルダン議員のアウデ・カワス氏がアラブニュースにこのように語った。「エルサレムに居住するパレスチナ人の無国籍問題を解決することが目的ならば、私は賛成ですし、世界教会協議会でも(委員として)話したことがあります。」

「しかし これがパレスチナ人の権利を奪うことを目的としており、エルサレムをよりイスラエル化するものであるならば 私は完全に反対です。」

エルサレムのコミュニティ活動家ハゼム・カワスミ氏はアラブニュースに対し、エルサレムに居住するパレスチナ人の若者の多くは、政府や機関が彼らや彼らのニーズに配慮していないため、絶望的な状況に陥っていると語った。

カワスミ氏はこのように述べた。「彼らは占領下で警察やイスラエルの諜報機関から毎日のように嫌がらせを受けながら生活しており、様々な人種差別や敵意に直面しています。」

「イスラエルの市民権は彼らがより高度な職業に就くのに役立ち、多くの職に就くための前提条件となっています。これにより、ビザを取得する面倒で複雑な手続きをせずに、欧米へ観光や仕事のために旅行することができます。」

「そしてイスラエル市民権を得ることにより、若者はエルサレムでの居住権を失うことやイスラエルでの移動や仕事を失う心配をせず安心して暮らせるようになります」と彼は付け加えた。

エルサレム・ワクフのメンバーでエルサレム問題を追ってきたカリル・アッサリ氏は、イスラエルがイスラエルの市民権を付与する手続きを加速させることに疑問を感じているとアラブニュースに語った。「イスラエルは新たに設立されたアラブの友人たちに自分達が民主的な行動をしていることを示すためにこのような動きをしています。」

エルサレム商人委員会の代表を務めるヒジャジ・リシェック氏は、アラブニュースに対し、イスラエルはエルサレムをユダヤ人の街にする方法を模索していると語った。18歳から21歳までの若者に市民権を与えることで、彼らがイスラエルに対して敵対的行為を行うことを抑止し、パレスチナ国家機関やその治安部隊から彼らを遠ざけることを狙っていた、と同氏は述べた。

エルサレムを拠点に活動する人権活動家のリファート・カシス氏は、次のように述べた。「エルサレムはアラブであるという考えは、空虚なスローガンになってしまいました。一方、イスラエルの人種差別は、家族とともに尊厳ある生活を送ろうとするエルサレムに居住する人々に対し困難な状況下での生活を強いる決定的な力となっています。」

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