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米国はイランに誤ったシグナルを送っている

フーシ派は「米国に死を」を公式スローガンとし、オバマ時代には米海軍を標的としていたのに、実際にはバイデン政権によってテロリスト指定を解除されている。(AFP)
フーシ派は「米国に死を」を公式スローガンとし、オバマ時代には米海軍を標的としていたのに、実際にはバイデン政権によってテロリスト指定を解除されている。(AFP)
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16 Sep 2021 02:09:52 GMT9
ファイサル・アッバス
16 Sep 2021 02:09:52 GMT9

バイデン政権の発足以来、いくつかの外交政策上の決定がなされたが、誤った助言に基づくものや、タイミングが悪いもの、その両方であるものもあった。私としては、あり得ないと思っていた質問をせざるを得ない―米国の外交アドバイザーは、中東地域における本当の友好国はどこなのか分かっているのだろうか?

米国の同盟国やパートナーは皆、困惑している。更に危険なことに、地域の安定を脅かす米国にとっての敵国が強化され、敵対意思を強めている。

最近の一例として、米国は戦略的パートナーであるサウジアラビアから最新鋭のミサイル防衛システム「パトリオット」を撤収した。ワシントンの政策決定者が認識しているかは分からないが、イエメンのフーシ派テロリストは定期的かつ意図的にサウジアラビア内の民間目標を攻撃している中のこの決定は、米国がイスラエルがハマスから攻撃を受けている時に「アイアンドーム」技術を使用してはいけないと言うのと同等だ。

この比較だけでは、米国の立場の不可解さは説明しきれない。フーシ派は「米国に死を」を公式スローガンとし、オバマ時代には米海軍を標的としていたのに、実際にはバイデン政権によってテロリスト指定を解除されている。

もちろん、サウジアラビアは自国を防衛する能力が十分にあり、その権利もある。同国は、イランが製造または供給したフーシ派のミサイルや無人機から、罪のない人々を守ることに大方成功している。フーシ派は、こうした武器を使って、サウジアラビアの石油施設や民間空港、諸都市を躊躇せずに攻撃している。

ファイサル・J・アッバス

フーシ派はこれまで、サウジアラビアに対してミサイルや無人機による攻撃を何百回もの行ってきた。特に、フーシ派が米国のテロリスト指定解除より以後、今年に入ってから、その頻度が高まっている。米国の外交官や高官は、全ての攻撃を非難し、フーシ派にはイエメン紛争を政治的に解決する意思がないように思われると公式に認めている。

戦略的パートナーが攻撃を受けている最中に、パトリオットシステムを撤去するのは理解しがたい決定だ。しかし、それ以上に懸念されるのは、フーシ派とその背後にいるイランに対して誤った外交的メッセージが送られることである。サウジアラビアと米国は、フーシ派とその背後にいるイランを平和的交渉のテーブルにつかせたいはずなのだが、イランと新たな核合意の締結することに必死になっているバイデン政権がその邪魔になっている。

こうした状況は、米国のアフガニスタン撤退という大失敗と、それに伴うあらゆる悪影響、特に長年のパートナーであったアフガニスタン政府を見捨てたというイメージを拡大させている。

米国のイメージや外交政策の一貫性にとって、好ましいものではない。

今回の米国の決定について、20年前の911同時多発テロ事件に関するFBIの調査結果の機密解除と関連があると考える人もいるが、それはないだろう。実際、米国軍関連設備の撤退と再配置の決定は、今年に入ってすぐ始まっている。911の報告書について、サウジアラビアは同国の長年の主張が証明されたとして、発表された内容を歓迎している。すなわち、911同時多発テロ事件は、同国政府の政策とは無関係の、個人による行為だったということだ。

これは単なるレトリックではない。サウジアラビアはずっと一環して、そして今後も、テロリズムとその信奉者と戦うことを公式政策としていることを評論家は忘れてはならない。同国は、オサマ・ビンラディンのサウジアラビア国籍を剥奪しただけでなく、アルカイダの危険性について、9月11日よりずっと前の時期から警告していた。

サウジアラビア自身が、アルカイダとその野蛮な攻撃に苦しめられてきたからだ。同国は、同組織への同調者を犯罪者として告発し、テロリストへの資金の流れを止めるためにあらゆる努力をしてきた。このような状況下で、公式政策として正反対の方針をとっているイラン政府に対して、米国が救いの手を差し伸べるなど、信じがたいことだ。現実として、イランはテロを支援・輸出することを政策としている。国務省から財務省に至るまで、米国政府内には、イランがシーア派過激派やスンニ派アルカイダのテロリストを匿い、資金を提供しているという十分な証拠が存在しているはずだ。

現在、イランは米国に対してどのような感情を抱いているだろうか?もし私がイランの政府関係者だったなら、こう思うに違いない。こんなに敵国が優しくしてくれるなら、友好国など必要ないのではないか?

  • ファイサル・J・アッバスは、アラブニュースの編集長。

ツイッター:@FaisalJAbbas

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