
リヤド:今年、祖父宅にて、サウジアラビアの建国記念日を祝う家族に混じって誇らしげに伝統衣装を身にまとい、緑の旗を持つアブドゥラー・アル・スライマンさん。
サウジアラビア社会、特にリヤドでは、家族の伝統が大切である。
「家族はサウジアラビア社会の中心となるもので、ほとんどの人の社会の基盤となっています。建国記念日には、私は大抵祖父の家で過ごすのですが、叔父や叔母たちは子どもたちを連れてやって来て、みんな緑と白の服を着ています」とアル・スライマンさんは言う。
伝統はこの文化に欠かせないもので、世代から世代へと受け継がれ、サウジアラビアの家族の日常生活に深く根付いている。
ムトラク・アル・ジャバさんは、家族を連れてリヤド周辺をドライブし、国旗を掲げたり踊ったりして人々が祝う様子を見ながらこの日を祝うのを好む。
「私の家族はみんなと一緒にお祝いするのが好きなので、お祝いを見るために家族を連れて市内をドライブして回ります。その後、プールやエンターテインメントコンソールのあるレクリエーションセンターのシャレーを借りて、家族みんなで集まって楽しみます」と彼は言う。
サウジアラビアでは、イスティラーハやシャレーと呼ばれる一時滞在用の場所を借りるのが一般的で、通常、プールや家族全員が集まることのできる広いリビングや、子どもたちが遊ぶことのできる広い庭がある。
また、サウジアラビアでは家族の伝統がとても重視されているため、自宅には通常、社交の場、重要な事柄について話し合う場、ゲストを迎える場として、マジュリスと呼ばれる部屋を備えている。
家族で集まって食事をすることも、リヤドでは極めて重要な伝統である。近い親戚も遠い親戚も、家族は毎日親族の最年長男性宅に集まる。
ヌーフ・アル・フメイディさんは馬小屋のある農場を借りるのが好きで、子どもたちに乗馬を教えたり、家畜に餌をやったりする。
「サウジアラビア人は馬と縁が深く、私の家では子供に小さい頃から馬の乗り方を教えましたので、子どもたちは大きくなると、スポーツとしての乗馬が選択肢に入るのです。また、子どもたちは家畜を見るととても喜び、ミルクの絞り方や卵の採り方など多くのことを学びます」
リヤドでは、イスラム暦で最も重要な宗教的祝日であるイード・アル・フィトルとイード・アル・アドハーを含めて、いくつかの家庭の伝統行事が一般的に行われる。これらの祝日には、家族が集まってお祝いをし、贈り物を交換し、伝統的な食べ物や飲み物を楽しむ。
ハノフ・アル・サラマさんは、祝日になるとケーキを焼き、家族全員を集めて建国記念日を祝うサウジの民族音楽を聴くのが好きだという。彼女は毎年サウジアラビアの歴史にまつわるクイズを準備し、優勝者にはプレゼントを用意している。
「建国記念日には家族全員を集めて、サウジアラビアの歴史をクイズにするんです。例えば、サウジアラビアが国境を接している国はどこかとか、国王の名前は何かとか。正解者にはプレゼントを贈り、最後にはケーキを食べてサウジアラビアの音楽に合わせて踊るんです」と彼女は言う。
家族の伝統はまた、文化的価値や遺産を受け継ぐ手段としても機能する。
多くの伝統が何世代にもわたって受け継がれ、過去とのつながりや継続性を感じさせてくれる。
「私たちは砂漠キャンプに集まって、男たちはトランプ(バルート)で遊び、女たちは子どもたちが走り回るのを眺めながら、座ってお茶やサウジコーヒーを飲むのが好きなんです」とアブドゥラー・アル・スライマンさん。
ラマダン月には家族で断食を解き、恵まれない人々を助ける慣習の一環として貧しい人々に食事を配る。このように、家族で集まって食事をすることはリヤドでは家族の絆を深め、伝統を維持する方法なのである。
伝統的な行事やスポーツに参加することも、リヤドでの家族生活には欠かせない。多くのサウジアラビア人は、とても人気のあるサッカーをはじめ、競馬や鷹狩りなど、伝統的かつ近代的な娯楽を大切にしている。
さらに、家族でヘナパーティーをしたり、慶弔時に親戚や友人を訪問したりといった伝統的な行事に参加することも多い。