Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

今年を振り返る: 2023年サウジはテクノロジー、観光、外交、エンターテインメントでどのような足跡を残したか

Short Url:
31 Dec 2023 10:12:39 GMT9
31 Dec 2023 10:12:39 GMT9
  • 2030年万博誘致と野心的なインフラプロジェクトが成功し、サウジアラビアは必訪の地に
  • サウジアラビアは、世界屈指の音楽・スポーツ界の有名人を招待し、LEAPテック会議、リヤド・ファッション・ウィークを開催

ラワン・ラドワンルーカス・チャップマン

ラワン・ラドワン&ルーカス・チャップマン

ジェッダ/アテネ:サウジアラビアは、目覚ましい経済成長と多様化の道を歩み続けながら、技術・文化・スポーツ・外交の各分野で主要なイベントを開催した2023年を、勝利の年として振り返るだろう。

過去12ヶ月間、サウジアラビア王国はスポーツスター、テクノロジー専門家、ファッショニスタ、音楽&映画のレジェンドたちを招待した。2030年万博の招致を確実にしたサウジアラビアには、新年を迎えるにあたり、多くの祝うべきことがある。

外交

世界の舞台でのサウジアラビアの自信の高まりを受けて、ムハンマド・ビン・サルマン・ビン・アブドル アジーズ・アール・サウード皇太子殿下は9月21日、アメリカの放送局FOXニュースで広範なインタビューに英語で応じ、その明晰な思考と大志に称賛の声が集まった。

FOXニュースの政治特派員ブレット・バイアー氏のインタビューを受けるサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン・ビン・アブドル アジーズ・アール・サウード皇太子殿下。(SPA)

FOXニュースの政治特派員ブレット・バイアー氏との対談では、イスラエルとの関係、イランの核開発計画、サウジアラビアで起きている多くの前向きな変化といったトピックが取り上げられた。

インタビューの1週間前、皇太子殿下はナレンドラ・モディ首相の招きでインドを公式訪問した。ニューデリーで開催されたG20サミットにサウジ代表団を率いて出席した皇太子殿下は、盛大な式典で歓迎された。

皇太子殿下は、エネルギー、農業、工業、石油化学などの分野におけるサウジアラビアとインド間におけるいくつかの共同協定の締結を監督し、世界で最も急速な経済成長を遂げている国のひとつとの関係を強固なものにした。

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下とインドのナレンドラ・モディ首相。(SPA)

7月、サウジアラビアは東南アジア友好協力条約(TAC)の51番目の加盟国となった。1976年に締結されたこの条約は、東南アジア諸国間の平和共存と友好協力という普遍原則を体現している。

インドネシアの首都ジャカルタで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)の閣僚会議において、サウジアラビア王国の外務大臣であるファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード王子が同条約に署名した。

10月にはリヤドで、湾岸協力会議加盟国とASEAN加盟国の首脳を招き、合同首脳会議を開催した。

2030年万博

11月、サウジアラビアが2030年万博の招致で勝利を収めた。博覧会国際事務局(BIE)の投票では、サウジアラビアは119票を獲得し、次点の韓国の29票、イタリアの17票を抑えて圧勝した。

パリに本部を置く博覧会国際事務局は、サウジアラビアの2030年万博開催招致を、韓国とイタリアを抑えて最高票獲得と宣言した。(SPA)

この待望のイベントは、サウジアラビアの首都リヤドで「変化の時代:共に先見性のある明日へ」をテーマに開催される。同万博は、テクノロジー、イノベーション、気候変動対策、世界的な不平等への対応に焦点を当て、ビジョン2030に沿ったアイデアで構成される。

リヤド・エキスポ2030のウェブサイトによると、広さ600万㎡以上の会場に4,000万人の直接来場者を迎えるほか、メタバースでは10億人の来場者を見込んでいる。

ビジネス&イノベーション

1月、サウジアラビアは、サスティナブルな都市生活を完全に再構築するまったく新しいスマートシティ「ザ・ライン」を発表し、テクノロジー分野における将来のリーダーとしての地位を確立した。

サウジアラビアの「ザ・ライン」は、車も道路も排気ガスもなく、100%の再生可能エネルギーと水耕栽培の庭園を利用する「スマートシティ」として構想されている。(SPA)

リヤドで開催された展示会では、サウジアラビア北西部でのNEOMプロジェクトの一環として現在建設中の「ザ・ライン」に取り入れられるデザインのいくつかが展示された。

幅200m、高さ500m、全長170kmの同都市は、900万人を収容する計画で、100%の再生可能エネルギーと水耕栽培の庭園を利用し、自動車、道路、排気ガスなしで機能する。

テクノロジー

サウジアラビア王国は2月、リヤドで4日間にわたって開催されたLEAP会議でテック界に旋風を巻き起こした。

同市の国際コンベンション&エキシビションセンターで開催された第2回LEAP年次会議には、初日だけで25万人以上が登録した。

リヤドで4日間にわたって開催されたLEAP会議には、初日だけで25万人以上が登録した。(SPA)

同会議で、サウジアラビアのアブドゥラー・アルスワハ情報相は、テック部門のスタートアップ企業や起業を支援するための90億ドル以上の投資を発表した。

3月、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下が同国第2のフラッグ・キャリアであるリヤド航空の設立を発表し、サウジアラビアはビジネス界で再び大きな躍進を遂げた。

リヤド航空が保有するボーイング787型機は、国内外の100以上の目的地に就航する予定だ。(SPA)

リヤド航空のボーイング787型機は国際航空運送協会(IATA)から航空会社コードを取得済みで、まもなく国内外の100以上の目的地に就航する予定だ。

皇太子殿下は2月、リヤドで計画中の広さ19㎢の開発である「ニュー・ムラバ」プロジェクトの開始も発表した。これには数十万戸の住宅、ホテル、小売スペース、レジャー資産、コミュニティ施設が含まれる。

アーティストによるニュー・ムラバのイメージ。(提供)

スポーツ

サウジアラビア王国は2023年、国際的に高い評価を得た様々なスポーツ・文化・音楽イベントを開催し、ポルトガルの大スター、クリスティアーノ・ロナウド選手がサウジアラビアのアル・ナスルFCに加入したことで、サッカー界は一変した。

サッカー界の世界的スーパースターで、アル・ナスルFC所属のクリスティアーノ・ロナウド選手。(SPA)

バロンドールを5度受賞しているロナウド選手が、サウジアラビア建国記念日に同国の伝統的な服装で登場するプロモーションビデオは、瞬く間に拡散した。

3月にはジェッダで2023年サウジアラビア・グランプリが開催され、世界のトップドライバーたちが6kmのサーキットに挑む様子を15万人の人々が観戦した。

この熱狂的なイベントの間、サウジアラビアのハーリド・アル・ファーレフ投資大臣は、スポーツ分野を支援するための14の協定締結を監督した。

続いて10月には、WBC王者タイソン・フューリー選手と元UFC王者フランシス・ガヌー選手のヘビー級ボクシングマッチ「バトル・オブ・ザ・バッデスト(Battle of the Baddest)」が開催された。リヤドのキングダム・アリーナで行われた同試合では、フューリー選手が10ラウンド後のスプリットデシジョンで判定勝利を収めた。

「バトル・オブ・ザ・バッデスト」でのWBC王者タイソン・フューリー選手と元UFC王者フランシス・ガヌー選手。(AFP)

文化

夏の間、リヤドはグラミー賞受賞のラッパー、マックルモアーと、「マーキュリー・ワールド・ツアー」中のマルチ・プラチナバンド、イマジン・ドラゴンズを迎えた。

93回目のサウジアラビア建国記念日に合わせて9月に開催されたアル・ウラーでの第3回AZIMUTHフェスティバルは、世界的に有名な文化遺産であるこの場所で、国際的なアーティストやサウジアラビアのDJ、その他のアラブ人ミュージシャンをフィーチャーし、来場者を魅了した。

サウジアラビア屈指の特別な会場で開催された第2回アル・ウラ― Azimuthフェスティバルでは、サウジアラビアの93回目の建国記念日を祝して、国内外のアーティストがステージを飾った。(提供)

10月に開催された第1回リヤド・ファッション・ウィークには多くのファッショニスタが集まった。このイベントでは、数十人のサウジアラビア人デザイナーが紹介され、リヤドを中東のファッションの新たな中心地に押し上げる舞台となった。

そして12月にリヤドで開催されたMDLBeast主催の「SOUNDSTORM 2023」では、50セント、ブラック・アイド・ピーズ、デヴィッド・ゲッタ、カルヴィン・ハリス、メタリカ、ウィズ・カリファなどのミュージシャンが聴衆を魅了した。

12月16日から19日までリヤドのバンバンで開催された「MDLBEAST SOUNDSTORM」には、世界中から200人以上のDJやステージ・パフォーマーが出演した。(File/提供)

過去12ヶ月のテクノロジー、投資、観光、エンターテインメントの充実ぶりを見る限り、サウジアラビアは中東で最も訪問すべき目的地となる道をしっかりと歩んでいる。

特に人気
オススメ

return to top