





















ジェッダ:サウジアラビアではイード・アル・フィトルのお祭りが本格化している。この喜ばしい行事は、感謝の気持ちを表すだけでなく、大切な家族の伝統や美味しいお菓子を楽しむひとときでもある。
断食の終わりを告げるイード・アル・フィトルは、イスラム教の2つの公式なのお祝いの1つで、もう片方はイード・アルアドハーである。お祝いの本質は一貫しているが、イード・アル・フィトルにまつわる習慣や慣習は地域によって異なり、喜びという共通のテーマを祝いながらも、それぞれのコミュニティが独自の趣向を加えている。
サウジアラビアでは、チョコレート、お菓子、新しい服、イード・アル・フィトルの特徴であるイーディヤを交換する。家族が集まってモスクで礼拝を行い、食事やコーヒーを楽しむ集いを催し、困っている人に手助けする。
イード期間中の顕著な伝統は、家族の団結を重視することである。年長者の家に集まり、語り合い、笑い合い、愛を分かち合う。近所や遠くの親戚が再会し、家族の絆を深め、大切な思い出を作る。
イード前夜
サウジアラビアのどの家庭でも、イードの前夜にはバクールの香を焚く香りが充満する。アリ・アブドゥルカリムの「ファルハ・ファルハ」、ウム・クルトゥムの伝説的な「Ya Leilet El-Eid」、Safaa Abou As-Su’oodの「El-Eid Farha」、モハメド・アブドゥーの不朽の名曲「W Min Al-Aideen」など、アラブの伝統的なイードの曲がスピーカーから響き渡り、祝祭の雰囲気を盛り上げる。
イードの前夜には、お祭りへの喜びと期待から、眠らずに過ごす習慣がある。また、親戚が 「Are you 『mwasel』?」と尋ねるのも伝統的なことで、直訳すると 「昨夜からまだ起きているの?」となり、答えはいつもイエスだ。
家庭は装飾品で飾られ、コーヒーや紅茶が淹れられ、手の込んだデザートやチョコレートの盛り合わせが主役となる。このお祝いの日のために、服には念入りにアイロンがかけられ、香水がつけられる。
王国中の家庭がチョコレートの手配に特別な注意を払うのは、チョコレートが幸福のしるしであるだけでなく、寛大さともてなしの心を表しているからだ。地元のハリマ・シャーバンさんによると 「イードに高級チョコレートを贈る女性は、その品質と贅沢さに対する感謝の気持ちを表しています」と語った。
彼女は細心の注意を払って新しいトレイを選び、Patchi、Chocoline、Tawa、Bateel、Venchi、Chocoliciousなどの有名ブランドの絶妙なチョコレートで盛り付ける。
思い出に残るイードのお祝いにするため、彼女は 「チョコレートを選ぶ作業は、特別な日の喜びと洗練された雰囲気を象徴する、楽しい儀式になります」と語った。
「高級品で知られるブランドのチョコレートを選ぶことで、祝祭に洗練された雰囲気が加わり、それぞれの贅沢なお菓子が味覚を楽しませるだけでなく、目でも楽しませてくれ、イードの贅沢なお祝いを、楽しくしてくれるのです」と彼女は続けた。
伝統的なお菓子
サウジアラビアのイード・アル・フィトルのお祝いは、食卓を彩り、お祝いの雰囲気を盛り上げ、味覚を楽しませてくれる美味しいスイーツの数々なしには語れません。伝統的なものからモダンなものまで、これらのお菓子はお祝いをする人々の心に特別な位置を占めている。
とろけるような口当たりのバタークッキー、Ghorayebaは、サウジアラビア中の家庭で見られる大切なイードのお菓子だ。小麦粉、バター、粉砂糖といったシンプルな材料で作られるGhorayebaは、ローズウォーターやカルダモンで香り付けされることが多い。一口サイズのこのお菓子は、香り高いサウジアラビアのコーヒーにぴったりだ。
Maamoulもイードで愛されるお菓子で、デーツやナッツ、甘く煮たセモリナが入ったクッキーである。心を込めて成形されたこの複雑な形のクッキーは、美味しさだけでなく見た目にも美しい。湯気の立つアラビアの伝統的な紅茶と一緒に楽しむMaamoulは、イードのお祭りに欠かせないものとなっている。
ジェッダの主婦、マラム・センディさんは、ラマダンの最後の日に娘たちと一緒にMaamoulを作る習慣について話してくれた。「私たちは協力して生地を作り、デーツやピスタチオのペーストを詰め、年代物の型を使って形を整え、焼きたての香ばしい匂いが充満するキッチンで大切な思い出を作ります」と彼女は語った。
伝統的な甘い料理であるDebyazahは、サウジアラビア、特にヒジャーズ地方ではイードの朝食に欠かせない。何日も前から準備されるDebyazahは、カマル・アルディンという濃厚なアプリコットの蜜に、アーモンド、ピスタチオ、松の実などの新鮮なナッツ類、イチジク、アプリコット、デーツ、レーズンなどのドライフルーツが組み合わされている。
サロンへ
イードでは、男性がヒゲを整え、髪を整える一方で、女性はは30日間の断食や複数回の礼拝、睡眠不足で影響を受けた美容に関心が移る。ヘアカラーやフェイシャルトリートメントなど、サロンを訪れることが中心となる。
サロンのオーナーたちは、イードを待ちわびる女性たちが、自分へのご褒美にの為に集まり、売上が急増する。ジェッダにあるサロンのオーナー、ラーマ・モハメッドさんはアラブニュースにこう語った「ラマダンの最後の3日間は、ここ30年以上最も忙しく、スキンケアやヘアカット、白髪染めのサービスを求める女性でごった返しています。誰もがイードで最高の自分になろうとしているのです」
イードだ!
イード・アル・フィトルの礼拝が終わると、子どもたちを連れた家族が自宅やレストランに集まり、伝統的な料理からモダンな料理まで、さまざまな朝食に舌鼓を打つ。
地元ジェッダのマハ・アル=ハルビさんは「伝統に培われた居心地の良いものなので、私は家族で手作りの朝食を味わうのが好きです」と語った。
もう一人ジェッダ在住者、タリク・ダッバーグさんは「料理や台所仕事に追われた1ヶ月のご褒美として、妻や母、その他の女性家族に喜ばせ、休ませるために、レストランでイードの朝食を計画しています」と語った。
イーディヤ(イードで贈る現金)を贈ったり、子どもたちプレゼントを贈ったりする習慣が、期待感を高めている。アルクホバルの幼稚園教諭ガディール・オマールさんは、イード初日を楽しいプログラムで祝う家庭の出身だ。彼女はアラブニュースに、毎年イードの期間中、さまざまな年齢層の子どもたちのためにイードのプレゼントを率先して準備していると語った。
オマールさんは「私は、子供たちの思考力と創造性を刺激する為、そして不健康なお菓子を避ける為、楽しい質問で特別な贈り物を作っています」と語った。
サウジ総合娯楽庁は、「Your Eid, With Your Family 」をテーマに、イード・シーズンのイベントカレンダーを発表した。これには、花火大会、アラブの有名歌手によるコンサート、コメディショー、演劇などが含まれる。
サウジアラビアではイード・アル・フィトルのお祭りが本格化している。(SPA)