
ニューヨーク:サウジアラビアの国連常任代表は火曜日、世界秩序は冷戦終結以来最も危険な局面にあると述べた。
アブドルアジーズ・アル・ワシル氏は、国連が建国された原則よりも自分たちの利益を優先させる「一部の大国」のせいだとし、その結果、国連の機関や機構が「少数の国家が無力な人々や国々の運命をコントロールできるような手続きや規則で束縛されている」ために、国連がその責任を果たせなくなっていると指摘した。
安全保障理事会の会合で、アル・ワシル氏は 「ガザ地区でパレスチナの人々に対して行われている露骨な侵害行為は、現在の国際秩序の不作為の典型例であり、国際の平和と安全の維持を任務とする最も重要な機関が、それに託された希望を果たすことができないことを示している」と述べた。
「イスラエルの戦争マシーンが、説明責任も抑止力もなく、何千人ものパレスチナ人を殺傷することを許している」
「近年、世界はますます深刻化する危機の数を目の当たりにしている。だからこそ、より公平で、より結束力があり、平和と安全の確立を助けるより効果的なメカニズムを持つ新しい多国間システムを確立することが、これまで以上に重要になっている」、とアル・ワシルは語る。
「我々は現在、新たな多国間グローバル秩序への移行の局面に立ち会っているが、その特徴はまだ固まっていない」
「特に、政策や経済、デジタル化において分断化の兆候が強まり、核による消滅や第3次世界大戦への懸念が高まる中、紛争や戦争の危険から身を守るために、私たち全員が共同して世界的な取り組みを強化する必要がある」
平和と安全の追求は国連創設の理念であり、サウジアラビアは「国連の目標または目的、そして国際の平和と安全の維持」を達成するために努力し続けることを誓った。
同氏は、安全保障理事会をはじめとする国連諸機関が「組織、国際法、国際人道法の原則に従い、効果的に任務を遂行」できるようにするため、「包括的な改革」の重要性を強調した。
サウジアラビア、UAE、クウェートを含む50カ国以上が、「より公正で民主的かつ持続可能な世界秩序のための多国間協力」と題された安全保障理事会のハイレベル公開討論会に出席した。