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サウジ、COVID-19治療への血漿有効性の医学研究を開始

各地の病院に届けるため、回復したCOVID-19患者から献血された回復期血漿を凍結するラボ技術者。2020年4月22日、バージニア州ダレスのイノヴァ血液サービスにて。(AFP)
各地の病院に届けるため、回復したCOVID-19患者から献血された回復期血漿を凍結するラボ技術者。2020年4月22日、バージニア州ダレスのイノヴァ血液サービスにて。(AFP)
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04 May 2020 11:05:42 GMT9
04 May 2020 11:05:42 GMT9

ファハド・アルザフラニ

リヤド:サウジアラビアの多くの医療研究センターがコロナウィルス感染症(COVID-19)の治癒のためのいくつかの治療法について研究を開始した。

研究は、適格な志願者から血液成分を採取し、病状が進行した症例への血漿の有効性を試験することを目的としている。

血漿は、人体が回復するために必要な抗体を含んでいるため、様々な重篤な問題に対する治療法として重要な役割をもっている。

世界で350万人以上に感染し、24万余の死者を出しているCOVID-19の治療をめぐり同様の研究が世界各国で競って進められている。

ダンマンにあるキング・ファハド専門病院の腫瘍センター長ハニ・アルハシミ医師がアラブニュースに語ったところによると、研究は堅実な医学研究に基づいた治療法を確立することを目指している。

さらにアルハシミ医師は、保健省(MoH)とサウジアラビア食品医薬品局(SFDA)双方が約2週間前に研究を承認しており、承認後すぐに研究チームは回復患者からの血漿採取を開始していると語った。研究完了後に結果を発表するとしている。

アルハシミ氏によると、20施設以上の医療研究センターがこのプロジェクトに携わっており、研究チームには、血液学、免疫学、感染症、集中治療、輸血を専門分野とする21人の主要な研究者が参画している。

アルハシミ氏は、自らの意志で研究へ参加する回復患者らは、全員、承認された研究プロトコールに従った輸血を開始する前に徹底的な健診を受けるとし、さらに、回復患者は検査で2回の「陰性」となった後に、14日間の自宅検疫を経て血漿を採取出来るようになるとしている。

研究チームは、この緊急性の高い研究への参加条件に適合するCOVID-19回復患者全てに対し、www.plasmaforcovid.com への情報登録を呼びかけている。

一方、保健省の本日の記者会見では、予防保健次官補で感染症コンサルタントのアブドラ・アシリ医師がサウジアラビアで実施されている様々な研究や治験について述べた。それには、世界保健機関の世界的なCOVID-19治療研究イニシアチブと連携した治験も含まれている。

現在、7つの病院で数週間前に開始した臨床試験が進められている。この臨床試験では、ラボでのファーストフェーズ試験やボランティアに対する過去の研究で有効性が示されたいくつかの治療プロトコールを見極める事を目的としている。

「これらのプロトコールの四分の三は、これまで様々なウィルス感染に対して使用されてきた広範囲の抗ウイルス薬を使ったものです。これらの抗ウィルス薬が感染者の回復期間を短縮するかどうかはまだ分かっていません。」とアブドラ医師は語った。

この7つの病院に呼吸器感染で入院した経歴のある患者は、投薬の有効性を判断するための臨床試験に参加し、患者の状態はきめ細かく経過観察されことになっている。

「臨床試験の期間は参加する患者数と患者の反応により変わります。」とアブドラ医師は話した。これらの投薬がCOVID-19の治療に成果があるのかを検討するため、初期の結果は今後数週間以内に発表されるとのことである。

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