Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

ジェッダの歴史的物語を伝える博物館が2022年に開館

典型的なジェッダ様式でデザインされたこのビルは、紅海沿岸近くの岩礁から取り出されたサンゴ石灰岩を激しく混ぜたものと、それらを固めるために使用される湖付近の精製された粘土からできた白壁を持っている。(写真/提供)
典型的なジェッダ様式でデザインされたこのビルは、紅海沿岸近くの岩礁から取り出されたサンゴ石灰岩を激しく混ぜたものと、それらを固めるために使用される湖付近の精製された粘土からできた白壁を持っている。(写真/提供)
サウジのアーティスト、ディア・アジズ・ディア氏。(提供写真)
サウジのアーティスト、ディア・アジズ・ディア氏。(提供写真)
Short Url:
21 Sep 2020 08:09:47 GMT9
21 Sep 2020 08:09:47 GMT9
  • バブアルバントビル内の紅海博物館は、原稿、写真、書籍など珍しいコレクションを所蔵する

ラワン・ラドワン

ジェッダ:ジェッダの豊かで色鮮やかな歴史は、伝えるのに一生かかる程の出来事に満ち溢れており、もうすぐ誰で観られるように展示されることになっている。

サウジアラビア王国の西海岸にある都市、ジェッダは文化、伝統、言語、人種のるつぼだ。もうすぐジェッダの歴史的地区の中心地に、『紅海の真珠』、ジェッダの物語を紹介する博物館ができる。

文化省(MoC)はバブアルバントビル内の紅海博物館が、2022年の末には、訪問者たちに観覧を許可すると発表した。このビルの所在地は、紅海沿岸に住む人々を世界とつなぐバブアルバント港として歴史的に知られていて、ジェッダへ来る巡礼者、商売人、観光客にとっての主要な玄関口だ。

バブアルバント港はまた、王国建国の父、アブドゥル・アズィーズ・アルサウド王の出発地としての役目も果たした。74年前、アルサウド王はエジプト王、ファルーク1世に会うために、ここからエジプトへ向けて船出した。

典型的なジェッダ様式でデザインされたこのビルは、紅海沿岸近くの岩礁から取り出されたサンゴ石灰岩を激しく混ぜたものと、それらを固めるために使用される湖付近の精製された粘土からできた白壁を持ち、レバント地方に影響を受けたことで歴史的に知られている『ローシャン』と称されるユニークで複雑な木彫りのバルコニーと窓が、この壁に点在している。

このビルはまた200年以上前に遡って、ジェッダの旧玄関口の1つであることに因んでも名づけられたと考えられている。

MoCはこの博物館が、このビルと都市の物語を伝える原稿、写真、書籍などの珍しいコレクションを所蔵すると発表した。MoCは紅海沿岸が持っている文化的価値と、その住民の経験を称賛し、船旅、貿易、巡礼、多様性、ジェッダ、メッカ、メディナを形成してきたその他の文化的要素に光を当てようとしている。

王国のアートの先駆者、サウジのアーティスト、ディア・アジズ・ディア氏が、ジェッダの歴史上比類なき地位は、様々な方法で伝えることができる物語にあるが、博物館で物語を展示することは正しいやり方だろう、とアラブニュースに語った。

「私たちの立場と歴史は、1つの博物館に収められなければなりません。なぜならば、もし今収められなければ、そして私たちが誰なのか、ということを世界に示すために適切に研究がなされなければ、私たちの遺産の全ては、そのうち消失する可能性があるからです」と、ディア氏は語った。

地元の人々だけでなく、世界中からの訪問者も受け入れる博物館に合わせて、最適な保存や展示を行う高度な技術を要する職員を配し、作品、絵画、芸術品の多くが特別な注意を必要とするので、国際博物館の基準を満たすことは、容易な仕事ではない、と同氏は付け加えた。

この博物館は100点以上の創造的な芸術作品を収蔵し、およそ毎年4回の臨時展示会を開催し、あらゆる年代層に教育プログラムを提供することになっている。

東西の出会い、オープンネス、進歩の数世紀という時代を通じて残された織物の文化と伝統の物語も、同館は伝えることになっている。

「この博物館で展示されるものは何でも、この都市、ジェッダの歴史と世界におけるその特別な場所を明らかにすることになるでしょう。なぜなら、ハッジでメッカやメディナに向かうために到着する全員(の巡礼者)にとって、ジェッダは玄関口だからです」と、ディア氏は語った。「これと同時に、歴史を通してジェッダに留まった人々や、それに起因した人種のるつぼや多様性は、ジェッダに幅広い文化をもたらしています。なぜなら、王国のその他の都市のように、人々は1つのカテゴリーや1つの国籍の出身者ではないからです」

紅海博物館は、サウジビジョン2030の生活の充足実現プログラムの一環だ。同館はまた、MoCのイニシアチブに含まれた政策第1弾の一環でもある。

特に人気
オススメ

return to top